おおかみこどもの雨と雪

 「面白い度☆☆☆ 好き度☆☆」

 じゃあわたしが「おかえり」って言ってあげるよ。

 100年に一度の傑作と言われるアニメ映画。そんなこと言われちゃったら見ないわけには行かない!

 これもマダガスカルと似ていて、考えるよりも感じるタイプの映画。ぶっちゃけ話の筋はかなりストレートで、アニメが得意としがちなカリカチュア、フィクション性を一切切り捨てて徹底したリアリズムをやろうとしているようにも思える。なにせ鬱陶しい虫まで描いているのだから!

 この映画はもしかしたら絵で実写ドラマをやっているのかもしれない。じゃあ逆にこの映画が実写でもよかったかというと、多分良くないと思う。
 だっておおかみおとこが宮崎駿の名探偵ホームズみたくなるシーンは実写の特撮やCGではジュマンジみたくなって絶対キモいだろうし、その体で人間とおおかみのベッドシーンはいろいろ厳しいと思う。

 とはいえ、もし現実にオオカミと子供のハーフが作れて、そういう半妖みたいな子供を女子大学生が身ごもってしまったら?という荒唐無稽な話を、ここまである種のリアリティを持たせて描いたのはすごい。
 「あのお母さん怪しいぞ」って児童相談所の職員がアパートに押しかけるのとか、考えてみればそりゃそうだよなあってwのび太がフタバスズキリュウをもはや都心で育てられなくなった状況に近い。

 でも、この映画って『(500)日のサマー』のように12年に及ぶ子育て生活を淡々と観察日記のように描いているんだけれど、結局何を伝えたかったのだろう?
 なんでオオカミ?なぜ富山?人間の子供じゃなくて、おおかみこどもの子育てという設定をあえてやった意味は??価値観が多様化した現代、どんな人も世間様には言えないようなコンプレックスや秘密を抱えていて苦しんでいるってこと?

 いや、実は明確なテーマなんてなくて、観客がそれぞれ映画から何かを感じ取ればいいのかもしれない。確かに子育てを経験したお母さんは泣きそうな内容なのかもしれないし。夫に先立たれて富山で自給自足生活をやらなくても子育てって相当エネルギーがいるらしいから。
 私はこの映画あれに似てると思った。小田和正の『言葉にできない』が流れる富士フィルムのCM。まさにこの映画は言葉にできない。まいったなあ・・・

 ええと、でも作劇構造的には結構よくできてて、ナドレックさんも指摘していたけど、明確な三幕構成になっている。
 第一幕が女子大学生と狼男との出会いと別れ。第二幕が新天地での生活。第三幕で視点がおおかみこどもの雨と雪に移って、彼らの選択。
 この幕から幕への移るタイミングがちょうど映画に飽きかけてきた時にやってくるから、最後までなんだかんだで見れてしまうのがうまい。
 最初は映像が癒し系でほわ~んって感じで見れるんだけど、話自体が単調だから眠くなっちゃうんですよw
 で、これ以上やられると退屈だなあって時に、旦那さんがゴミ回収車に入れられちゃったり、田舎の人が世話を焼いてくれるようになったり、主人公が山で遭難したりとちょっとした変化を入れてくれるから、細田監督、ギリギリ飽きさせない時間配分はうまいのかもなあ。

 あとこの三幕構成、なんでわかりやすいかって、花と雨と雪以外の脇役キャラが幕によってみんな違うんですよね。 
 第一幕は旦那さん(大沢たかおさん、声が上手い)。第二幕は韮崎のじいさん。第三幕はキツネの先生と転校生の草平くんって感じで。
 第一幕は舞台が違うからともかく、第三幕で第二幕の登場人物、農家の人たちやご近所さんを出さないのとか印象的でした(韮沢さんは亡くなった?)。もう物語の主役はお母さんじゃないってことなんだろうな。

 あと第二幕と三幕で雨と雪の成長が交差するのとか面白いですよね。男の子と女の子の成長パターンの違いというか。
 第二幕では姉ちゃんの方が野生児で(←顔がルパン三世)、弟はインドアって感じがしたけど、第三幕で弟がいつの間にかワイルドだろ~?になってて、姉と弟が幼少時の印象と全く逆な道を選択するのとか、子育ての予測不可能性みたいなものが出ててなんかリアリティがありました。
 男の子って中学生に入ったときは鼻たれて「うんこ~」とか言って馬鹿なんだけど、中2中3くらいになると急に無口になって男らしくなるんですよね・・・って雨くん10歳だった。
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