大気の熱吸収について

 地球は本来-18℃という放射平衡温度になるはずなのですが、大気のおかげで+33℃も温度がアップして平均気温15℃を保っています。
 これは言うまでもなく地球の大気が太陽の熱(短波放射)を吸収してくれて、吸収した熱を放射することによって地球を暖めてくれています。

 ここでステファン=ボルツマンの法則を少し改造します。「E=σ×T4」は全ての光を吸収する、完全なる黒、「黒体放射」を想定した場合なので、大気は勿論そんなブラックホールではないので(ブラックホールですら厳密には黒体ではないか)、「イプシロンε」を「吸収率」として、この式にかけてやります。よって「E=ε×σ×T4」となります。
 例えば、吸収率が80%の場合ε=0.8になります。これはつまり赤外線を80%吸収し、20%をスルー(透過)してしまうという事です。そして吸収した熱は、放射されて、物体の周囲を暖めるのです。

 たとえば、太陽(sun)が地球に「σ×T4sun」だけ短波放射をするとして、大気の吸収率をεとします。すると大気(air)はε分熱を吸収するので、大気の温度は「Tair×ε」になり、「(1-ε)×σ×T4sun」はそのまま大気をすり抜け、地表に行っちゃいます。
 また大気がε分吸収した熱は放射され、その放射量は「E=ε×σ×T4air」となります。

 つまり地球の地表は「大気をスル―した太陽の熱」と「太陽熱を吸収した大気が放射する熱」の合計分、暖められることになります。
 よって「大気をスルーした太陽熱+大気の熱」なので

(1-ε)×σT4sun + ε×σ×T4air

となり、これを計算すると

=σT4sun-εσT4sun+εσT4air
=σT4sun-σ×ε(T4sun-T4air)

となります。
 つまりこの式が言いたいことは、太陽熱「T4sun」と大気熱「T4air」の数値が同じだと、かっこの中が「0」になって、「σT4sun-σ×ε(0)」=「σT4sun」になるということ。
 そして太陽熱が大気熱よりも大きい場合は、かっこの中が「正の数」になるので、地表の温度は下がるということ。(「σT4sun-σ×ε(+の数)」で最終的に引き算になるから)
 逆に大気熱が太陽熱よりも大きい場合は、かっこの中が「負の数」になるので、地表の温度は上がるという事です。(「σT4sun-σ×ε(-の数)」で最終的に足し算になるから)
 ちなみに大気をスルーした熱は、地面から放射される赤外線(4πr2×σT4)となります。
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