ななななんと年末最後にすごい嬉しいことが起きて、超難関の日本史概説の試験が受かったんだよ!いや~一度は完全に諦めていて放送大学に転校まで考えていたんだけど、世の中希望を捨てちゃいけないね。
で、本当この単位は厳しかったから、去年からいろいろ勉強して文章にまとめたんだよ。日本の歴史って言っても長くて、どこが試験に出題されるかさっぱりわからなかったからね。ほいで、せっかくまとめたんだったらブログに置いておこうと思って。そういうこと。
戦国時代の変動
室町幕府の8代将軍である足利義政は、頻発する一揆や飢饉に何ら有効な手が打てず趣味に没頭し、その上、増税や徳政令を無計画に実行し経済を混乱させた。足利義政には子どもができなかったため、弟の義視を養子にし後継者にする約束をしたが、その翌年、義政の妻、富子が妊娠したため、我が子を後継者にしたい富子と義視のあいだで後継者争いが始まった。
またこの時代には財産を後継者一人に単独相続させるようになったため守護大名の家督争いも激化、管領の細川氏が義視(東軍)に、侍所の長官=四識の山名氏が富子の息子義尚(西軍)にそれぞれ加わって、幕府・大名を二分する応仁の乱が始まった。この戦乱は全国に広まり、細川勝元、山名宗全が病死したあとも収まらず1467~77年の十年間も続いた。これにより京都は焼け野原、幕府や将軍の権威は失墜し、下剋上の風潮が盛り上がり戦国時代が幕を開けた。だが最近では、山城守護職をめぐる畠山氏の内部対立が応仁の乱の直接的原因であると言われている。
長期化した戦乱の世は、兵士の不足を招き、その補給を京都近郊の没落農民や浮浪者に求めた。彼らは元々浮浪者なので忠誠心は低く、いつ暴徒化するかもわからない無秩序な集団であったが、戦国時代では大きく活躍し、その地位を向上させていった。この新しいタイプの兵士が足軽である。
さて応仁の乱の後、室町幕府は山城一国しか支配できなくなり、地方では守護大名が家臣(守護代・国人)の下剋上にあい、そのほとんどが没落していった。下克上を退け守護大名からそのまま戦国大名へと移行した大名は駿河(静岡県)の今川、甲斐(山梨県)の武田、豊後(大分県)の大友、薩摩の島津などごくわずかだった。
尾張(愛知県)の織田や越前(福井県)の朝倉氏は管領の斯波氏の守護代からのし上がった戦国大名で、美濃(岐阜県)の斎藤氏はもともと油商人だった。戦国大名は地侍(農民の自治組織である惣の構成員で土着した下級武士)を家臣に組み込み有力家臣に彼らを監督させた。これを寄親・寄子制という。それと同時に地侍には年貢収入を一度現金に換算、その額に見合った軍役を課す貫高制を行なった。
また戦国大名は、自分の領国内に通用する分国法(壁書)を独自に作り、家臣団をまとめ上げた。分国法は喧嘩両成敗や結婚の許可制、罰則の連座制など厳しいものだった。さらに土地台帳を領主に提出させる差し出し検地や、治水、新田、鉱山や城下町の開発などといった富国強兵も行われた。
15世紀半ばから16世紀初めの大航海時代にはポルトガルが植民地を求めて海外に積極的に進出した。ポルトガルは日本にも来航し種子島に鉄砲を伝えた。鉄砲は国内でも生産されるようになり、戦国時代の戦に大きな影響を与えた。さらに鉄砲と並んで戦国時代に影響を与えたものが木綿で、当初は中国や朝鮮から輸入していたが、一六世紀以降国内でも生産されるようになり、兵士の服や帆船のマスト、火縄銃の縄などに用いられた。これにより中世の苧や麻が主流の時代は終わった。ちなみに織田信長は秀吉のことを木綿みたいなやつと呼んでいた。それくらい当時、木綿は重宝されていたのだ。
西洋との交流は日本にキリスト教も伝来させた。織田信長は敵対する仏教勢力(浄土真宗=一向宗。特に石山本願寺)に対抗するため、キリスト教の国内での布教を許可したが、キリスト教を受け入れるということは同時に南蛮貿易による利潤がセットで付いてくるということでもあり、それを目当てにキリシタンになる大名もいた。当初はキリスト教を認めていた豊臣秀吉が、九州平定の際バテレン追放令を出したものの、ポルトガル船舶の入港までは禁じなかったのはそのためである。
戦国時代の騒乱は織田信長によって収束へ向かい、その後を継いだ豊臣秀吉によって全国統一がなされた。その後、朝鮮出兵の際自軍の兵を温存させた徳川家康が、秀吉の側近石田三成を破り、征夷大将軍となって江戸幕府を開くことになる。
そして豊臣家の影響力を弱めるために、寺社の改修工事を命じた上、その時再興された方広寺の鐘の文字に言いがかりをつけ豊臣氏を攻撃(大阪の役)、二度目の大阪夏の陣で滅ぼしてしまった。これによって長き戦乱の世は幕を閉じ、天下泰平の世となった。
江戸時代の特徴
①封建制度
鎌倉時代から続いた封建制度を江戸時代も採用しているが、その内容は鎌倉時代や、室町時代とは大きく異なった。
鎌倉時代や室町時代の封建領主は各自に軍事力と司法権を保持していたが、江戸時代に入ると、領主が保持していた軍事力は幕府に引き渡され、それぞれの藩は幕府の管理下に入ることになった(幕藩体制)。三代将軍家光の時代には幕府は各藩の取り潰し権を獲得しており、幕府の方針に大名は従うしかなかった。幕府は宗教勢力や宮中も統治し体制を磐石のものとしている(寺請制度や禁中公家諸法度)。
とはいえ、各藩の財政政策については、幕府はそれぞれの大名の経営方針に任せていた(この点においては地方分権的であり、中国などの中央集権国家とは異なる)。つまり各藩は独自に採算をとり自立しなければならなかったのである。
さらに参勤交代性などで自分の領地と切り離された江戸の武士は封建的領主の定義にはもはや当てはまらないのではないだろうか?という指摘もある(尾藤正英著『江戸時代とはなにか―日本史上の近世と近代』)。
むしろ江戸時代の統治機構は、王と諸侯の緩やかな主従関係ではなく、そのあとの絶対王政に近いものなのではないのか、だからこそ明治維新での政治システムの中央集権化にスムーズに移行できたのではないか、というわけである。
②平和な時代が約260年続いた
①と重なるが、江戸時代の幕府の支配力は強力で内乱が発生する可能性は極めて低かった。
有力な大名であっても幕政には参加できなかったので、室町時代のように幕府が大名によって支配されることはなかったのである。また、一年おきの参勤交代によって諸大名の経済力を定期的に削減させたことも大きい。
さらに将軍家の後継者を選ぶ手順があらかじめ明確に定められていたので(御三家や大奥など)、後継者争いが起きなかったことも挙げられる。
次に外国からの脅威だが、日本は地政学的にもともと島で他国が容易に攻め入ることは陸続きの国よりも難しかったこと、また鎖国によって国内のみで経済が完結していたので、他国と積極的に関わることがなかった。
③庶民中心の文化が花開いた
江戸時代は長く平和が続き、社会が安定したので、経済活動が活発化、多様な文化や学問が発達することになった。特に支配階級ではなく、庶民階級から元禄文化や化政文化などの大衆文化(川柳、浮世絵、人形浄瑠璃、料理、旅行など)が花開いた点は江戸時代の大きな特徴である。
また戦国時代では戦の腕を磨いていた支配階級の武士も、釣りや園芸といった道楽をたしなんだり、学問を修めたりするようになった。松平定信は寛政の改革で朱子学を奨励している。文武両道のイメージはここから来ている。
また文化を嗜む上で支配階級庶民階級問わず識字率が飛躍的に向上した。藩校や寺子屋などの教育システムも発展した。
④米中心の経済システム
江戸時代は通貨のポジションを米(年貢)が担っていたため、冷害による凶作で度々財政難に陥り、食糧不足になることがあった。
18世紀には飢饉が頻発し、百姓一揆やうちこわしが増加した。幕府は重農主義から重商主義に切り替えようとしたり、質の低い貨幣を大量に発行したりと対応に追われたがうまくいかなかった。
そもそも米周りの社会には、藩の財政を安定させるために米の生産量を上げると、需給バランス的に米の価格が下がってしまうという本質的なジレンマが存在した。これにより武士階級も困窮し、商人が武士に変わって経済の主導権を握ることになり、有力商人の藩への献金が加熱した。
⑤鎖国体制
鎖国は、幕府が貿易による利益を独占するための策略であり、長崎で貿易を行う相手はオランダと中国に限定された。とはいえ、日本人の渡航禁止令は全国ではなく長崎奉行に出されたものである。
また外国との交流があった貿易港は長崎だけではなく、琉球王国と交易があった薩摩藩、朝鮮と公益があった対馬藩、蝦夷地のアイヌ民族と公益があった松前藩においても積極的な貿易が行われていた。これら3つの貿易港と長崎を合わせて「四つの口」と言う。
これらの貿易は、人的交流こそ制限されていたものの(民間貿易で国交は朝鮮を除いてなかった)物質的な取引は盛んであった。
鎖国という対外関係を一切絶った江戸時代のイメージは、ドイツ人のケンペルの著作『日本誌』を和訳する際『鎖国論』にしてしまい、その認識が江戸後期に広まったことによるものである。
なんにせよ江戸時代の長く続いた鎖国体制は、国際法の理解の遅れをもたらし幕末には欧米列強国と不平等条約を結んでしまう原因となった。
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