『80日間宇宙一周 Galaxy Minerva』脚本①

MP通信プレリリース
世界初の有人恒星間ロケットXー零今日打ち上げ
テストパイロット:アイザック・イエガー、アルファケンタウロスまで10年間の宇宙の旅

地球連邦は、恒星間ロケット「Xー零」の打ち上げを、本日実施した。

Xー零は全長320メートル、500万トンの核融合パルス式ロケット。

太陽系から最も近い恒星アルファケンタウルスの軌道上に、探査衛星ディスカバリーを投入することが主なミッションとなる。

この新型ロケットの最高速度は、秒速254万キロメートル(光速の85%)で、第三宇宙速度で太陽系から脱出した後は、ほぼ光の速さで4.4光年先のアルファケンタウルス星系まで向かう。

だが驚くのは、そのスピードだけではない。

ディスカバリー計画は、太陽系外の生命体の有無を、実際に人間を送り込んで確認させるという、まるでSF映画のような壮大なプロジェクトなのだ。

人類代表として選ばれたのは、ライトスタッフ空軍基地所属のアイザック・イエガー少佐(26)。

彼は、空軍基地きっての凄腕パイロットで、8ヶ月間に及ぶ厳しいテストを突破した。

イエガーの記者会見
記者「10年間の宇宙の旅は退屈じゃありませんか?」
イエガー「それは地球で待っている君たちであって、こっちは相対性理論の関係であっという間さ」

少年「かっけ~・・・」

家の庭で小型のロケットを組み立てている少年
庭の外からカラかう隣の家の悪ガキ「おい、あいつまたしょうもないもん作ってるで~」
同級生「聞いたで、お前ロケット作って宇宙一周するんやって?」

うなずく少年。

同級生「マジ!?お前知らんのか、ロケットはNASAのおっさんがたくさん集まって作ってんやで。お前みたいなもんがひとりで作れるはずないやろ!」
「ああ、ちょっとばかし理科のホーキング先生に褒められたからっていい気になりやがって、こんなもんはこうじゃ!」

庭に入ってきてロケットを蹴飛ばす同級生
慌てて止めようとする少年「なにするんや!」

レオナ「おまえらやめんか~~!」
男勝りな少女がマウンテンバイクで庭に突っ込んでくる。
「うわ!レオナ・イアハートや!」
「お前らなあ、寄ってたかって弱いものいじめて何が楽しいねん!
暴力ってのは絶対にアカンことなんや!」
と言いながら同級生の男の子たちを木の棒でしばき倒すレオナ
同級生「くそ~覚えとれよ~~!!」
鼻の下を指でこするレオナ「へっ口ほどにもないやっちゃ・・・」
倒れた少年に手を貸すレオナ「あんた大丈夫か?」
頷く少年

少年の作ったロケットを嬉しそうに眺めるレオナ。
「へ~これが宇宙ロケット・・・!あんたが一人で作ったの!?すげ~すげ~!!」
「まあな・・・オレはいずれこれに乗って宇宙を飛べるようにする。イエガーよりも遠くへ行くんや・・・」
「マジで!?
でもこれでも十分いけるんちゃうの?」
ロケットにまたがるレオナ
「おい、ちょっとこれ発射してみようぜ。」

庭で大爆発が起こりロケットが勢いよく吹っ飛び、またがっていたレオナを一瞬で振り落とし、隣の家のガレージをブチ壊す。
パトカーのサイレンが鳴り響く。

「・・・逃げるで・・・」
自転車の後ろに少年を乗せて逃げ出すレオナ。

自転車で郊外まで逃げ出す二人。海の見える下り坂を勢いよく降りていく。
笑うレオナ「はっはっはあの悪ガキん家ふっとばしたで・・・!」
つられて微笑む少年。
「しかしあんなロケットを作れるなんて、おたくほんま天才発明家ちゃうんか?
じゃあ、今度はあたしの夢を見せたるな。」

自転車を投げ出し、茂みの中を進む二人。
「ええか、ここはあたしだけの秘密の場所なんや。」
茂みの向こうには金網のフェンスがあり、そのさらに奥は滑走路になっている。
勢いよく加速し離陸していく戦闘機。
「あたしの夢はあれに乗ること。」
飛行機雲を見つめるレオナ。
「女のパイロットはまだおらんらしいけど、ならウチが最初に乗ったるわ。」
「難しいんちゃうんかなあ・・・」
「はっはっは・・・
お前面白いこと言うな。やってもいないのに、なんでここで諦める?
あたしは絶対パイロットなってみせるで。そや、そんときはウチに飛行機こさえてえな。宇宙で一番速いヤツ。それに乗ってうちとお前で宇宙を旅するんや・・・どや?」

数年後の新聞
地球連邦軍初の女性パイロットが誕生!偏見に打ち勝つ!

18歳くらいのレオナ。戦闘機のコックピットに登ってフライトゴーグルをかける。
レオナ「よっしゃ~こっちは準備できたで~!」
作業着を着た青年が翼の下で戦闘機を整備する。
戦闘機から離れ、親指を立てる青年。
レオナ「レオナ・イアハート出撃~!」

空母のカタパルトから勢いよく離陸する戦闘機。
それを見送る整備士の青年。

新聞
星間戦争激化!
ルナマックス前線基地で激しい空中戦!
被害甚大――


ルナマックス基地。
敵戦闘機の大群に押される地球連邦軍の編隊。
猛スピードで旋回し銃弾をかわすレオナの戦闘機
「くそ・・・!弾幕シューティングゲームやないで!!」
無線で応援を呼ぶレオナ「本部応答せよ!仲間はみんな落とされちまった!至急援軍頼む!」
無線「・・・が・・・たな・・・こし・・・てく・・・」
レオナ「ったく冗談やないで・・・!まああたしは宇宙一の天才パイロットやけどな!」

地球の宙域に停泊する宇宙空母の甲板に煙を履きながら突っ込んでくるレオナ機
荒々しく着陸し、翼が折れる。
消火器を持って駆けつける整備士の青年。
コックピットが開く
レオナ「ごめんね・・・壊しちゃった・・・」

病室
傷ついたレオナをお見舞いする青年
ベットで寝たきりのレオナ「そんな顔するなって。あんたの整備不良でこうなったわけやない・・・気にするな。誰も悪くない・・・敵のやつらだって・・・きっと誰も殺したくなかった・・・」
ベッドの横には車椅子がある。
「あ、そうそう、最近暇でな・・・子供の頃のことを思い出すんや・・・覚えてないか?
お前が宇宙一速い宇宙船を作って、あたしとあんたで宇宙を旅するって言ったこと・・・宇宙のいろんなところを回って・・・
きっと楽しいやろうな・・・」
窓の外の空をぼんやり眺めるレオナ。
「なあ、わたしの体が治ったら、その、お前が今作ってる宇宙船に乗せてくれへんかなあ?」
頷く青年
「よかった・・・じゃ、これ預かっといてえな。」
ベッドの横に置いてあるフライトゴーグルを青年に渡すレオナ。
複雑な表情の青年。
「・・・医者がなんて言ったか知らんが、あたしはまだ諦めてへんで。あたしはまだ生きとる。
生きとるうちは何度だってやり直せる。・・・なんだって許せる。
だからお前も絶対夢をあきらめんなよ。ライト。」
ニヤリと微笑むレオナ。



(現在)
目を覚ますライト「・・・・・ふあ~」
リンドバーグ号船内。
歯磨きをしながらコックピットに入るライト「おはよ~ミグ~・・・」
コンソールを叩くミグ「あ、おはよう。」
ライト「何読んでるんや?」
ミグ「ルヴェリエ様からの電子メール。海王星をなんとか立て直してみせるって。」
ライト「あの子ならきっといい王様になるんやろうな・・・で続きは?」
慌てるミグ「それはいいじゃないか・・・」
ミグを押しのけメールを確認するライト「なんで~な。」
「あっ」
「ええと、なになに、僕が海王星を元通りの美しい星にしたらミグさんを必ず招待するので・・・僕と結婚・・・」
「それ以上はやめて!」
「なに赤くなっとんねんあんたは・・・でもあいつ、なかなかやるなあ。」
ミグ「みんな夢があっていいなあ・・・」
ライト「あんたにもあるやないか。地球へ行くこと。」
ミグ「お前やルヴェリエ様の夢に比べたらつましい夢だがな・・・」
ライト「そんなことないよ・・・」
ミグ「ライト・・・」
ライト「え?なに?」
ミグ「いや、いい・・・」
ライト「そう?ちょっと顔洗ってくるわ~」
ミグ(なんか元気ないな・・・)
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