『芸術による教育』の要約①

 この前の件でワードの保存機能を信用しなくなったので、ここにちょっとストックを置きます。
「第1章 教育の目的」要約
 この章は、リードが本書で論じる芸術教育の概要を説明するとともに、そもそも教育とはどういうものなのか定義づけを行なっている。
 リードは「芸術を教育の基礎とすべきである」というプラトンの主張を、議論の出発点としている。教育には相反する二つの考え方があり、ひとつは子どもの生まれながらの潜在能力を社会は許容し、それを発展させること。もうひとつは、その子どもが属する社会が求める理想の人格に順応させるということである。これは二つの社会概念から導き出されている。ひとつは複数の「個人」からなるもので、これは前者の教育的立場を取り、教育は特殊な個体の成長を励ます。もうひとつは「大衆」の集まりからなるもので、教育は奇抜なものを排除し、画一化された集団を生産する、後者の立場を取る。
 リードは、教育とは前者の「個別化」と、後者の「統合(個人の独自性が社会的に調和すること)」の過程であるとし、それを実現できるのは、民主主義的な社会と、あらゆる自己表現を内包する芸術教育だと論じている。
 リードによれば、個性を伸ばすことと社会への適応は矛盾しない。その下支えになるものが美的な感受性の育成と、ユングの心理学であり、子どもの心理類型をふまえ、個々にあった教育を行なうことが重要なのである。子どもによって異なる気質や心理類型、そしてそれをふまえた教育ついては第4、5、6、7章で詳しく論じられており、本書の中核をなしていることが解る。
 リードは芸術教育(本章では美的教育)はあらゆる自己表現を含むとし、ユングの四つの心理類型に基づきそれらを以下のように分類している。
1感覚に対応する教育・・・デザイン
2直観に対応する教育・・・音楽、ダンス
3感情に対応する教育・・・詩、演劇
4志向に対応する教育・・・工芸
 リードの主張は、教育とは表現の形式を養うことであり、美的教育こそ、社会に適応した情緒豊かな人間を育成するというものである。
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