皆さんお元気ですか。私は未だに風邪を引きずっています。なんという病弱。このまま蛇の生殺し状態で年を越す可能性濃厚で、すっごいブルーです。
というか、いくら私が体が弱いとは言え、12月に入ってずっと体調不良、つまり一ヶ月近くも風邪をこじらせたことって初めてで、長らく健康というステータスを味わっていないのですが、やっぱり思考にモヤがかかっているというか、クリアじゃないんだよね。普段もバカだけど、それでももうちょい頭切れるもん。
とにかく気力というか、精神力というか、アグレッシブさというか、「よし!やるぞ!」っていうモチベーションが全然ない。あと判断力の低下。そこらへんが体調が悪いと露骨だね。ただ記憶力に関してはあんまり下がった感じはしない。・・・もともとないしな。
は~なんか本当ここんところダウナーだなあ。しょっぺえ。しょっぱいといえば塩。塩といえば海。ということで今回の地学は海についてです。
海水
海の水はしょっぱいが、それは塩分が含まれているからである。海水の塩分の8割近くは塩化ナトリウム(食塩)で、1割が塩化マグネシウム(豆腐を凝固させる“にがり”)である。
塩分
海水1kg中の塩類は、1kgを1000グラムに変換し千分率パーミルで表す。海水の塩分は平均して35パーミル、すなわち海水1kg辺り35gの塩分が含まれている。
塩分は川の淡水や雨が海水に混ざると薄まるが、淡水の中には塩類は含まれていないために、塩分は低下しても、その組成の割合(8割が塩化ナトリウム)は変化しない。これは空気の組成にも言える。
逆に海水から蒸発が起こると塩分は高くなる。
したがって赤道など低圧帯は雨が多いので塩分は低く、北極や南極など高圧帯は雨が少なく蒸発量が多いため塩分は高い。
地球の水
たしか生物学概論②のところでも触れたような気がするけど、97%が海水。残りのほとんどは淡水で、それ以外の0.001%は大気中に含まれている。
意外だけど淡水のほとんどは氷河となって凍っていて、残りの水が地下や湖や河川にある。
地球の水は、太陽エネルギーを基点として循環しており、海洋では陸上よりも水がたくさんあるために降水量よりも蒸発量の方が大きく、陸地からの水の補給がなければ海水はどんどん減っていくことになる。
逆に陸上では蒸発量よりも降水量の方が大きく、結果として地球全体では蒸発量と降水量は釣り合っている。
海水温
海水温は深さによって異なる層構造をしている。
①表層混合層
表層の海水は、温度がほぼ一定になる。これは波や風、対流で海水がかき混ぜられるためである。
しかしこの層の厚さは、夏は海水が温められて上昇し海面近くにとどまるために薄く、冬は海水が冷やされてそれが深い場所に沈む(対流が起きる)ために厚く変化する。日本近海の場合、夏は10~20メートル、冬は100メートル以上と層の厚さが変化する。
②主水温躍層
深さに比例して海水温が下がる層。赤道に近い場所では表層混合層の水温が高いため、主水温躍層の水温は急激に低下するが、北極や南極では表層混合層の水温がはじめから低いために主水温躍層は見られない。
③深層
主水温躍層の下にある、深さに伴う海水温の低下がゆるやかな層。水深2000メートルより深いところは、緯度や季節に関係なく水温は0~4℃で一定になる。
海流
表層の海水の水平方向の流れを海流という。地球の低緯度と高緯度のエネルギーを差を埋めるために大きな循環が生じる。
風成循環
海流ができる主な原因は風で、風の吹く方向が緯度によって大まかに決まっている以上、海流も緯度によってある程度は決まっている。
したがって貿易風が吹いている場所では東から西、偏西風が吹いている場所では西から東に海流は流れていく。
海水表層循環
地球には海流をさえぎる陸地があるため、太平洋などの広い場所では海流がぐるぐると循環している。これを海水表層循環という。
例えば北太平洋では、北赤道海流(暖流)がユーラシア大陸にぶつかって北に向きを変え黒潮(暖流)となり、その後、日本を迂回し北大西洋海流(暖流)となって太平洋を東に進み、今度は北米大陸にぶつかってカリフォルニア海流(寒流)となって南下し、再び北赤道海流に戻っている。
北太平洋ではこのように海流は時計回りに循環しているが、南半球では反時計回りになる。
黒潮
日本近海を流れる有名な暖流。亜熱帯循環に属する。
水温は20~30℃で温かい。
塩分は34~35パーミル。
スピードは秒速0.5~2.5メートルで速い。
色は濃い紺色で透明度は高い。
溶存酸素およびプランクトンは少ない。
親潮
日本近海を流れる有名な寒流。亜寒帯循環に属する。
水温は1~19℃で冷たい。
塩分は33パーミル。
スピードは秒速0.2~0.5メートルで遅い。
色は緑で透明度は低い。
溶存酸素およびプランクトンは多い。
対馬海流
九州と朝鮮半島のあいだにある対馬海峡から日本海を流れる暖流。
リマン海流
ロシアから日本海を流れる寒流。リマンとはロシア語で「河口」という意味。
赤道反流
赤道の中心を自転方向と同じ向きに流れている海流。暖流。
南極周極流
南極海を自転方向と同じ向きに流れている海流。寒流。
深層循環(ブロッカーのコンベアーベルト)
表層の海水は風によって水平方向に循環するが、深層の海水は温度や密度(塩分濃度)によって沈み込み、鉛直方向に循環する。これを熱塩循環という。
深層水のほとんどはグリーンランド、もしくは南極大陸付近で出来ている。その理由は、これらの地域の海水は凍ってしまうからで、その際に氷の中に取り込まれにくい塩分が余って海水の密度(塩分濃度)が上がり、海底へ沈んでいく。
グリーンランドから沈み込んだ海水は、大西洋を南下しそのまま南極に到達、そこで南極でできた高密度の海水と合流、インド洋や太平洋へ送られゆっくりと上昇、北太平洋中部で表層へ戻り、再びグリーンランドへ帰っていく。
このサイクルは1000~2000年かかる。
海流のメカニズム
吹送流
風に引きずられて出来る海水の流れのこと。
しかし、海水の流れにはコリオリの力と海水の摩擦力が働くために、海水の流れは風の向きに対して北半球では右にそれる。
この力は表面から深層に伝わっていき、その向きは螺旋を描くように次々と右にそれていく。また流れの速さは深くなるほど低下していく。
このような吹送流を、提唱した海洋物理学者の名前(ヴァン・エクマン)からエクマン吹送流といい、エクマン吹送流がはたらく深さ数10メートルまでのエリアをエクマン層と言う。
地衡流
コリオリの力と圧力傾度力(水が高いところから低い所へ行こうとする力のこと)がつり合って一定の速さで流れ続ける海流のこと。
還流
エクマン吹送流によって海水が運ばれることをエクマン輸送というが、北半球ではコリオリの力によって、偏西風によって西から東に運ばれる海水は南にそれ、貿易風によって東から西に運ばれる海水は北にそれるので、ちょうど時計回りに海水が循環することになる。これを環流という。
西岸強化
コリオリの力は緯度が高いほど(北になるほど)大きくなるため、貿易風と偏西風では、北にある偏西風が運ぶ海水の方が大きくよれることになる。
偏西風のエクマン輸送は北半球では南によれるので、南向きの流れの範囲は広く、逆に貿易風によるエクマン輸送の北向きの流れの範囲は狭くなり、環流の中心は西にずれてしまう。そのため、黒潮やメキシコ湾流など、太陽の西岸の流れは非常に強くなる。
大気と海洋の相互作用
エルニーニョ現象
赤道付近の貿易風の力が弱まることで、通常なら太平洋西部が高く、太平洋東部(南米ペルー沖)が低い海水温の配置が変わり、ペルー沖の海水温が高くなる現象。
貿易風によって西に運ばれていたペルー沖の表層の海水が、エルニーニョでは東に戻されることにより、低気圧の発生する場所が通常よりも東にずれる。
エルニーニョとは「イエス・キリスト(のお恵み)」という意味で、クリスマスの時期がちょうどバナナの収穫時期であることに由来するが、漁業においては、冷たく栄養分を多く含んだ深層水が持ち上がってこず、アンチョビに加工されるカタクチイワシが全然取れなってしまう。
エルニーニョ現象は世界中に影響を及ぼし、日本では夏に強まるはずの太平洋高気圧が弱まるために天気が悪くなり(梅雨が長くなる)、さらに北のオホーツク海高気圧が南下することで冷夏になることが多い。
また冬も大気循環が鈍るために、オホーツク高気圧の影響が弱まって暖冬になる。
ラニーニャ現象
エルニーニョ現象の逆。貿易風が強まることで太平洋西部の海水温がさらに高くなり、ペルー沖の海水温が深海からの湧昇流によって低くなる現象。
ラニーニャ現象が起きると世界中の気圧配置のギャップが大きくなり、日本では猛暑・厳冬となる。
ちなみにラニーニャとは「女の子」という意味。
波
本当に地学か?お前は物理学なんじゃないのか?っていう範囲。というか、中学校の理科では生物学と地学はセットにされていたけど(2分野)、実際に学んでみると生物学は化学、地学は物理学に学習内容は近いよね。
波長(L)
波の山(谷)から山(谷)までの距離。
周期(T)
あるポイントにおいて、波の山(谷)が通過し、次の山(谷)が通過するまでの時間。
速度(v)
波が進む速さ。
音速と同様に振動数と波長をかけて求めることができる。
v=n×L
また“みはじ”的に波長(距離)を周期(時間)で割っても出せる。
v=L/T
振動数(n)
単位時間内に決まったポイントを通過する波の山(谷)の数。
波高
波の山から谷までの高さの差(鉛直距離)。
風浪
海上を吹く風が直接影響してできる波のこと。不規則な形をして尖った峰を持つ。
風のスピードが波のスピードよりも大きければ、風からのエネルギーを得て波は発達を続ける。
ただし風が吹き付ける距離や時間が限定されると、波の発達も限定される。
うねり
風浪が風域の外へ出たり、海上風が弱まると、短い波長の波が衰えて、なだらかな比較的に形が整った波だけが残される。これをうねりといい、夏の土用波(遠い場所の台風によって発生した波がはるばる日本の海岸に到達したもの)がこれである。
また、風浪とうねりが混在したものは波浪と呼ばれ、海面の波の多くはこの形をとる。
風浪やうねりは、海の深さが波長と同程度以上のところで発生し、水が円運動をしている。
津波
海の深さが波長と同程度以下になると、水は楕円運動を起こし長波となる。
この時の波の速さは、トリチェリの法則からv=√g×√hで表され、水深が深ければ深いほど波の速度は上がり、浅くなるにつれ速度は衰える。
水深4000メートルの場合は津波の速さは時速700キロメートルを超える。
波の屈折
波は水深が浅くなればなるほどスピードを落とすため、斜めに海岸にやってきた波は光のように屈折をする。
波の集中と分散
波が海岸にまっすぐやってきても海岸線が斜めだと同様に波は屈折を起こすため、岬付近では波が集中し高い波になり、入江では波が分散し低い波になる。
くだけ波
海岸の岩礁などでくだけて白くなる波のこと。水深が浅くなり波の速度が遅くなると、後ろからの次の波が前の波に覆いかぶさって、波の高さは高くなる。
潮汐
月や太陽の引力によって海の水位が周期的に変化すること。
水位が一番高い時を満潮、低い時を干潮といい、その周期はだいたい12時間25分だという。
満潮から干潮へ移るとき(引き潮)は海水は沖の方へ移動し、干潮から満潮へ移るとき(満ち潮)は海水は海岸の方へ移動してくる。この時の海水の流れは潮流と呼ばれる。
潮流は海峡は浅い海では速度が秒速数メートルにもなり、水面に波がたったり渦ができる。
起潮力
月が地球の周りを公転するときは、同時に地球も月との共通重心を中心に公転をしているので、地球にも遠心力が働く。とはいえ、この遠心力は月が地球に及ぼす引力と釣り合っているため、地球と月の距離は保たれる。
しかし、それは地球の中心の話であり、月に近い地球の面では月の引力>遠心力となり、月と反対側の地球の面では遠心力>月の引力となるため、これが起潮力となって潮の満ち引きが発生する。
ベクトルで表すならば、起潮力Fは遠心力f0と月の引力fの合力である。
遠心力f0は地球のどの場所でも同じ向きと大きさだが、月の引力fは月から離れるほど小さくなる。これをふまえると、月に近い面と月の反対の面の起潮力は、ちょうど向きは反対で大きさは等しくなる。
大潮と小潮
起潮力は月だけでなく太陽も影響を及ぼすので、月・地球・太陽が一直線に並ぶと、月と太陽の起潮力が重なって大潮に、月と太陽が地球に対して垂直になる時は、月と太陽の起潮力が打ち消しあって小潮となる。
しかし太陽による起潮力は月のちょうど半分程度なので、小潮の際にも起潮力は完全には相殺されず、月側に海水は持っていかれる。
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