気象学覚え書き

 こんばんは。いや~そろそろ2015年もおしまいですね。私は気象予報士にでもなるつもりなのでしょうか。自分でもよくわからなくなってきました。それでは良い新年をお迎えください!

大気
8割は窒素で、2割は酸素。
地表から高さ80キロメートルまでの大気はよく混ざり合っているため、成分の割合はどこでもだいたい同じだが、水蒸気の量だけは空間的にも時間的にも変動が激しい。
水蒸気の大部分は地表付近に存在し、水温の高い熱帯の海上ではたくさん水が蒸発するために水蒸気の割合は大きくなる。水蒸気は蒸発する際に熱を奪い、凝結する際には熱を放出するため、大気の熱収支や対流運動に大きな影響を与えている。

気圧
空気が物を押す力を気圧と言うが、高さによって上にのっかっている空気の量は違うので、低い場所では気圧は大きく、高い場所では気圧は小さくなる。
だいたい気圧は高度が5.5キロメートル上がるごとに半分に減っていく。つまり地表から高度11キロメートルの場所では気圧は地表の4分の1となる。
では地表の気圧、すなわち高度0メートルでの大気圧はいくらかというと、平均で約10万パスカル、1013ヘクトパスカルとなる。これを1気圧と呼ぶ。
つまり1気圧は、1平方メートルの面積になんと10トンの力がかかっていることになるが、人間がその力でぺちゃんこになることはない。その理由は、気圧は水圧と同様に、上からだけでなくすべての方向にほぼ均等にかかる上、人間の体内にも空気が入っているので内圧と外圧が釣り合っているからである。また体内の水は1000気圧でも全然つぶれないほど頑丈である。
逆に言うと、内部の空気をすべて抜いてしまうと硬いドラム缶でも簡単につぶれてしまう。

エヴァンジェリスタ・トリチェリ
水銀の入った試験管を、同じく水銀の入った水槽の中で逆さにして、試験管の水銀の液面がどれだけ下がったかで大気圧を測定したイタリアの科学者。4度目の登場。
この実験はつまり、空気が水槽の液面を押す大気圧と、試験管の中の水銀がその重さによって水槽へ流れていこうとする力が、ちょうど釣り合うポイントを調べることで、大気圧の大きさを求めるというものである。
例えば断面積1平方センチ、高さ1メートルの試験管の中の水銀が水槽に流れていき、水槽の液面から76センチのところで止まったならば、76センチぶんの水銀の質量を空気が支えていることになり、したがってそれが大気圧の大きさということになる。
水銀の密度は13.6g/cm3なので、密度×高さ×断面積で、13.6×76×1≒1000となり、水槽の液面には1平方センチメートルに1キログラムの圧力がかかっていることがわかる。

高層天気図
中学校で習う天気図は、海面での異なる気圧の分布を表した地上天気図と呼ばれるものだが、上空のジェット気流の流れなどを調べる際には、500ヘクトパスカルなど特定の気圧に着目して、同じ強さの気圧がどのように広がっているかを表した高層天気図を用いる。
つまり、地上天気図は同じ高度(海抜0m)での気圧の違いを表し(等高度面天気図)、高層天気図は同じ気圧(例:500hPa)での高度の違いを表す(等圧面天気図)。
高層天気図では、高い等高線で囲まれたエリアは気圧が高く(そのエリアの地面に乗っかっている空気の高さが高いから)、低い等高線で囲まれたエリアは気圧が低い(そのエリアの地面に乗っかっている空気の高さが低いから)ことになる。

大気圏
地球を覆っている大気の層のことで、温度分布の違いによって以下の4つに分けられる。

➀対流圏(地表~高度11キロメートル)
100メートル高くなるごとに平均0.65℃気温が下がっていくエリア。
高さが高いほど太陽に近づくので熱くなるんじゃないかと思われるが、対流圏では太陽光はまずもって地表を暖めるため、地表に近い低い場所の方が暖かくなる。
雲や雨などいわゆる天気の変化(対流)はこの対流圏で行われている。
ちなみに対流圏の上を飛行するジャンボジェットの窓から空を見ると、雲が平らに広がっているように見えるが、これは対流圏の上の成層圏では高さが高くなるほど温度が上がるため、対流圏で発生した上昇気流が成層圏まで上昇できないためである。よって気温が低いところで発生する雲は成層圏には存在せず、天気の変化もないのである。
また、対流圏の終わり、成層圏との境目は圏界面と呼ばれている。
圏界面の高さは、緯度が高い場所ではやや低く(8~10キロメートル)、赤道に近い場所ではやや高い(12~15キロメートル)。また季節によっても変化する。

②成層圏(高度約11~50キロメートル)
あの有名なオゾン層が存在し、有害な紫外線を吸収してくれている。その際オゾンは熱を放出するので(チャップマン機構)、オゾン層がある高度20~30キロメートルのエリアから気温は上昇していく。
緯度が30~60°までの中高緯度の成層圏では、東西方向に一周する風の向きが季節によって逆転し、夏は東風、冬は西風になる。また南極や北極には極渦という低温で巨大な低気圧がある。
対流圏と比較して成層圏の循環は安定しているが、冬になると対流圏の大規模な変動の影響で極渦が一時的に崩壊し、極域の気温が急上昇する成層圏突然昇温もまれに発生する。
また、赤道上空の成層圏では、東西風の向きがだいたい13ヶ月で逆転する準二年振動が起こっている。
南半球の冬は、極渦内に太陽の光があまり届かないためオゾンによる加熱が弱く極渦内は著しく低温になり、-78℃以下になると硝酸液滴と氷粒からなる極成層雲圏ができる。春になると、そこで紫外線によるオゾン分子の分解が進行し、1980年代にはオゾンホールが観察されるようになった。

③中間圏(高度約50~80キロメートル)
対流圏と同様に高くなるに従ってどんどん気温が下がっていくエリア。
地表から中間圏までは大気の化学組成はほぼ一定である。また、成層圏と中間圏を合わせて中間大気と呼ぶ。
中間圏の終わりの中間圏界面では夏に上昇気流が強くなり、冬よりも寒くなる。この時できた氷の粒は夜光雲として観測される。

④熱圏(高度約80~700キロメートル)
いわゆるスペースシャトルや国際宇宙ステーションが飛ぶエリアで、大気圏と言ってもほとんど宇宙空間。流れ星やオーロラはここで発生する。
酸素分子や窒素分子が、太陽からのX線や紫外線を吸収することで、原子レベル(大部分は電離してイオンと電子)に分解され、この時発生する熱がオゾン層同様に大気を暖めている。高度200キロメートル以上ではその温度はエネルギー換算で600℃を超え、時には2000℃になることもある(※あくまでも分子のエネルギーの値であり、さらに分子の数が少ないため実際の気温は0℃ほどで熱圏は寒い)。
このように熱圏にも薄いながらも大気があり、これを高層大気という。

エネルギー収支
地球に入ってくるエネルギーと、出て行くエネルギーの収支のこと。
地球に入ってくるエネルギーの方が多ければ地球の温度はどんどん上がり、地球から出ていくエネルギーの方が多ければ地球の温度はどんどん下がっていくはずだが、エネルギーの収支バランスが釣り合っているため地球の温度はほぼ一定に保たれている。
エネルギーの輸送手段としては潜熱(状態変化の際に発生する熱)や熱の伝導、対流などがある。
試験では、エネルギーの出入りを矢印と数値で示したグラフが出題されるが、実はこのグラフをよく見ると、宇宙空間、大気圏、地表のそれぞれにおいてエネルギー収支は必ずプラマイ0になっていることがわかる。

①宇宙空間のエネルギー収支(合計値100)
収入:太陽放射100
支出:反射散乱31+大気からの放射57+地表からの直接放射12=100

②大気圏のエネルギー収支(合計値152)
収入:太陽放射の吸収20+地表からの放射の吸収102+地表からの伝導・対流・潜熱30=152
支出:大気・雲の放射152

③地表のエネルギー収支(合計値144)
収入:太陽放射49+大気からの放射95
支出:地表からの放射114+地表からの伝導・対流・潜熱30

太陽放射
太陽が自身の莫大なエネルギーを電磁波の形で宇宙空間に放出すること。
その約半分は可視光線である。
太陽放射のエネルギーは地表に届く前に大気によって吸収・反射されるので、大気圏外で受け取るエネルギーよりも地表で受け取るエネルギーの方が値は小さくなる。
紫外線は、成層圏でオゾンに吸収されたり、大気で反射されるため、地表にはほとんど届かない。
赤外線の一部は水蒸気と二酸化炭素によって吸収される。
可視光線も一部は大気や雲によって吸収・反射されるが、大きくは減少せずに地表に届く。

太陽定数
大気圏の1番外側(宇宙より)の部分において、太陽光線に対して垂直な1平方メートルの面が1秒間に受け取る太陽放射のエネルギーのこと。
約1370W/m2で蛍光灯40本分。
大気圏の1番外側の部分で地球全体が1秒間に受け取るエネルギーの合計は、地球の断面積×太陽定数(I)なので

E=πr2×I

これを地球の表面積で割れば、地球が受け取る放射エネルギーの平均(緯度や昼夜の違いをすべて合計した値)が求められる。

(πr2×I)÷4πr2=1/4×I
          =1370÷4
          ≒340

地球放射
地球も太陽と同じく自身のエネルギーを電磁波として宇宙に放出しており、その大半は赤外線(赤外放射)である。

アルベド(反射能)
白っぽさという意味。太陽エネルギー100%のうち、30%は大気に反射されて宇宙に戻され、残りの20%は大気に、50%は地表が吸収していることがわかる。
これは地表に比べて大気の色が白いからである。したがって地表でも雪や氷河などは白いので光をよく跳ね返してしまう。このバランスが崩れて地球全体が凍ってしまったのが6億年前の全球凍結である。

温室効果
さらに面白いのは、太陽と地球は100のエネルギーの取引しかしていないのに、大気や地表は100を超えるエネルギーの取引をしていること。まさに銀行の信用創造、レバレッジみたいなことをやっている。
その理由は、大気(中の水蒸気や二酸化炭素)が吸収する電磁波の波長に偏りがあるためである。
大気は、太陽からの可視光線はほとんど吸収せず(スルー)、地表からの赤外線はよく吸収する。
さらに赤外線で温まった大気は、そのエネルギーを赤外線の形で、宇宙と地表に2:3の割合で再放射するので地表付近の温度が高くなるのである。
温室効果がなければ、地球の地表は現在よりも30℃以上下がって-18℃になってしまう。
このバランスが崩れて海がすべて蒸発してしまったのが金星である。

放射冷却現象
地表からはコンスタントに赤外放射の形でエネルギーが失われているため、太陽が見えない夜になると地表面の温度は低下してしまう。これを放射冷却という。
特に地面の土や石は、海や川の水に比べて比熱が小さいため(温度変化が大きい)、海よりも陸の方が放射冷却の影響は大きくなる。
また、よく晴れた風の弱い冬の夜は特に放射冷却が厳しい。これは温室効果がある雲がなく、風による熱の交換もなく、夜の時間が長いからである。

逆転層
放射冷却で地面が上空よりも冷えると、通常の対流圏の気温分布と逆転し、空気の対流運動が衰えるために(冷たい空気は上に持ち上がらない)、さらに地表の冷却が進んでしまう。
工場や自動車の排ガスも地表に近い場所にとどまってしまうため、深刻な大気汚染をもたらすことがある。

大気の循環
風は温度の低いところ(高気圧)から高いところ(低気圧)に吹く。

ハドレー循環
地球で最も暖かい赤道(熱帯収束帯)の空気と、緯度30°のエリア(亜熱帯高圧帯)の空気との循環。

フェレル循環
緯度30°のエリア(亜熱帯高圧帯)の空気と、緯度60°のエリア(寒帯前線帯)の空気との循環。

極循環
緯度60°のエリア(寒帯前線帯)の空気と、北極や南極の空気との循環。

コリオリの力
地球は西から東に高速で回転しているために、慣性の法則が働いて、北から南へ吹く風は西によれ、南から北へ吹く風は東によれること。
北半球では進行方向に対して右に、南半球では左によれると考えると覚えやすい。
ちなみに角速度ωで自転する地球の緯度φの場所で、速度vで移動する質量mの物体が受けるコリオリの力fは・・・

f=2mvωsinφ

となり、コリオリの力は移動する物体の質量と速度と、その物体が乗っかっている天体の自転の速度と緯度の高さに比例することがわかる。

貿易風
緯度30°(亜熱帯高圧帯)辺りから、赤道へ吹く風。コリオリの力で向きが西によれている東風。ハドレー循環の一部。
18世紀には、この風を利用して帆船が大西洋を横断し貿易を行っていた。そのため、もともとはトレードウィンドのトレードは「決まった経路」という意味だったが、それが「貿易」に転じた。

偏西風
緯度30°(亜熱帯高圧帯)から、緯度60℃(寒帯前線帯)へ吹く風。コリオリの力で向きが東によれている西風。日本にやって来る台風が西から東へ接近するのも偏西風のためである。
ハドレー循環との境目(亜熱帯高圧帯)では特に風速が強まりジェット気流になる。ジェット気流が発生する位置は季節によって異なり、南北の温度差が緩やかになる夏は高緯度側、南北の温度差が激しくなる冬は強まって低緯度側を吹く。

ロスビー循環
中緯度(亜寒帯前線帯)に吹く偏西風(亜寒帯ジェット気流)が、南北の温度差を解消しようとして出来る渦(温帯低気圧など)によってクネクネと蛇行すること。この時の蛇行する流れを偏西風波動という。
この波を、北を上にして真上から見たとき、山になっている部分をリッジ(気圧の尾根)、谷になっている部分をトラフ(気圧の谷)という。

極偏東風
北極や南極から緯度60℃のエリア(寒帯前線帯)へ吹く風。コリオリの力で向きが西によれている東風。
偏西風があれば偏東風もあったという。

風のメカニズム
めっちゃニュートン力学。ベクトルを書くっきゃない。ベクター!(※山寺宏一の声で)

地衡風
上空の偏西風にもコリオリの力が働き進行方向とは右によれていく。
また、北半球の偏西風においては、南側の気圧が高く(亜熱帯高圧帯)、北側の気圧が低いために、気圧傾度力(圧力が高い方から低い方へ風が流れること)の関係で、進行方向の左にもよれていく。
つまりコリオリの力による影響(風を右にそらそうとする)と気圧傾度力による影響(風を左にそらそうとする)はちょうどつり合って、風はどちらにもよれずに等圧線に沿って真っ直ぐに吹いていく。このような風を地衡風という。
ちなみに、密度をρ(ロー)、気圧差をΔρ、距離をΔnとすると

気圧傾度=Δρ÷Δn

気圧傾度力=(Δρ÷Δn)÷ρ

しかし、風は気圧の高いところから低いところに吹くので(気圧が増えていく向きと風向きが正反対なので)上の式にマイナスを付けて

-(Δρ÷Δn)÷ρ

地衡風は、この力とコリオリの力がつり合うため

-(Δρ÷Δn)÷ρ=2mvωsinφ

という式が成り立つ。

傾度風
高気圧や低気圧のそばでは等圧線が曲がるため、等圧線に沿って吹く地衡風もカーブしながら流れていく。このカーブがきついと遠心力が無視できない大きさになり、コリオリの力、気圧傾度力、遠心力の三つがつり合うようになる。
低気圧の場合は気圧傾度力VSコリオリの力+遠心力、高気圧の場合はコリオリの力VS気圧傾度力+遠心力というバトルになるが、コリオリの力が風速に比例するのに対して、遠心力は風速の二乗に比例するため、高気圧においては気圧差が高くなると、中心に向かうコリオリの力が、外向きに向かう気圧傾度力+遠心力のタッグに勝てなくなり、つり合いが保てなくなってしまう。したがって高気圧の強さには上限がある。

気圧差
このように傾度風の方向を踏まえると、北半球における高気圧では時計回り、低気圧では反時計回りに地表で風が吹くこともわかる。
また、地表付近では、風と地面との摩擦力の関係で風が弱まり、風の強さに比例するコリオリの力も弱く、気圧傾度力がコリオリの力に勝ってしまうため、風は気圧の高いところから低い所へ等圧線を横断していく。そのため高気圧では中心から外側、低気圧では外側から中心に風が吹く。

対流
温かい空気は膨張することで上昇し、冷たい空気は凝結することで下降すること。

乾燥断熱減率
上昇する空気が熱のやり取りを全くしない断熱状態で、水蒸気の凝結も起こらない場合、空気の温度は、高さが1キロメートル高くなるごとに9.8℃の割合で低下する。やさしいテキストでは10℃にしてくれている。嬉しい。

乾燥大気の安定性
気温が高さと共に低下する割合(気温減率)が乾燥断熱減率よりも大きい場合、空気の塊の温度の方が周囲の気温よりも高くなり、空気の塊は浮力を得て上昇していく。
このように対流を活発に続けている大気を絶対不安定という。絶対不安定な大気は、夏に強い日差しで温められた地面や、冬に大陸からの換気が、相対的に暖かい会場に吹き出す場合などで見られる。
逆に、周囲の気温減率が乾燥断熱減率よりも小さい場合は、上昇した空気が水蒸気にならない限り安定する。高い場所ほど気温が高くなる成層圏(もしくは逆転層)では大気の安定性はさらに高くなり、空気の上下の対流は起こらない。
さらに気温減率と乾燥断熱減率の変化の割合が同じ場合は中立と呼ばれる。

湿潤断熱減率
水蒸気を多く含む湿潤な空気が断熱状態で上昇した場合、空気の塊は乾燥断熱減率にしが立って冷たくなっていくが、ある高さまで行くと空気の温度は露点に達して、空気中の水蒸気は凝結を始めてしまう。
その際、潜熱が放出されて空気の温度が暖かくなるために、凝結高度C以上の温度低下の割合は乾燥断熱減率よりも小さく、グラフにして傾きは小さくなる。
この時の温度低下の割合を湿潤断熱減率という。

自由対流高度F
周囲の気温減率が、湿潤断熱減率よりも大きい場合は、空気の塊の温度の方が周囲の気温よりも高くなり、浮力を得て対流ができるようになる。この時の高度。

雲頂高度T
空気の塊は、自由対流高度を越えたあとも凝結を続け、ゆっくりと温度を低下させていき、最終的に周囲の気温と空気の塊が同じ温度になる高度まで上昇をしていく。
この時の高度が雲頂高度で、積乱雲はこの高度まで発達し、高さが圏界面付近の10キロメートルを超えることもある。

湿潤大気の安定性
周囲の気温減率が乾燥断熱減率よりも小さくても、その空気が湿潤である場合は、気温減率と湿潤断熱源率を比べ、気温減率が湿潤断熱減率よりも大きければ(周囲の気温の方が空気の塊よりも冷たければ)、大気は対流を起こし不安定になる。
このとき、水蒸気の凝結を伴う対流は湿潤対流と呼ばれ、積乱雲を発達させることがある。

条件付き不安定
とはいえ、湿潤対流を起こすには、大気の下の方に湿った空気があって、それが自由対流高度まで持ち上げるだけの上昇気流が必要である。こういった状態は条件付き不安定と呼ばれる。

フェーン現象
湿った空気が山を超えると、降りてくるときには温められて乾燥しているという現象。
冬の西高東低の気圧配置の際、北陸地方は雪が降って湿度は高いが、山脈ごしの関東地方は乾燥しているのは、これが起こるからである。
例えば地上(標高0メートル)で25℃の空気の塊が高さ2500メートルの山を越え、再び標高0メートルまで降りてきたとき、その空気の温度と湿度はどうなっているかを考える。
ただし高さ1500メートル~山頂まで雲を生じ、その際に凝結した水滴は雨になったとする。

乾燥断熱減率は1℃/100m
湿潤断熱減率は0.5℃/100m
飽和水蒸気量(g/m3)は5℃の時6.8、30℃の時30.4とする。


①1500メートルまでは凝結していない(雲ができてない)ので、空気の温度は乾燥断熱減率の割合で低下していく。したがって100メートルの上昇につき1℃温度は下がるので単純に1500メートルでは15℃温度は下がり、もともと25℃あった空気は1500メートル地点では10℃にまで冷やされる。

②1500~山頂の2500メートルまでは降水を伴うため、今度は湿潤断熱減率を用いて、空気の温度低下を求める。
100メートルで0.5℃温度が下がるなら1000メートル高くなると5℃温度が下がるので、空気の温度はさらに5℃にまで下がる。

③山頂から地上へ降りる際には降水は伴わないため、空気の温度は乾燥断熱減率の割合で上昇していく。2500メートルでは温度上昇は25℃なので、空気の温度は30℃になっている。

④空気の水蒸気量は5℃の時の飽和水蒸気量6.8だけ残っているので(それをオーバーした水蒸気はすべて雨になった)、山頂から降りてきた空気の塊の湿度は、中学校の湿度の計算と同じように

(地上に降りてきた空気が持っている水蒸気の量6.8/30℃の時の飽和水蒸気量30.4)×100=22.3

したがって湿度は22%である。

積乱雲による気象現象
積乱雲とは強い上昇気流によって縦方向に成長した雲のこと。
この雲の中で氷晶が成長し、あられや雪になって落下、これが地上に降る時には溶けて激しい雨になる(冷たい雨)。
また、この時高速で落下する水滴や氷の粒によって、周囲の空気は下方向へ引きずられて下降気流が生まれる。
ひとつの積乱雲の寿命は、だいたい30分~1時間程であるため、積乱雲による雷雨は30分ほどですぐにおさまる。夏の帰り道にこいつに外で出くわすと色々と悔しい。

竜巻
積乱雲の中の上昇気流が回転してできる直径数十~数百メートルの渦。
アメリカでは風速が秒速100メートルを超えることもあり(藤田スケールでF4クラス)、家や列車が吹き飛ばされてしまう。ちなみにアメリカではF5のツイスターも観測されており、列車が持ち上げられて飛行してしまうほどだという。

ガストフロント
積乱雲による冷たい下降気流が地表にぶつかって起きる突風(ガスト)。この突風と周囲の暖かい空気との前線をガストフロントという。

ダウンバースト
積乱雲に乾いた空気が流れ込むと、落下する雨滴の蒸発が促進されて周囲から熱を奪う。すると潜熱によって冷却された空気は重くなり下降気流の勢いはさらに増す。
こうしてできた強い下降気流がダウンバーストで、時には離陸中の飛行機を墜落させることもある。
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