すでに経済学はマクロ経済の方に突入しているのですが、ミクロ経済学の知識がだんだん炭酸のように抜けてきたので、ここで用語を確認&メモ。
クリスマスであろうと勉強をしているオレ、えらいぞ。恋愛なんてゼロサムゲームさ!(やさぐれた)
マーシャルの外部性
産業が特定の地域に集中すると、分業や相乗効果によって各部門(組立部門とか部品製造とか)のコストが下がる。また、その産業全体の生産が大きくなるほど、ここの企業のコストも下がっていく。そういった現象を指す。
つまりネットワークができちゃうと強いということ。
共有地(コモンズ)の悲劇
ゲーム理論の考え方で、漁師やタクシー運転手など、営業エリアを複数のプレイヤーが共有している場合、あるプレイヤーが利己的に動いて、たくさん利益を得れば得る程、他のプレイヤーの利益がとられてしまうことを言う。生物学者ギャレット・ハーディンが提唱。
ピグー税
外部効果による市場の失敗を是正するために導入される税金のこと。市場の失敗の代表格である環境問題を経済学的に研究したアーサー・セシル・ピグーにちなむ。ガソリン税や炭素税などが有名。
こういった外部効果が存在する場合、政府の介入なしには最適な資源配分はできない。
公共財の性質
①非競合性
テレビ番組や公園など、複数の人が同時に消費できるということ。
通常の財には競合性がある。例えばAさんがラーメンを消費したら(食べちゃったら)、Bさんはそのラーメンを消費することができない。
②排除不可能性
サービスに対する対価を支払っていない人を、その消費から排除することができないということ。フリーライダーOK!
コースの定理
環境破壊や騒音は市場取引なしで、周りに影響を与える外部効果で、それが市場の失敗をもたらす。市場の失敗が発生している場合、その当事者(権利関係)が明確で、メリットデメリットの情報が対立勢力に対称的に伝わっている場合、どちらに有利な展開になっても結果が同じになることを言う。
例えば、工場の騒音問題の場合、裁判所が騒音に悩む近隣住民の訴えを認めた場合(環境権裁判)、企業側は工場を操業を完全にやめるよりは、防音設備を整えたほうが安いので、防音対策が取られる。
逆に裁判所が近隣住民の訴えを退けた場合も、住民はみんなで別の場所へ引っ越すよりは、お金を出し合って防音設備を整えたほうが安いので、やっぱり防音対策が取られる。
ちなみにコースというのは提唱した学者の名前。
費用逓減産業
逓減(ていげん)とは、どんどん減っていく、という意味。
平均費用(AC)が右下がりのグラフでは、限界費用よりも平均費用の方が高くなっている。よってその商品やサービスの値段を限界費用と同じ金額に設定すると、資源配分上は最も望ましいのだが(限界費用価格形成原理)、企業側からしてみれば(平均費用-価格)分が損失となって発生してしまう。
これは初期の設備投資がものすごく高くつく(=固定費用が高額な)産業で発生する。
こういう産業や研究の場合、政府がある程度補助金を出してやらないと、誰も手をつけなくなる可能性がある。2位じゃダメなんですか!?
どんな需要の度合いの消費者にも、単一の価格で売らなければならない企業の辛いところ(その人の欲しい度合いに応じて、値段を高く売ることができない)。
金融工学
不確実性のある経済の動きを、確率理論とコンピューターシミュレーションで予測し、金融市場を分析、より望ましい資産運用の方法を導き出す学問。
ファイナンス理論っていうやつで、たしかハーバード大学の理系学生が小遣い稼ぎでやりだしたんだっけか。でも私が思うに、マクロ経済の流れなんてカオス系だと思うから、やっぱり予測不可能性が起きて、サブプライムショックで大損失を出した。ギャンブラーの破滅!
危険分散
どんな種類の不幸が起きても、全財産を失うことがないように、いろんなところに財産を分散させること。保険や複数の資産購入など(資産の分割投資)。一度にすべてのタイプの危険がやってくるということは、あまりないので・・・あ、でも地震保険は地震による火災には対応するのかとかいろいろありそう(^_^;)なんにせよ、リスクヘッジ(危険回避)の知恵。
ひとつの道に全財産をかけるのは、自殺行為なのだ。ギャンブラーの破滅!(2回目)
モラルハザード
困った人の公共の利益を害する自分勝手な行動のこと。救急車をタクシーがわりに使っちゃう人が増えると、本当に大怪我している人が乗る救急車が出払っちゃう場合がある。
こういう人たちを対処するために、例えば救急車を有料にしたりするというアイディアもある。踏んだり蹴ったりだけど、病気や怪我をしている人は有料でも乗りたいだろうし(死んじゃうから)、あとで病院側がチェックして本当に必要な人が使った場合は、料金を払い戻したりすればいい・・・ってテキストに書いてあった(^_^;)
コンビニエンスストアの経営
①賃金契約
従業員を本社が雇用し、一定の賃金を支払う方法。直営店。
②利益分割方式
店舗の利益の一定“割合”をフランチャイズ料として本社に支払う方法。
どんなに大儲けしても、その利益の割合で取られるので、経営者のモチベーションは低いが、収益が出なかった場合のリスクも低い。
地主と小作人の契約もこの場合が多い(刈分け小作)。
③定額フランチャイズ方式
店舗の利益とは関係なく、毎月一定のフランチャイズ料を本社に支払う方法。
徳川吉宗みたいに、定額を毎月取られるので、収益が出なかった場合のリスクは高いが、大儲けした時の利益もでかいので、経営者のモチベーションも高い。
グレシャムの法則
質の悪い商品が市場に紛れ込むことで(レモン市場)、質の良い商品の取引が阻害されること。悪貨は良貨を駆逐する。この疑心暗鬼な現象を逆選択という。
レモン市場は、買い手がどの商品がポンコツなのかなかなか分からないが、売り手の方がどれレモンか把握している場合が多いので、情報が非対称的である。アンフェア!
これを解消するために、第三者のディーラーが商品の品質を保証したりする、中古車市場とか。
ムーディーズやスタンダード&プアーズといった格付け機関もそうだけど、意外と役に立たなかったりする。正確に格付けを行うのが難しい。
ちなみにグレシャムとはエリザベス女王時代のイギリス王室金融代理人。
スペンスのシグナル理論
売り手が、買い手にその商品の品質が高いことを伝えるためにシグナルを出すという考え方。
例えば巨額な宣伝費を払ってPRをしている場合、売り手はその商品の品質に絶対の自信を持っていることが多い。ダメな商品を詐欺的に売るために、莫大な予算をキャンペーンには使わないだろうから、このシグナルは買い手にとっては割と信頼性が高くなる。
他にも立派な店構えの店舗は、詐欺的な商売をしている可能性は低い。なぜなら、詐欺で得られる一時的な利益よりも、店をたたむ損失の方が高くつくから。
新入社員を人事部が採用する際に、その人の学歴のデータを用いるのも、経済学的なシグナルと言える。能力が高い人は、少ないリスクで学歴の高い大学を卒業するだろうから、わりと選別の目安にはなる。
自己選択メカニズム
プリンターの本体は安いのに、なんでインクはあんな高いんだ!って思っている人は多いと思うけど(私だ。特にブラックのとばっちりでイエローが犠牲になるのやめて)、あの価格設定はすごい意図的で、ああすることでヘビーユーザーとライトユーザーを選別しているという(=たくさん利用する人からたくさんお金をいただく)。
このように巧妙に料金体系を設定することで、見えなかった消費者集団の実態を掴むメカニズムを自己選択メカニズムという。
プリンシパル・エージェント問題(エージェンシー・スラック)
『海賊の経済学』で出てきた、アレ。プリンシパル(依頼人)とエージェント(代理人)がいた時に、どうやってエージェントが金だけふんだくってサボらないかドキドキする問題。
モラルハザードをどのように防止するか、という問題とも言える。
限界代替率逓減の法則
本当はうどんが食べたかったんだけど、うどんがないなら蕎麦でいいやって時、蕎麦はうどんの代替可能物である。こんなもんその日の気分によるんだけれど、もしこの時、うどんの評価が蕎麦より高かった時、うどんが食えないせつなさを蕎麦何倍分で補えるかというモデルを立てる。
この割合が限界代替率。この大きさは財1と財2の綱引きになっている無差別曲線の傾きによって表される。
例えば、うどんをたくさん食べると、いくらうどん好きでも徐々に「うどんもういいや」ってなっていくので、蕎麦で換算したうどんの評価は下がっていく。これを限界代替率逓減の法則と言う。
下級財
収入がアップすると買わなくなるようなものやサービス。
良心的な低価格の学生食堂とかに、港区のセレブはなかなか入らないと思う。
奢侈品
これ絶対読めないよね!「しゃしひん」って読むらしい。このテキストルビ振らない主義なんだよなあ・・・(^_^;)趣味や娯楽に関係するものやサービス。いわゆる贅沢品。
一般的に収入が増えると、それに応じて注がれる金額が増えていく。年収の高い人って高い腕時計とか高級車とか買うけれど、あれってみんながみんな別に成金とかじゃなくて、経理士さんとかに税金対策で買いなさいって言われたりしてるんだよね。
必需品
生きていくためにある程度は絶対に必要なもの。例えば食費はいくら金持ちになっても、そこまで増額はしないので(収入が高いほど大食いにはならない)、家計に占める食費の割合で、その人の豊かさを調べることができる。これがかの有名なエンゲル係数。
代替効果
価格変化から、消費者の所得の変化を除外した相対価格のみの影響のこと。財1が値上がりしたことを受けて、代わりに財2(財1の代替財)が消費されるようになった場合を考える。
所得効果
価格の変化によって相対的に所得も変化し(値上がり=所得ダウン、値下がり=所得アップ)、それが消費行動に影響を与えること。
スルツキー分解
消費現象を所得効果と代替効果に分けて分析すること。
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