政治学覚え書き⑩(司法府)

 三権分立ラストは司法!な・・・長かった・・・

司法府(裁判所)

すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される(憲法76条)。

司法権の独立
・・・ということで司法権は独立していることになっているが、システム上やっぱり圧力をかけることは原理的には可能。
国会:国政調査権で裁判の内容に圧力
上級裁判所:最高裁判所が下級裁判官を指名するので、その作成名簿で圧力
内閣:最高裁判所の裁判官を任命するので、圧力
世論:マスコミや大衆の裁判批判で圧力

大津事件
1891年、大津市の警察官がロシアのニコライ2世を切りつけた暗殺未遂事件。
ロシアを恐れた日本政府は、その警官を死刑にしちゃえ!と超法規的措置を取ろうとしたが、司法が法律と判例にのっとって、無期懲役を命じ、政府の求刑を退けた。尽力したのは大審院院長、児島惟謙(こじまこれかた)
近代日本法学史上重要な事件と言われる。
そういえば、中国の漁船衝突事故も似たようなケースだった気がするけど、あっちは司法は負けちまった(^_^;)

裁判官の任免
最高裁判所長官:内閣が指名、天皇が任命
最高裁判所裁判官:内閣が任命、天皇が認証※指名なし!
下級裁判所裁判官:最高裁判所が指名、内閣が任命

裁判所の種類
裁判所は最高裁判所と、それ以外の下級裁判所の2種類のみ。
戦前には、行政裁判所や、皇室裁判所、軍法会議があったがすべて廃止。
現在の裁判所は4階級あり、その中で三回まで裁判が受けられるので、四級三審制と言われる。

①最高裁判所
設置数は1(東京)。
違憲立法審査の終審裁判所=憲法の番人
長官と、判事の計15人体制。

②高等裁判所
設置数は8。控訴・上告審。内乱罪だけはここで第一審。3~5人の裁判官による合議制。

③地方裁判所、家庭裁判所
設置数は共に50。一般的な事件の第一審。
地方裁判所は、裁判官一人の単独裁判だが、特別な場合は合議制。
家庭裁判所は家事審判、家事調停、少年事件を担当、単独裁判だが、特別な場合は3人の合議制。

④簡易裁判所
全国に438。
民事では140万円を超えない請求、刑事では罰金以下の刑に当たる罪を担当。単独裁判。

上訴
一回目を控訴、二回目を上告という。

再審制度
判決が確定したあとに、判決を覆すような重大な欠陥が出たとき、裁判をやり直すこと。
無実なのに長期にわたって被告人にされたことを冤罪という。

民事裁判
市民同士の争いを民法、民事訴訟法などによって裁く。

刑事裁判
国が公益の代表として犯罪の処罰を求める。刑法、刑事訴訟法による。

行政裁判
民事裁判の一種。
行政官庁と市民のあいだの紛争に関する裁判。
行政事件訴訟法による。『合い言葉は勇気』のフナムシ開発の裁判はこれ(県を訴えた)。

分限裁判
裁判官は行政機関が懲戒処分を行えないので、司法部内で行う裁判。

公の弾劾
国民は職務怠慢、職務義務違反の極悪裁判官を、国会の訴追委員会にかけることができる。
心優しきシャバレラ判事。

最高裁判所裁判官の国民審査
その人が最高裁判所裁判官に任命されて初めて行われる衆議院選挙の際に実施され、その後は最初の国民審査から10年経過して初めて行われる衆議院選挙の際に再び国民審査が行われる。
国民の投票で過半数が罷免を可とした場合は、その裁判官は罷免されるが、私の経験上これほど形骸化しているものもなく(10年以上経過しないとやらないとか)、いままで罷免された裁判官は一人もいない。

法曹三者
裁判官、検察官、弁護士。みんな司法試験をクリアしないとなれないが、日本ではその人数があまりに少ないので、法科大学院を作って法律家の養成制度を充実させようと試みられている。
検察官は、検察庁に属し、検察の不起訴処分が適正だったか審査するのが検察審査会。

司法制度改革
・刑事裁判の迅速化
・被疑者(起訴される前の人)に対する国選弁護人制度(2004年導入、2006年施行)※被告人じゃない
・法テラス(司法支援センター)の設置

裁判員制度
司法制度改革で最も大きかったのがこれ。
2009年5月から始まり、一般市民が刑事裁判に参加。
11月ごろ選挙権のある人から、翌年の裁判員候補者を抽選で選び、裁判所ごとに裁判官の名簿が作成される。この名簿に載った人には通知が届き、特別な事情でどうしてもやれない人は同封の調査票に辞退理由を書いて送り返すことができる。
その後、2ヶ月前後裁判がかかるであろう事件(それも凶悪殺人事件が多い)ごとに、候補者名簿から、裁判員候補者が抽選で選ばれて、裁判所に集められる。そこで裁判長と面接の後、最終的にもう一度くじをして、6人の裁判員が決定される。
アメリカなどの陪審員性と違う点は、陪審員が裁判官から独立して有罪、無罪の評決をするのに対して、裁判員制度では裁判員はプロの裁判官と一緒に審理にあたり(裁判員6人と裁判官3人の合議制)、5人以上の多数決で評決が決まる点(多数決には必ずプロの裁判官が一人入る)。
この制度はアメリカよりは、ドイツやフランスの参審制に近い。
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