日比谷への旅

 旅っていうか、割とちょくちょく行ってるんだけど・・・(^_^;)

 休日を利用して朝から夜まで一日中東京へ行っていました。目的は、ここ数日密か?に進めていた『80日間宇宙一周』小説化プロジェクトの打ち合わせと、パキPさんと『マン・オブ・スティール』の鑑賞。それが終わったら、ひとりで『タイピスト!』も見て帰ろうかな、と思ったら、パキPさんが「そういえば田代さんが好む映画を一度くらいは見てみたい」ってことで、『タイピスト!』にも付き合ってくれて、おっさん二人でドジで貧乏な女の子が、都会で素敵な男性と恋に落ちるという、THE少女マンガな映画を観る試練に耐えてきました。すまん・・・!ちがうんだ、これはちがうんだ。私は『オーケストラ!』の切ない共産主義者イワン・カブリーノフさんみたいなキャラを期待したんだ(T_T;)

 まずは午前中に帝国劇場で、YELLの社長と打ち合わせ。『80日間宇宙一周』のネームと、突貫工事で仕上げた小説版を同時に持ち込んで、読み比べてもらった。
 愚かにも社長が大阪人だってことを忘れていて、エセ関西人が出てくる漫画を読ませちゃったんだけど、「なんやこれ、こんなんよういわんわ、しばくぞ」とキレられる事もなく、事なきを得ました。自分と喋るときは標準語にしてくれているから、すっかり忘れていた・・・ひ~
 関東の人間が書いた割には、80日~のライトの関西弁は、大阪人が見てもほとんど違和感がなかったようなんだけど(奇跡が起こった)、標準語のミグと普段の生活でしゃべっているシーンならともかく、危機的状況ならライトはコテコテの関西弁に戻ると思う、とリアルなコメントをいただきました。
 でも、打ち合わせでも思ったんだけど、オレ、なんでアメリカ人のライトを関西弁のキャラにしたんだろう??考えたのもう昔だから覚えてないwでも「キャラにあってますね」って言われた。関西の人にそう言われると、やたら嬉しい。
 
 とにかく、社長がSF好きだったのも幸を奏して(会社経営者はSFを読んでいる人が多いって話は本当だったのか)、概ね好感触でYELLの小説枠を『80日間宇宙一周』用に一つ取ってもらえるようになりました。
 しかし、17歳の頃のジャンプの打ち合わせの相手はずっと年上で、2008年のマガジンの頃は相手も自分とほぼ同年代、そして今はとうとう年下の人と打ち合わせ・・・時の流れを感じてしまった。自分も、もうライトよりはミグの年齢だもんな・・・だから小説版を書いてて自然とミグの一人称には力が入っちゃったね。そしてちょっと漫画版よりも哀しい話になったね!
 打ち合わせで一番面白かったのは、土星編のあらすじを説明していた時。「この物語は戦闘機のテレビ通販のシーンで始まるんですよ。ユニクロはTシャツ売ってるけど、土星はそんなグローバル経済の論理で兵器売ってる星なんです」と自分のアイディアをちょっとひけらかしたら、「そうですか~確かに戦闘機の購入の話とか来ますもんね」という予想だにしなかったリアクション。
 企業の社長が自家用ジェットやヘリを買うのはわかる。だが待ってくれ。今の金持ちは戦闘機を買っているのか。これが今日の出来事で一番衝撃を受けた話だった。
 なんか節税対策で一口一億円とかで財産として所有するらしい。「うちではとても買えませんけどね」とか言ってたけど、まず庶民にはそんな話がそもそも来ないww

 それと、入門書すら正直わからない人のための、文系でもわかる高校数学の対談本計画は、企画に見合った人物を選ぶのが難しそう(頭の回転が早く、さらに頭の回転が絶望的に遅い自分の質問を忍耐強く聞いてくれる人)。いい機会があったら連絡してくれるらしい。
 でも、小説よりも私が自信があるのは、こっちの企画なんだよな。高校数学って本当やたら複雑になるけど、東大に行った人とか、どこまで本当に理解しているのか気になるんだよね。
 まずこういうものが、何に使っているかとか、どんな歴史でそれが研究されたのかとかも謎だし。それを数学の一般的なテキスト形式じゃなく、対談本として出すのが新しいと思うんだよね。歴史や文学みたいな分野では割と新書とかであるんだろうけれど、高校数学では聞いたことないし。
 だいたい入門書が難しいんだよ。多くの人は入門レベルの問題集からついてけないんだよ!入門、中級、実践はたくさんあるけど、本当に全く数学ができない人でも、ある程度のおおまかなイメージを掴むような入門の入門がない。ないってことは書けないからなのかもしれないが、それは文系が噛んでないからだと思うんだ。で、自分やっぱり文系だと思うし・・・
 読むと、問題が具体的に解けるようになるような、テストで実践的に役立つような本になるかは怪しい。でもそれ以上に読んでて楽しい本にしたい・・・って全然動き出しちゃいないけど!でも自分だったらそういう本が欲しいんだよ~

 で、あとは話が脱線して、漫画のキャラのかき分けの話とか、携帯小説の一般書籍化の話とか、生物学とか宇宙論とか、量子力学の話とかしてて、午前中が終わった。
 社長と別れたあと、正午にパキPさんと合流し、映画鑑賞。感想をいつもみたいに単体記事にしたいところだけど、もう疲れちゃったから、ここでちゃちゃっと覚書。なんか、どっちも想像以上に手堅い出来の映画でしたw

マン・オブ・スティール
「面白い度☆☆☆ 好き度☆☆☆」
 マンステはとにかく壊す壊す。地球に壊すものなくなって最後人工衛星も壊してたw異星人のはた迷惑な二・二六事件に人類がとばっちり受けたような映画。
 あととにかくリチャード・シフ。リチャード・シフの作中登場時間が最長の映画だったかもしれない。もう後半シフしか見てなかった。『ジョニーイングリッシュ気休めの報酬』あたりからロマンスグレーの素敵なおじ様になっていたけど、あの映画と違って今回はサブキャラクター。そしてエディ・カー同様、命懸けでかっこいいことしやがるw
 ただ新生スーパーマンなんであんな人相悪いの?空を飛ぶ際に見せる笑顔が悪役の「ニヤリ」のそれで、こんなやつに「信じろ」って言われても信じられないよw
 でもパキPさんに貸してもらった、スーパーマンが貧困問題という強大な敵に立ち向かう漫画を帰りの電車で読んで泣いた(´;ω;`)やっぱあいついいやつ。
 笑いどころは、無限増殖するラッセル・クロウと、ファミレスで勤務してるスーパーマンのデブの幼馴染。ああいう『グーニーズ』のチャンクとか『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のビフみたいなキャラは、条件反射で笑っちゃうよなw

タイピスト!
「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆☆」
 『タイピスト!』は、もう、とんでもなく場違いで、おっさん二人で見るような映画じゃなかったwもはや『けいおん!』見に行ったほうがまだマシっていうか、上昇志向のある女性がときめくような、素敵な恋と仕事のお話。『オーケストラ!』みたいな政治風刺ギャグはほとんどなかった…気がする(^_^;)
 フランス人って、とことんポジティブなのか、多少強引でもアムールをデウスエキスマキナにしちゃっていて、清々しいくらい展開がド直球w
 映画の見どころとなっている、タイプ選手権の女同士のえげつない戦いは、コミカルで面白い。おすすめバトルはフランス大会決勝。
 しかし人間って面白いよね。実用性を追求したはずの道具で、いつの間にやら、まったく非生産的なゲームをやりだしちゃうんだから。進化のランナウェイ説というか・・・
 でも見世物として経済が動くから無意味じゃないのか。でもさ、私なんというか、音ゲーの世界大会みたいに見えちゃってw確かに技術は凄まじいよ?でもそれ何の役に立つの??っていうw
 あと、この大会ってタイプライターを作っている会社の宣伝合戦にもなっていたらしいから、多少不公平でも、大会で使用するタイプライターは選手の自由なんだよね。同じ規格を使わなくてもいいという。なら、もう紙をああやって手動で取り替える必要がないタイプライター作れよ、とは思ったw

 まあそんな感じで楽しい一日でした。

 あ、最後にもう一度、小説について。私は漫画部門だったから、知らなかったんだけどYELLでは、小説の更新は毎日(!)らしく、そんなペースじゃ私はどう考えても、早かれ早かれ原稿を落とすので、予め殆ど完成させてから連載を開始することにしました。だから冬くらいになりそう。
 それに『80日間宇宙一周』って冬のように寒い星の冥王星からスタートするし、それくらいの時期なら、小説も完成しているかなあって。突貫工事とは言え、5日で6万字書けたからね、私。出来はわからないけど・・・
 あと、文字のフォントがひとつだけなのと、斜体や大きさも変更できないのは正直辛いなあって・・・でも仕方ないから表現方法を工夫します。載せてもらえるだけありがたい!
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