プロメテウス

 「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆」

 知ってどうするんです?

 多分、そこが人間とロボットの違いなのかも。


 公開時からいろいろ賛否両論だった映画。『エイリアン』や『アメリカン・ギャングスター』のリドリー・スコット監督。
 人類はなぜ生まれ、どこに行くのか?その手の普遍的な問の答えって、結局とんちみたいなものしか出ない。でも人類にメタ思考ができるようになっちゃったのが運の尽き。答えを求めずにはいられない。
 だから人類は宗教や哲学、自然科学を生み出した。神でもなんでもいいから「お前たち人類が生まれたのには意味があるんだよ」って言って欲しい。理由が知りたい。理由があるなら。

 人が私(ロボット)を作ったわけは?
 作れたから。
 もし創造主がそう答えたらあなたは失望するでしょう。


 公開当時には「アメリカは結局創造説」とか「キャラの動機がよくわからない」色々言われたけど、私はこの映画・・・すっごい楽しかった。
 漫画の脚本で似たような設定(木星の考古学者の話)をやろうとしているから、ビジュアルイメージの参考に見たってだけだったんだけど、いや~見てよかった。
 楽園で知恵の果実をかじっちゃった人間の、純粋かつ凶暴な知的欲求を描きたかったんだって考えると、綺麗にまとまってはいるし、クロワッサンが空から墜落したり、妊婦がイカを出産したり、主人公の吹き替えが致命的だったりは私にとってはツッコミどころではなく、おバカな魅力として作用した。

 悔しいかな、同じく『2001年宇宙の旅』をモチーフにしたエヴァンゲリオンの時もそうだったんだけど、私って結局笑ってしまうとその映画の評価が上がってしまう。どんなに嫌いな作品でも笑わせられちゃうとOKOKになっちゃって、つまらない作品とはどうしても思えない。笑いは正直だからね。
 こういうこと言うと、いつも「馬鹿にしてるんでしょ」って言われるんだけど、それは全く違う。人が生まれてから死ぬまでの間の辛い人生に、笑いという花を咲かせるのはなかなか尊く、難しいことだ。

 それを一生懸命やっているひとを私は尊敬こそすれ、馬鹿にはしない。じゃあこんな馬鹿な映画作れるのかって問いたいよ。大人になるとなかなか馬鹿なものに全エネルギーを傾けるってことができなくなる。
 うんこマンちんこマンとか描いていると、ある時ふと「これを28歳で描く意味はあるのか?理由は??」と冷静になってしまってなんかバカバカしくなっちゃう。時間的余裕も限られているからね。そうだな、この「歳をとると描く理由を求めずにはいられなくなっちゃう病気」をプロメテウス病と名付けようw

 ただ、ひとつわがままを言わせてもらうなら、あのラストは余計だったかな。リドリー・スコット監督のファンサービスだったんだろうけど、あれでB級ホラー映画みたいなオチになっちゃったわけで。
 というか私はエイリアンのあのデザインがあまり好きじゃない。なんかやりすぎって感じがするんだよな。装飾を付け足しすぎというか・・・成田享さんのウルトラ怪獣に見られるようなシンプルな美しさがない。
 とはいえアメリカのクリーチャーのちょっとグロイ感じとかは、日本人ってなかなか出せないから羨ましいけどね。ジュラシックパークの恐竜のデザインを見たとき、芋の煮っ転がしからハンバーグになったような衝撃((C)毒蝮三太夫)を受けたもの。この恐竜は生きてる!って。

 話が脱線したけれど、というわけで、まあ、最初は剛力さんによる女性科学者の吹き替えが前代未聞のレベルだったんだけど、意外と映画の内容も最終的にはバカ全開だったから(空飛ぶクロワッサンあたりでもうどうでも良くなった)、最後の方は違和感感じなかったんだよな。慣れってすごい。
 このキャスティングは剛力彩芽ファンを劇場に呼ぶための、毎度お馴染みのあざといマーケティングだったんだろうけど、私、最終的にこの映画における剛力の投入には何かもっと深い意味があったんじゃないかって考えているからね。
 
 剛力彩芽「死ねえええええ~~!!!!」(今回のベストアクト)
Calendar
<< April 2024 >>
SunMonTueWedThuFriSat
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930
search this site.
tags
archives
recent comment
recent trackback
others
にほんブログ村 科学ブログへ にほんブログ村 科学ブログ 恐竜へ カウンター
admin
  • 管理者ページ
  • 記事を書く
  • ログアウト