地質学覚え書き②

 皆さんお元気ですか。私は年末見事に風邪をこじらせて、観たい映画も見逃し(ペンギンズ)、物理学の試験も小数点の位置を間違え、散々な目にあいました(多分落ちたorz)。
 で、憂さ晴らしに絵を描こうにも頭痛とめまいがひどくてろくにデッサンも取れず、かといって大学の勉強をする気も起きず、本当に生きる屍ライフを送っていました。地学の勉強だってまだまだたくさんまとめなきゃいけないことがあるのに、このていたらく。ただ、ちょっとだけ脳みそのキレもよくなり、地質図の読み方がわかるようになったので、地層や堆積関係の記事を新たに作ることにしました。
 ちなみに地学はあと、宇宙、気象、海洋の範囲がまだまだ手つかずなので頑張りたいと思います。年内に全て終わらせられればいいな。
 理科の単位は・・・物理が撃沈してしまった以上、半年計画の予定を伸ばして一年計画に変更せざるを得まい。もともと二年くらいで取る単位を半年で取ろうとした無茶なプロジェクトではあったんだけど。社会科もなんだかんだで結構かかったしな。

堆積岩
水の力によって、礫、砂、泥が押し固められて出来た岩石。
そんなんで砂や泥が硬い岩石になるんかいって感じだが、具体的に言うと、堆積物の重みで堆積粒子が密着したあと(圧密作用)、粒子のあいだの水に溶けていた炭酸カルシウムや二酸化珪素などの成分が沈殿して固結するという(セメント化作用)、二つのプロセスを経て堆積物の粒子は接着されて硬い岩石になる。これを続成作用という。

砕せつ岩
礫岩、砂岩、泥岩、頁岩(はがれやすい泥岩)粘板岩(もっとはがれやすい)

火山砕せつ岩
凝灰角れき岩(火山弾や火山礫によるもの)、凝灰岩(火山灰によるもの)

生物岩
石灰岩(貝、サンゴ、ウミユリ、有孔虫の死骸)、チャート(放散虫、珪藻の死骸)、チョーク(コッコリス※石灰質プランクトン)、珪藻土(珪藻の死骸)

化学岩
岩塩(食塩が沈殿)、石灰岩(炭酸カルシウムが沈殿)、チャート(珪酸が沈殿)、石こう(硫酸カルシウムが沈殿)

化石
生物の遺骸や痕跡が地層中に保存されたもの。堆積岩に含まれる。
骨や歯(リン酸カルシウム)や貝殻(炭酸カルシウム)などが残ることが多い。

印象化石
古生物の体の輪郭が岩石に押し付けられて残った化石

化学化石
化石や岩石に含まれる古生物の有機化合物。炭化水素、アミノ酸、炭水化物

示相化石
繁栄した期間が長い割に特定の環境に生息したため、その化石の種類でその地層の堆積環境がわかる。サンゴやシジミなど。

示準化石
繁栄した期間が短い割に広域に生息したため、その化石の種類で地層の年代がわかる。
古生代では三葉虫やフズリナが、中生代ではアンモナイトやベレムナイトが、新生代ではビカリアやメタセコイアが有名。

地質年代
地層を古い順に並べたもの。大きく分けると冥王代(岩石記録及び生物記録なし)、始生代(原核生物誕生)、原生代(真核生物出現)、古生代(硬い殻や骨格を持つ生物の誕生)、中生代(恐竜の繁栄)、新生代(哺乳類の繁栄)の6つとされるが、もうちょい細かく分けると以下のようになる。

カンブリア紀
アノマロカリス
エビとエイやヒラメ系の魚を合体させたような生き物。コイツだけ他の生き物に比べてやたらでかく、この時代の食物連鎖の頂点に立っていた。

オルドビス紀
フデイシ
石版に書き残された文字っぽかったためこう呼ばれる。いろいろな形のものがいるがかなりプログレ系で何の生き物に近いか正直良くわからない。

シルル紀
三葉虫
いわずもがな古生代を代表する古生物。世界中で多様化し、大小様々なものがいた。
体がおおきく三つに分かれているから三葉虫という。

クックソニア
最古の陸上植物だと言われる。根や葉、維管束がなく、その点でコケ植物に似ている。

デボン紀
ハチノスサンゴ
その名の通りはちの巣に激似なサンゴ。

直角貝
殻が円錐状のオウムガイ。ライオンノセラスなど巨大なものもいた。

プシロフィトン
高さ約60センチほどの原始的なシダ植物。根・茎・葉は未完成だが維管束ができた。

ユーステノプテロン
ヒレに骨を持ち、時に地を這うガッツあるさかな。

イクチオステガ
陸上というフロンティアを開拓した初期の両生類。

石炭紀
フズリナ
大型の有孔虫。チョコクリスピーに激似。葛生の川原によく落ちている。

ロボクやリンボク
石炭紀に繁栄したシダ植物。現在の石炭はだいたいコイツの成れの果てである。

プラティミラクリス
いわゆるゴキブリ。石炭紀は大繁栄したシダ植物によって酸素濃度が高く、昆虫が巨大化した。

ペルム紀
腕足類
現在のシャミセンガイがこの仲間だが、厳密には貝(軟体動物)ではないらしい。
二枚貝が左右に貝殻を持つのに対し、腕足類は上下に殻を持つ。

グロッソプテリス
肉厚の葉を持つシダ種子植物。古生代末の大絶滅もしぶとく生き延び、三畳紀の地層からも見つかる。

三畳紀
モノチス
ぶっちゃけホタテにしか見えない貝。

ニルソニア
ソテツの一種。

バイエラ
いわゆるイチョウの仲間。

ジュラ紀
トリゴニア(三角貝)
三角の形の貝。

白亜紀
イノセラムス
貝。恐竜絶滅前にカニに根こそぎ食べられてしまい、ひっそりと絶滅していた。

新生代古第三紀
ヌンムリテス(貨幣石)
大型の有孔虫。堅焼きポテトチップスに激似。

新生代新第三紀
ビカリア
円錐状に尖っていて小さなトゲトゲのある貝。

デスモスチルス
円柱を束ねたような歯を持つ哺乳類。

メガロドン
体長が10メートル以上あるジョーズ。

サヘラントロプス・チャデンシス
人類登場。

新生代第四紀
ブナ
ブナの木。

マンモスやナウマンゾウ
かつては日本にもゾウがいた・・・いや今も動物園にいるか。ええと、野生のゾウがいた。

地層

地層累重の法則
下のほうが地層は古い。

単層
同じ堆積物で構成されるひとつの地層のこと。

層理
地層と地層の境界。

級化層理
大きな粒が下に、小さな粒が上になっている地層の構造のこと。
礫、砂、泥を含んだ水(混濁流)が流れる際、重い粒の方が早く沈むから(ストークスの法則によれば粒の落下速度は粒径の二乗に比例する)。

ラミナ(葉理)
地層の断面に見られる、弱い縞模様。

クロスラミナ(斜交葉理)
ラミナが交差しているもの。水の流れがよく変わる場所で堆積した岩石で見られる。河口や三角州など。

リプルマーク(れん痕)
水の底についた波のあとの模様が地層の表面に残されたもの。
これを断面で見た場合、尖っている方が上である。

流痕
水の流れによって水底が削り取られたあと、そのくぼみに新たな地層が堆積した場合、その地層の底面にできるふくらみをいう。
水流が何を削ったり動かしたかによって、フルートキャスト(泥)、スキップキャスト(礫)、グルーブキャスト(小石)などと呼び方が変わる。

荷重痕
あとから堆積した重い地層が、その下のまだ固結していない軽い地層に垂れ下がること。

フレイム構造
火炎構造とも言う。下の層がまだ固まっていない時に、上にさらに地層が堆積することによって地層の境界が炎のような形になること。

インブリケーション
礫が平らな面を上流に向けて並んで堆積すること。これによって堆積時の水流の方向を知ることができる。

地質図
地図に地層の分布を書き加えたもの。読み取り方にかなりコツがいる。

クリノメーター
地質調査をする際に使う、方位磁針とおもりが合体したような道具。
地層と地層の境界面を層理面というが、その層理面の向きである走向と、層理面の角度である傾斜を測定できる。
クリノメーターには円状の目盛が二重にふってあるが、外側の目盛が方位磁針の、内側の目盛がおもりの目盛となっている。
ちなみにサバイバルグッズとしてのポテンシャルが評価され世界の陸軍で支給されている。

走向の測定方法
水平な地面に地層の境界線(層理)があれば、その層理のラインに沿ってクリノメーターを置いて、方位を調べればいいのだが、地層が斜面になっている場合はクリノメーターの端についている水準器を使って、クリノメーターを水平に浮かして層理に当てる必要がある。
走向の読み取り方は、クリノメーターの方位磁針をそのまま読み取ればOK。ちなみに走向が東にそれている場合は、方位コンパスの針(北の方角)はその分だけ西にそれるが、親切なことにクリノメーターの目盛は東と西の表示を逆にしてくれている。
走向の表し方は北を基準に、たとえば北から数えて東に45°の方向に層理面が向いていたらN45°Eと表す。ただし走向がぴったり南北(=角度のズレがゼロ)だったらN―S、東西(角度のズレが90°)だったらE―Wとする。

傾斜の測定方法
クリノメーターの横の面を地層面にくっつけ、その時のおもりの角度を調べる。
ちなみにおもりの指針はなぜかハート型になっている。プリティ。
角度の測定が終わったら今度はクリノメーターを水平にして、方位磁針で傾斜方向(=坂が下っている方向)を調べる。このとき傾斜方向は8方位で表す。
例えば傾斜角が30°、傾斜方向が南東だった場合は30°SEと表記する。

地質図記号
カタカナのトの字のようなマークは、層理面の走向と傾斜を表す。長い線とそこに書かれた数字が走向を、短い線とそこに書かれた数字が傾斜を表す。
傾斜角が垂直、すなわり90°の場合はカタカナのメの字っぽく短い線が突き抜ける。
以下まとめる。

ト→走向と傾斜
+→水平層(地層がきれいに水平に乗っている場所)
太い実線→断層
破線→推定断層
×→化石の産地


地質図の読み方
地質図は地層の広がり(地層境界線)と等高線を同時に相手にして、平面的な地図から立体的なイメージを掴まないといけないので難易度が高い。
また、同じ地層ならたぶん同じ厚さで重なっているだろ、という仮定をしているのも逆にややこしい。
とりあえず・・・
①地層境界線と等高線が平行に並んでいる場合、その地層は水平である。
②地層境界線と走向の線が直線で重なっている場合、その地層は垂直である。
③地層境界線と等高線の向きが綺麗に反対の場合、その地層は斜面と同じ向きに傾斜している。
④地層境界線と等高線の向きが同じで、地層境界線のエリアの方が等高線よりも尖り方がゆるい場合、その地層は斜面と逆向きに傾斜している。
・・・うん、非常にわかりにくいので、等高線の「く」の字をちょうど真ん中で折って「\」にしてしまい、この斜めの等高線を「―」になるように水平に傾ければ、なんとなく等高線に対しての地層境界線の角度がわかる。

走向の求め方
地質図から走向を求めるのは、慣れれば簡単で、同じ種類(階層)の地層境界線と、同じ高さの等高線がぶつかる二つの点を直線で結んで、その直線の角度を調べれば、走向は割とあっという間にわかる。

傾斜の求め方
地質図から傾斜を求める場合は、高さの違う2本の走向線をひいて、その2本の走向線の距離(水平距離)を、地図の縮尺(1cm=100mみたいなやつ)と定規を使って求め、さらに走向線を引くのに使った2本の等高線の高さの差(垂直距離)を求めれば、直角三角形を使って三角比で傾斜角を計算することができる。
たとえば、水平距離も垂直距離も同じ100メートルなら、その傾斜角は45°ということになる。

地層の厚さの求め方
地質図から地層の厚さを求める場合は、同じ高さの等高線を使って2本の走向線をひく。このとき引いた2本の走向線の距離を縮尺と定規で求めて、その距離と傾斜角度から三角関数を使って地層の厚さ(直角三角形の高さ)を求める。
たとえば走向線の距離が100mで傾斜角度が45°ならば、その地層の厚さXは・・・

X/100=sin45°
X=100×sin45°
X=100×(1÷√2)
X≒100×0.71
X=71メートル
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