清須会議

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆」

 それは至極真っ当な意見だ。

 織田信長の跡目を決めるために織田信長の家臣の武将たちが清須城に集まって会議を開いた話。こういう映画はやっぱり歴史好きと見るに限る!いや~面白かった。戦国武将を美少女にしなくたって、ほとんど史実通りに描いても、ディティールを掘り下げれば十分面白い物語になるってことだね。さすが歴史オタク!
 
 かつて・・・正確に言うと5年前に、私も戦国時代を題材にした漫画の脚本を書いたことがあって、その時三谷幸喜的な配役にしたんだけど、なんと丹羽長秀:小日向文世さんというキャスティングがシンクロして、なんかとっても嬉しかった思い出があります。とはいえ作中の役どころや性格は違うんだけどね(^_^;)
 今回の作品は、『THE有頂天ホテル』や『ステキな金縛り』みたいな純粋なコメディじゃなくて、久しぶりのストーリ仕立て。最近の三谷映画は、すっごい笑えはするんだけど、ギャグてんこ盛りの長尺で、映画館で見ると笑い疲れしてクタクタになっちゃうことが多かったんだけど、これくらいの頻度のギャグの方が肉体的にはちょうどいいwいや、これでも、十分面白いんだけど・・・三谷幸喜そこがしれねえ。

 しかも戦国時代を舞台にして合戦とかがメインじゃないからね。『総理と呼ばないで』みたいな政治劇なわけで。いつの世の中も政治家っておなじようなことやってんだなあって。あの紅白ビーチフラッグ対決も接待ゴルフみたいなもんだもんねw

柴田勝家
織田信長四天王のひとり。武闘派で百戦錬磨の戦争のプロって感じだったらしい。戦国時代を題材にした作品は数知れず、この人を主役にフォーカスするのって珍しい。
肉体派だけど、値は優しく、でも不器用な、ちょっと某最強伝説の人の面影を感じるナイスガイになってました。
役所広司さんといえば『合い言葉は勇気』でも、子どもっぽい偽弁護士を演じていて、同じく鈴木京香さんに恋をしていた。あと、くさい。

丹羽長秀
鬼五郎左とも言われた非常に優秀な武将なんだけど、明智光秀や柴田勝家といったさらに天才的な武将の陰に隠れて、柴田勝家以上にあまり取り上げられない四天王の一人。
この映画を一緒に見に行った友達に、大学時代、「戦国時代の漫画を描くなら、ぜひこの人を出してくれ」と言われて、柴田勝家とともに活躍させた経験がある。
『清須会議』では『ステキな金縛り』の天使のように、クールで理論派のキャラを小日向さんが好演。最近はおちゃらけたキャラじゃなくてこういうキャラに転校したんかな。でも、小日向さんって最初『古畑任三郎』で出てきたときは、確かに冷たい口うるさい囲碁棋士だったなあw
すました顔の演技は、どことなく中井貴一さんを意識??

羽柴秀吉
THEポピュリスト政治家!目的のためなら、どんなカードもきるマキャベリスト。こんな人にはかなわない。普通人間ってプライドっていうのがあるんだけど、この人は百姓出身だから、泥まみれで土下座するのもへーきへーき。
しかし、この人のメソッドは本にしても売れないだろうね。絶対勝つけど、やれないもんこんなことw大衆迎合だろうがなんだろうが、どんなゲスなことでもやれちゃうのもまた才能だ。自分とは対極的な人間な気がして、ちょっとゾッとした。
でも一番すごいのは、あの時代にこういう身分にとらわれない人事を断行した信長だよな。すごいよな。生まれるの早すぎたよねw
この人は指が6本あったんじゃないかって説があって、作中でも右手に手袋をしている。

黒田官兵衛
友人曰く、政治家や政策秘書というよりは、ロビイストみたいな感じの人だったらしい。国力を向上させる過程では重宝されたものの、完成した国を安定、維持させる際には、主要ポストから外されちゃったという。
だから、あんな人相悪い寺島さんが演じていたのかw顔の左がやけどでただれているんだけど、あれもきっと史実で、なんかあるんだろうな。

滝川一益
信長四天王のひとりで元忍者(という説がある)。三谷ドラマでは近藤勇役(※激似)でお馴染みの阿南健治さんが演じている。
関東で強大な敵北条氏と戦っていたため、清洲会議にも大遅刻wでも、そこを任されていたんだから、相当実力はあったんだろうな。友人曰く、逆に考えれば四天王でもっとも鉄砲玉にしてもいいとも言えるw

池田恒與
遅刻した滝川一益の代役として会議に参加。
日本の政治家でたくさんいそうなタイプw強い方につくリアリストで、悪く言えば節操も信念もない。「俺たちは天下人の器はなかったが、誰が天下人か見極める目を授けられた。生きてりゃ勝ちよ。何が何でも生き残ってやる」みたいな、ドライな哲学を丹羽長秀に語っていたが、その後秀吉側の家臣として、なんと討ち死にしている。
その顛末を知っていた友人は、このキャラが一番好きだったらしい。

織田三十郎
こういう我関せず~なニヒルなキャラ好きなんだけど、やっぱりあざとい!最後の美味しいところ持って行きやがってw「兄が死んだ時点で、私も織田家も死んだ。好きに滅ぼしちゃえよ」みたいに投げやりなことを秀吉に言うが、実際は滅ぼされなかったらしい。さらにずるい!あとイケメン!

前田利家
戦国一の槍使いとして有名な武将。浅野忠信さんが演じているからか、どうにもマイティ・ソーのあの人とかぶっちゃって(^_^;)
とにかく足が遅い。ほ、本当かいw(戦場ですぐに殺されそう)

織田信雄
超バカ。この人は自分の漫画でも出したんだけど、天正伊賀の乱で普通じゃ絶対負けない人数で伊賀忍者にボロ負けして城落とされちゃったりしてるんだw
泰平の世ならいいけど、戦乱の世でこの人を天下人にしちゃうほど、恐ろしい話はないよねw

更科六兵衛
北条家家臣設定だったからか友情出演w「よかった~人間死んだらオシマイよ」w

松姫
『プロメテウス』ではいろいろやらかしたゴーリキさんだったけど、今回は必殺のセリフ棒読みが逆に高貴な身分っぽくていい効果になった気がする。
眉も剃っていて、お歯黒なのも本格的。しかしよく織田家に嫁いだよな。波乱の人生だ。

お市様
とにかく秀吉が嫌い。

あと、門番の人、左とん平さんかと思ったら、近藤芳正さんなんだねwすごいふけメイクだ。
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