経済学の勉強もいよいよ中盤戦。しかし、なんだろう、経済学ってやればやるほど、どんどん嫌な気持ちになっていく・・・
これは経済学者の本を読むといつもそうなので(池田信夫さんとか、リーソンとか)、なんらかの理由がありそうなんだけど、やっぱり人間の心って単純な反応機械じゃないから、例え世の中のほとんどが金で動いていても、じゃあその金のことについて学べば人生勝ち組ヒャッハーにならないんだよね。
この前の映画で、強大な力を手に入れて、自分の都合のいい世界を作っちゃったホマロケファレの心が決して満たされなかったように。
そう考えると、世の中カネなんだけど、その事実に直面して冷静なやつなんて、なかなかいないってことだよ。なんか女子のそういう矛盾のある態度が昔は嫌だったんだけど、最近はよくわかるなあって。金は大切だけど、価値観の全てを金でさし図る人に魅力は感じないよなあって。
例えば、このテキストの著者さんも、どっちかというと『海賊の経済学』のリーソンに近い立場で、アダムスミスの神の見えざる手のごとく、個々の自由で利己的な経済活動に任せれば価格は自動調整され、富は最適配分されるって言うんだけど、まあ、確かにマクロな目で見れば自然界と一緒で、最終的にはバランスとるんだろうけど、だったら別にルールもへったくれもなく、好きにみんな生きればいいじゃんってなるじゃん。
市場の失敗さえ、マクロな目で見れば瑣末な出来事だろうって。利益追求で死の商人はユニクロみたくバシバシ兵器をいろんな国に売りさばけばいいし、それで核戦争でも起こって人類がほとんど減っちゃっても、まあ、地球規模で考えれば許容範囲で、むしろ人間が減ったほうがいいことなんじゃないかって。
そんな感じで、今の経済学者や金融工学の理論をおちょくったのが、『80日間宇宙一周 CRIMSON WING』だったわけで。
つまりね、虚しいんだよね。手鏡事件で捕まっちゃった植草教授も、金もあって顔も良くて、頭もいいじゃん。でもあんなよくわからないスケールの小さい犯罪しちゃうわけで、西部邁さんが言うように、やっぱり経済学って虚しいんじゃないかって。
植草教授は、さらに市場の原理に好きにさせていく立場(新古典学派やマネタリスト)じゃなくて、裁量主義(ケインジアン)なんだけど、それでも、いや、そういう立場だったからこそ、虚しくなったんだろうなあって。
なんか、しょっぱなから愚痴っぽいぞ。
でも、いくら儲かる分野だからって、この学問は自分には合わないなあって、思ったよ。そもそも漫画やアニメとか作る人って、絶対金のためにやっている感じしないしね。金で考えるなら、公務員の方が生涯年収を比べれば全然高いわけで。
は~あ、とっとと経済学概論は終わらせちゃおう。では、第二章以降のミクロ経済学についてまとめます。
需要曲線
X=D(p)
需要量=需要の内訳(価格)
どう考えてもすごい単純すぎる式なんだけど(需要が価格の要因だけで決定してしまう)、つまりは価格が安いと沢山売れて、価格が高いとあまり売れないってこと。
吉野家の牛丼は牛丼並の価格を決定する際に、牛丼並250円、280円、300円・・・と異なる価格の店を作って、どの値段なら最もたくさん売れるか実験した。
そう言う意味で、需要量と価格は相関関係があるので、上の式は説得力がある。
経済学は変化率で考える。100円上がったのか1ドル下がったのか、など、異なる通貨では比較ができないため。
弾力的な需要曲線
価格に合わせて柔軟に需要が変わる。傾きが緩やか。高かったら消費者は買わないようなどうでもいいものが多い。海外旅行とか。
非弾力的な需要曲線
価格が多少変化しても需要が変わらない。傾きは急。生活必需品である場合が多い。米や味噌など。この前の白菜や石油もそうか。
この場合、供給量が減ると価格が高騰する。価格が高くても消費者は買わざるを得ないので、供給者は収入が増える。
ただ、長期的になると「もうこんな高い石油買ってられない!」ってなって、別のエネルギー源を開発&消費する可能性があるので、そうなると需要曲線は徐々に弾力的になり、傾きは緩やかになる。
支出額=価格×需要量(グラフ上では四角形の面積)
例えば石油の輸入額は石油の価格と輸入量の積。
消費者の支出=供給者の収入
そりゃそうか。敗者がいるから勝者がいる・・・そういう三人称視点ばっかやってるから経済学者って虚無に襲われるんじゃないの?ズバリ花輪くん、そんなスナフキンみたいな立場が通用すると思っているのですか?
豊作貧乏問題
需要が価格にあまり反応しない非弾力的な需要曲線で発生。供給量が減ると価格は高騰するが、供給量が増えると逆に価格は暴落してしまう。
あまりに価格が下がりすぎると、なんとむしろ売るほうが損になってしまうので、農家の人は採れ過ぎた野菜を廃棄することもある。
つまり、たくさんできた場合は弾力的な需要曲線の方が生産者にとっては都合がいい。安ければ安いほど消費量が増えるので。
価格差別
映画館や博物館などの大人料金、子供料金の話。これは子供に比べて大人は、需要曲線が非弾力的であることによる。安くても興味がなければ見に行かないし、高くても見たい映画なら絶対見に行く。
これノラネコさんに教えてもらったんですが、テレビドラマのDVDやブルーレイが超高額な理由でもある。つまりDVDを安くしても、それを買う人は結局マニアで、そのマニアの数は変わらないので、売上に変化はない。だったら多少高くても、売っちゃえってなっているらしい。マニアはつらいよ。
ダンピング
国内で価格を高く付けて売り、海外では国内に比べて価格を安く付けて売ること。
これは国内は需要曲線が非弾力的(ブランド嗜好が強い)で、海外は需要曲線が弾力的(ブランド嗜好が低い=品質が同じならメーカーに関わらず安い物を買う)であるから。
もう少し複雑な需要曲線
X=D(p,p*,y,w…)
クレープの需要量=需要の内訳(クレープの価格、ライバル商品※ドーナツとかの価格、その地域の消費者の所得水準、天候の状態…)
外生変数
リアルに考えると商品の値段だけじゃなくて、こんな感じでいろいろな要因が需要に影響を及ぼすのだろうけど・・・変数が膨大にあってグラフに書けない。
こういう場合は、とりあえず需要と価格の関係だけにフォーカスして、あとの要因は変化しないものとして見て見ぬふりをする。こういった考察の対象外になっている要素を外生変数という。
例えば、消費者の所得の変化等は、需要曲線上には影響を与えないが、座標平面上の需要曲線の位置を変える(シフトさせる)影響がある。
ちなみに、消費者の所得が上がると需要曲線は右側にシフトする(価格が多少高くても買うため)。
内生変数
それとは逆に、分析や考察の対象になっている変数を内生変数という。これらは需要曲線上の動きとして表示される。
言い換えれば需要曲線そのものを構成する要因ってこと。
需要曲線の合成と分解
物理のベクトル同様、合成したり分解できる。例えばAさんの需要曲線とBさんの需要曲線を水平的に足し合わせて、二人まとめた需要曲線を描くことができる。この逆も可能。
一般的に需要曲線は社会を構成するたくさんの人々の需要量を合計させたもの。
効用
ユーティリティ。商品を購入することによって消費者が得る幸福感のこと。
喜びの度合いなんて数値化できるわけ無いじゃないかって感じだが、経済学ではその商品をどれくらいの値段だったら買うかで数値化を試みる。すごい身も蓋もないぜ!
消費者余剰
例えば、Aさんのビールにおける需要曲線を考える。
Aさんはビールの値段が仮に一本2000円でも、よほどの酒好きなのか1本は購入してくれる。これが一本1400円になると2本、1000円では3本を買う。
この法則で言えば、Aさんはビール3本の価値を2000+1400+1000=4400円と評価していることになる。なんだこの強引な理論はって?気持ちはわかる。私も首をかしげた!
ビール3本なら1000×3=3000円の価値なんじゃないのかって。そこで出てくるのが消費者余剰だ。この言葉、個人的にはすっごいイメージがつかみにくいと思うんだけど、消費者における本当はもっと払わなきゃいけないのに得しちゃった、みたいな利益を差す。
つまり、Aさんは本来ビール3本に4400円までなら払ってもいいと思っていたんだけど、実際には3000円でビール3本を購入できたので、4400-3000=1400円得をしたと考えるのだ。
・・・分かる!私もこの理屈は納得いかない!
ビール3本買うときは一本あたり1000円の価値だと考えてるから3000円出して買ったんじゃないのって。もしくはもともとビール一本に2000円まで出す人なんだから、2000×3=6000円で、それが半額の3000円で買えたんだから、消費者余剰は3000円なんじゃないのか、とか。ここら辺なんか釈然としないので後で質問しよう。
これがビールじゃなくて音楽のCDとかだと、普通は複数買わない。そこを突き崩したのが、何が出るかわからないガシャポンフィギュアとか、AKB商法なんだろうね。マニアはつらいよ。(本日二回目)
抱き合わせ商法
ビールは3本セットでしか売らないみたいなやつ。もしビールがバラ売りされず3本セット4300円なら、4300円出してビールを飲むか、買わずに一本も飲まないかってことになる。
上のAさんの場合、ビール三本ぶんの価値を4400円と考えているので、この人は4300円のビール三本セットを購入すると言える。
ちなみに、この商品を買いたければ別の商品を買わなければならないみたいなのは独占禁止法で禁止されている。AKB商法とか、萌えアニメのDVDを買わないとサントラが買えないとか・・・あれれオタク分野に多い!?マニアはつらいよ。(本日三回目)
二部料金制
遊園地の料金や電話料金など、最初に固定料金を払って、さらに使用料ごとに追加料金を支払うシステム。グラフに書くと切片付きの一次関数のグラフを描くやつ。
この場合、たくさん商品を購入したほうが、最初の固定料金(入場料や加入料)が分散されてお得ということになる。
最初に払う固定料金よりも消費者余剰の金額が高くないと、消費者は遊園地にはいかないということになる。そういやディズニーランドは二部料金制じゃないよね(アトラクションに乗るのにチケットを追加で購入しない)。あ、でも食事やグッズで回収しているのか。じゃ二部料金制だ。
効用最大化
いくらビールが好きでも、安ければ何百本も飲めるってわけじゃないんで最も大きな消費者余剰をもたらすポイントが消費者によって決まっている。
その商品の価格よりも消費者の評価が低くなってしまったら、その人はその商品の追加購入をやめる。
限界効用
商品を追加購入することによって、さらに追加される金銭的評価(ビール二本目の1400円みたいな)を限界評価、もしくは限界効用という。
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