『80日間宇宙一周 From Earth with Love』脚本④

輸送船の船内。
輸送船のカーゴにリンドバーグ号を固定させる。
コックピットから降りるライト「もう大丈夫や・・・」
ミグ「私には何がなんだか・・・」
ライト「驚かせちまったみたいやな、ごめんな」

無線の女性がカーゴに現れる「あなたが突然姿を消して地球や火星は大騒ぎよライト」
ライト「すまんすまん。冥王星でちょっと足止めを食っちまって・・・」
女性「まったく、いつもあなたはそうなんだから・・・」
ライトと親しげに話すタイトスカートの似合うスーツの女性を見つめるミグ。
ミグ「ライト・・・この人は?」
ライト「ああ、ミュウや・・・オレのなんというか・・・」
ミュウ「マネージャーです。さて、その人のこと・・・詳しく話してもらえるかしら?」



輸送船の応接室。
豪華な調度品が並んでおり、壁やキャビネットにはライトのトロフィーや写真、グッズなどがたくさん飾られている。
「レース界の新星ライト・ケレリトゥス」
「快挙!アースラリー3連覇!」
「GT選手権で優勝!」

唖然とするミグ。状況がいまいち飲み込めない。
メロンソーダを冷蔵庫から取り出すミュウ
「コズミックグランプリが近いからマスコミの宇宙船が火星付近をうろついているのよ」
ソファに座るライト「あ、もうそんな時期なんや・・・」
ぼーっと立ち尽くしたままライトのポスターや新聞記事を見つめるミグ。
ライト「ミグ、座ったらどうや?」
ミグ「え?は、はい・・・」
メロンソーダをライトに渡すミュウ
「それで、うちの天才レーサーはコズミックグランプリに間に合わせるために戻ってきたのかしら?」
ライト「いや、たまたま・・・オレ今年は出るつもりないで」
ミュウ「少しはファンのことも考えなさい・・・
チオルコフスキーさんは何を飲みますか?」
居づらそうなミグ「いえ・・・私は・・・お構いなく・・・」
ライト「ミグには紅茶にアプリコットジャム入れたって」
ミグ「ライト・・・」
ミュウ「あら、彼女のことは随分詳しいのね」
ライト「一年間一緒にいると嫌でも覚えるんやって」
ミュウ「ライト・・・これはまずいわよ・・・冥王星くんだりまで行って恋人連れ帰るのは・・・」
ライト「なんやねん」
ミグ「恋人なんて、わ、私はそんな関係では・・・」
ミュウ「あら、恋人じゃなかったらなんなんですか?婚約者?」
ミグ「ち、違います・・・!」
ミュウ「単刀直入に申し上げます。あなたはライトとどういうご関係かしら?」
メロンソーダを飲むライト「第三夫人」
ミグ&ミュウ「あなたは黙ってて!」

ミグにロシアンティーを入れるミュウ
ミュウ「ご存知のとおりうちのライトは人気レーサーでしてね。
コズミックグランプリのシーズン中にスキャンダルは困るんですよ」
ミグ「スキャンダルだなんてそんな・・・私はただ、彼に地球に連れてってもらいに・・・」
ミュウ「あなたもいい年なんだからわかりますよね?
今のマスコミは人気者の足をすくうことが大好きだってことくらい・・・
それに地球と冥王星の政治的な状況はご存じのはずです。
冥王星の一部の過激派が地球を攻撃しようとして・・・」
ライト「それはミグが責任もって止めたったからええやん。
このミグはなんだかんだで3回は世界救っとるからな。」
ミュウ「・・・と、そんな感じで、ありもしないことまで作りあげられてしまうんです・・・」
ミグ「私、知らなかったんです、その、ライトさんが有名なレーサーだったってこと・・・」
ミュウ「さすが太陽系の果てからきた人ね・・・ライトを知らないなんて・・・」
ミグ「・・・・・・。」
ミュウ「いいわ、でもはっきりさせときましょう。あなたとライトに男女の関係はあったの?」
ライト「ええと・・・」
ミグ「そんなの一度もなかっただろ!!」
ミュウ「その言葉を信じていいのかしら?
ここで手を打っておかないと、チオルコフスキーさん・・・あなたもマスコミの餌食よ?
ライトの輝かしい実績が飾られた応接間を見つめるミグ「・・・・・・。」

ライト「ミグ言ったれ、俺とお前とは恋人以上の・・・」
ミグ「私はただ彼に地球まで送ってもらっていただけで、個人的な関係は一切ありません」
ミュウ「本当なのね?」
ミグ「はい・・・」
ライト「ミグ・・・!」
ミグ「うるさいな・・・そもそもお前と私はそれだけの仲だったはずだろ・・・?」
ライト「お前と俺とは戦友やったんちゃうんか」
ミグ「戦友?そうか・・・そう思っていたのか・・・なら任務が終わればお別れだな。
私も地球に連れてってもらったら、そこで別れるつもりだったし・・・
男女の関係は本当にないし・・・」
ライト「じゃあオレが地球に三日で送ったら・・・」
ミグ「三日の付き合いだったってことさ・・・」
複雑な表情のライト
ミグ「・・・なんだ?
そのあとも私と一緒にいるつもりだったのか?
冗談じゃない、キミは今まで一体いくつ私の屋敷の調度品を壊したと思っているんだ・・・
その代金として地球に送ってもらうのは当然さ。安いくらいさ。」
ライト「屋根は直したやろ、昔のこと言うなんて卑怯やぞ。」
ミグ「ああ、私なんて生真面目で融通のきかない堅物の女さ・・・もともとキミとは相性が悪いんだよ」
ライト「あんた急に変やぞ。ケーキに当たったんちゃうんか。」
ミグ「当たってないよ・・・」
ミュウのほうを向くライト「まあ、とにかく火星のレースは今回はパスするわ。オレはこいつと一緒に地球へ行くから。」
受話器を取るミュウ「そう・・・まあ、あなたたちが男女の仲じゃないってことはわかったわ。
でも、ファンはがっかりするでしょうね・・・」
ミグ「いえ、もう地球へは一人で行きます。
ライトをレースに出してやってください」
ライト「・・・へそ曲げるのもええかげんにせえよコラ」
ミグ「お前はなんにもわかってない!」
ライト「わかってないのはお前やろ!」
ミュウ「あ~もう、痴話喧嘩はやめて!私はどうすればいいの?レースに出場するのしないの?
スポンサーにだって迷惑がかかるのよ!」
ライト&ミグ「出ない!!」「出ます!!」
ライト「あ~そうかい、オレが嫌いなら理由を言え!」
何かにハッとするミグ「え・・・」

屋敷のドアで男性を引き止めるミグ
ミグ「私が嫌いなら理由を言ってください!」


ミグ「・・・・・・。」
ライト「じゃないとオレは納得せえへんからな!
俺はお前に約束したんや、俺の船でお前に地球を見せたるって・・・!」
ミグ「バカ・・・」
ライト「言うてみろ!」
涙目になるミグ「もうほっといてくれ!」
応接室から出ていくミグ。



ライトのチームの輸送船の応接室。
応接室に戻ってくるミュウ。
ミュウ「彼女は来客室に案内させたわ・・・」
ライト「そうか・・・ありがとな。飲むか?」
ミュウに紅茶を入れてやるライト。
ミュウ「いただきます、ありがとう」
ソファーに座るミュウ。
ミュウ「あの人と結婚するならレースのあとにしてね・・・」
ライト「あんたさっきと言ってること違うやんけ」
ミュウ「私の専門はハリウッドセレブの愛人スキャンダルのもみ消しよ?
あなたたちが恋人以上の関係だってことくらいわかります・・・
“戦友”ね・・・」
ライト「・・・オレの船で地球を見せて・・・プロポーズするつもりやった」
紅茶をかき回すミュウ「そう・・・
最愛の恋人を失ったあなたが、もう一度人を好きになるなんてね・・・」
ライト「レオナが死んで、両親が離婚して・・・幼馴染の女の子が逮捕されて・・・
そんなボロボロになった俺を癒してくれたのがミグやった・・・
ミグは、自分の身に起きた不幸を決して人のせいにしないんや・・・
オレはイヤなことからすぐに逃げてまうけどな・・・あいつは向き合ってた。命懸けで・・・」
ミュウ「・・・しかしどうしたものかしら・・・マスコミには撮られてしまったし・・・」
ライト「そんなん構うもんか。オレはあいつを地球へ連れて行く」
ミュウ「・・・彼女はそれを喜ぶかしら?」
ライト「なんやと?」
ミュウ「彼女はあなたにレースに出てもらいたいから、あんなことを言ったんじゃないの?」
ライト「そりゃわかるけど・・・」
ミュウ「あの人の性格を考えてみなさい。」
ライト「・・・・・・。
あいつを招待してもらえるか?」
ミュウ「VIP席を用意するわ」
ライト「ありがとう」
紅茶を飲むミュウ「美味しい・・・冥王星の飲み方悪くないわね」
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