トリケラトプスについて

 ちびっ子の人気が最も高いであろう恐竜が、最大の角竜「トリケラトプス」だと思うのですが、この恐竜、復元図をかっこよく描くのが最も難しい部類に入るんじゃないでしょうか?
 でかい頭に角が三本生えているというデザインは秀逸で、派手なもの好きな子にはたまらなくかっこいいんでしょうけど(私の周りにもとてもファンが多いです)、よ~く骨格を観察してみると、私はこの恐竜さほどかっこよくないと思うんです。少なくとも骨は。
 まあ私は小さい頃から「でかくてのろま」と言うイメージのブロントサウルス派だったんで、トリケラトプスにはあんまり思い入れが無かったからなんでしょうけど・・・。

 トリケラトプスは、かつて複数の種類に分類されていましたが、現在ではそれは「個体差」と言うことになり、小型種のT.プロルススとT.ホリドゥスの二種類に統合されているようです。で、この個体差がなかなか曲者で、標本によっては同じトリケラトプスだけれども受ける印象が全然違うんです。正直かっこよくない奴もいます。特に頭の形にかなりの差があって、いきすぎた馬面もいたみたいですね。
 ちなみに襟飾りの縁のギザギザが無い標本がありますが、あれは昔の人が標本を作る際にギザギザをとって、滑らかにしちゃったらしいです。・・・なぜに?

 で、トリケラトプスは骨がそもそも想像よりもかっこよくないと思うので、出来る限り骨をふまえながら復元でかっこよくするしかないんじゃないか、と私は思いました。
 例えば、肉食恐竜と違って、目の穴なんかはただの丸い穴だし、あの長い角もどうやって生えていたんだか、いまだに分かっていません。前衛的な説では、角と頭の境界が骨格では明確ではないことから、角の根元から堅い角が生えていて、他は普通の皮膚・・・という従来の復元でなく「もう頭全部硬質化されてたんじゃないか」っていう復元もあります。確かすっごいマニアな雑誌だった『恐竜学最前線』か『ディノプレス』かなんかで、試みられていたような・・・でもこの説、私の感性ではビジュアル的に今ひとつなので、保守的な復元を取りました(新しい説からって正しいとは限らないですし)。「頭全部硬質化復元」は結局流行らなかったのか、最近見なくなってますしね。
 まあとにかく恐竜の復元描く人も、学説と絵的な表現、かっこよさの間で悩んでいるんでしょうね。

トリケラトプスのモルフォロジー
・襟飾りや鼻づら、角に多様な個体差がある。
・鼻腔の穴が広い。
・鼻づらは薄いが、体はとんでもなく厚みがあってボリューム満載。特に腰の幅は広い。
・広い腰を持ち、そこに大腿がくっつくので相当後ろ脚には筋肉がついていたと思われる。腰の形はちょっとウシっぽい。
・足の指は短く、蹄は横に平たい。後ろ脚の方が若干指が長い。
・指の数は前が5本。後が4本。
・前脚の手は外側をむいている。
・前脚の指の外側の二本は他の指よりも短く、一番外側はかなり小さい。
・後ろ脚の指の一番内側の指は、関節が最も少なく他の指よりも短い。蹄もあまり平らではない。
・総じて脚の横幅(厚み、奥行き)はかなり広い。
・尻尾は短い。
・頸の骨は「想像よりも」細く長い。あのでかい頭をどうやって支えていたのか謎。襟飾りの裏と肩にどう筋肉がついていたかが気になる。

 トリケラトプスはティラノサウルスと同じく、恐竜時代の最後の最後に登場した、究極進化系です。もうトカゲ、爬虫類っていうイメージがほとんど払しょくされていて、かといって鳥でもない、独特の生物と化しています。
 ワニなどの爬虫類は、基本的に生きている時も、骨のイメージそのままって感じで、復元もそういう意味では楽なんですが、それに対して哺乳類って骨のイメージと、肉や毛がついて、生きている時のイメージがかなり異なっていて、ゾウやサイなんか骨が御本人のイメージと全然違うんです。人もそうですよね。人知らない生物が人の骨だけ見て、恐竜のていで復元したら、宇宙人見たくなるんじゃないですか?解剖学のプロでさえ、ライオンやトラ、ヒョウなどの食肉類を、骨だけ見て正確に言い当てるのはかなり難しいと言う話がありますし。
 で、何が言いたいかというと、トリケラトプスも哺乳類と同じじゃないか、と。骨はあれでも、目の穴とかけっこうウシの骨っぽいし、生きてた時は、哺乳類のように骨とはかなり違う印象だったのかもしれませんね。他の恐竜以上に。
 というか、なんかウシくさいですよね。トリケラトプス。もう骨ばっかり見ていると、でかいウシにしか見えないぞトリケラトプス。
 トリケラトプスファンの方ごめんなさい。

 追記:チョコラザウルスのモデラーの菅谷中さんの角竜のイラストってメチャクチャ上手いですね!この方、フィギュアの原型も超うまい(特にテリジノサウルス)ですけど、角竜をここまでかっこよく描けるとはすごいです。体つきも、ちょうどいいがっしりさで。

 さらに「古代王者恐竜キング」のトリケラトプスもかっこいい!頭と体のバランスがバッチリ。首が長すぎじゃないし、背中のラインも私好みです。このトリケラトプスのラジコン、前橋駅の待合所になぜか置いてあって欲しいけど、もはや店頭に売ってないんだよなあ。
 ぶっちゃけ恐竜キングなんて子供だましでいいのに、復元しかっりやるところがさすがSEGA。ロストワールドのアーケードゲームのカルノタウルスもカメレオンっぽい目以外は骨格をふまえていたし。あのBOSS戦のBGMはいいですよね。
Calendar
<< September 2020 >>
SunMonTueWedThuFriSat
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930
search this site.
tags
archives
recent comment
recent trackback
others
にほんブログ村 科学ブログへ にほんブログ村 科学ブログ 恐竜へ カウンター
admin
  • 管理者ページ
  • 記事を書く
  • ログアウト