第4回目は、英文法について。そういやSVOCとか最後まで謎だったな・・・
スヴォク!!(シャザム的に)
参考文献:長谷川瑞穂著『はじめての英語学』
統語構造(syntactic structure)
シンタクティック・ストラクチャー。文章における規則的な配列構造のこと。文章を構成する単語はただ横一列に並んでいるのではなく、その結び付きには強弱がある。だが、時としてそのプライオリティがよくわからない場合がある。以下の文章がそれである。
例:Little girls and cats were playing in the park.
この場合、Littleがgirlsのみを形容しているのか(小さい少女と大きさ不明のネコ)、それともgirls and catsまでを形容しているのか(小さい少女と小さいネコ)によって、文章の意味が違ってくる。
○Alice always loves cats.
×Alice loves always cats.
また、上の文章は文法的にアリだが、下の文章はNG(頻度を表す副詞alwaysは動詞lovesと目的語catsのあいだには入れない)なのは、Loves catsがVP(動詞句)というひとまとまりの構成素をなしているために、副詞がそのあいだに割り込めないからであると考えられる。一方、Alice lovesは構成素をなしていないためalwaysが割り込める。
句構造標識(phrase marker)
フレーズ・マーカー。句構造を分かりやすく示す樹形図のこと。分岐分類のクラドクラムのようにステム(枝)やノード(分岐点)もある。
句構造標識で使う範疇(カテゴリー)の略称は以下の通り。
大きい順から
S:文(センテンスsentence)
NP:名詞句(ナウン・フレーズnoun phrase)
VP:動詞句(バーブ・フレーズverb phrase)
PP:前置詞句(プレポジショナル・フレーズprepositional phrase)
AP:形容詞句(アドジェクティブ・フレーズadjective phrase)
AdvP:副詞句(アドバーブ・フレーズadverb phrase)
X’:Xプライム。品詞よりは大きいが品詞句よりは小さい構成素を表す記号。名詞だったらN’(Nプライム)とする。Susan likes this fat cat.の“fat cat”にあたる。
N:名詞(ナウンnoun)
V:動詞(バーブverb)
AUX:助動詞(オグジュアリーauxiliary)
canやwillなど。
P:前置詞(プレポジションpreposition)
toやatやon、in、byなど。強いて言えば日本語の助詞に近いポジション。
A:形容詞(アジェクティブadjective)
名詞を修飾する。
Adv:副詞(アドバーブadverb)
notやaboutやbeforeやafterなど。ほぼ形容詞だが名詞以外を修飾する。
Det:限定詞(デタミナーdeterminer)
単語の範囲を限定する。aやtheなどの冠詞や、this、thatなどの指示詞、my、yourなどの所有格、それとno、everyなど。
I:屈折接辞(インフレクションinflection)
-s や-edなど
特殊な句構造標識
IP:屈折修辞句(インフレクショナル・フレーズinflectional phrase)
~sなどの屈折修辞を句の主要部とする考え方で用いる。
CP:補文句(コンプレメンタイザー・フレーズcomplementizer phrase)
that~で始まる補文(従属節)を、句の主要部とする考え方で用いる。
句構造標識の例
節(clause)
節と句はどちらも二語以上で成り立つが、節には必ず内部に主語と述語があり、その点で句と区別される。
重文(Compound Sentences)
複数の節があり、それぞれの節が単独でも文章として成立するもの。
例:Adam likes dog and Eve likes cat.
訳:アダムはイヌが好きで、イヴはネコが好きです。
この時、それぞれの節は対等な関係で接続詞(and)によって連結されている。こういった接続詞を等位接続詞(orやbutなど)という。
複文(Complex Sentences)
複数の節があり、さらにそのひとつが従属節である文章。
例:He told Susan that he was sick in bed.
訳:彼は「(自分が)病気で寝ていた」とスーザンに話した。
この時のHe told Susanが主節(メイン・クローズmain clause)で、会話の内容を表すthat he was sick in bedが従属節(ディペンデント・クローズdependent clause)である。
従属節は主節がないと文として成り立たない(「病気で寝ていた」と・・・で文章が終わってしまう)。
動詞(verb)
いろいろあります。スゲエややこしいです。
♪なんだかとってもイライラするのDoして(C)菅野美穂
自動詞(intransitive verb)と他動詞(transitive verb)
動詞には、自動詞(目的語を必要としない=自分にしか影響を与えない動詞)と他動詞(目的語を必要とする=相手や物に影響を与える動詞)のふたつがあるが、動詞によってはどちらも兼ねるものがあるので、文脈で判断するしかない。
また、ややこしいのが、自動詞はその後ろにofやwithなどの前置詞を置くと、他動詞的に目的語を取ることができる。
たとえばlook at meではlookの後に前置詞のatを伴うので、「~を見る」という他動詞的な意味なのに自動詞。
ちなみにarriveは必ずatやonといった前置詞とセットで使われるので、他動詞になることはない。
連結動詞(Linking Verb)
主語とイコール関係の補語(述語主格)を取る動詞。SVCの時のV。つまり単独では意味が成立しない。
look、taste、smellなど、知覚を表す動詞や、seem(思える)、sound(思える)、feel(感じる)など心理や感覚を表す動詞、stand、stay、keep、remain(残る)、glow(光る)などの状態を表す動詞、またbe動詞が含まれる。
練習問題
次の動詞を用いた英語の文を作れ。時制や人称によって形が変化してもかまいません。そして、その作った文の中で、当該の動詞がどのようなタイプのものか(自動詞、他動詞、補部が必要、目的語がいくつ必要かなど)を述べよ。
初見で問題の意味すらよく分からなかったやつ。マロさんありがとうございます。
take
I took a rabbit in a trap.(私は罠でウサギを捕まえた)
他動詞なので最低でも一つは目的語を取らなければならない。この場合はウサギが目的語。
walk
I walked to the station.(私は駅へ歩いた)
自動詞だが、前置詞とセットなので目的語(駅へ)を取る。
give
Please give me the apple.(私にそのリンゴを取ってください)
他動詞。私とそのリンゴが目的語。
live
Man shall not live by bread alone.(人はパンだけで生きるにあらず)
自動詞だが、前置詞とセットなので目的語(パンだけで)を取る。
look
He looked intelligent.(彼は知的に見えた)
インテリジェントが目的語ではなく補語(形容詞)なので、自動詞かつ連結動詞。
- Calendar
<< April 2024 >> Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
- search this site.
- tags
-
- 漫画 (323)
- 映画 (233)
- 脚本 (183)
- ゲーム (148)
- 雑記 (142)
- 本 (116)
- 教育 (107)
- 生物学 (105)
- 科学 (92)
- 社会学 (80)
- 歴史 (72)
- テレビ (70)
- 芸術 (61)
- 政治 (50)
- 進化論 (40)
- 数学 (40)
- 情報 (38)
- サイト・ブログ (37)
- 語学 (37)
- 映画論 (36)
- 物理学 (33)
- 哲学 (32)
- 恐竜 (28)
- 資格試験 (28)
- 文学 (26)
- 化学 (25)
- 論文 (22)
- PIXAR (22)
- 育児 (20)
- 心理学 (18)
- 地学 (16)
- 地理学 (15)
- 気象学 (15)
- 技術 (13)
- 経済学 (12)
- 医学 (11)
- 玩具 (9)
- 司書 (8)
- 法律学 (7)
- 対談 (5)
- スポーツ (4)
- 映画の評価について (1)
- プロフィール (1)
- archives
-
- 202404 (2)
- 202403 (23)
- 202402 (22)
- 202401 (15)
- 202312 (4)
- 202311 (7)
- 202310 (2)
- 202309 (8)
- 202308 (9)
- 202307 (8)
- 202306 (5)
- 202305 (15)
- 202304 (4)
- 202303 (4)
- 202302 (2)
- 202301 (4)
- 202212 (15)
- 202211 (7)
- 202210 (5)
- 202209 (4)
- 202208 (4)
- 202207 (7)
- 202206 (2)
- 202205 (5)
- 202204 (3)
- 202203 (2)
- 202202 (5)
- 202201 (6)
- 202112 (6)
- 202111 (4)
- 202110 (6)
- 202109 (7)
- 202108 (5)
- 202107 (8)
- 202106 (4)
- 202105 (8)
- 202104 (4)
- 202103 (6)
- 202102 (10)
- 202101 (3)
- 202012 (12)
- 202011 (3)
- 202010 (4)
- 202009 (5)
- 202008 (6)
- 202007 (4)
- 202006 (4)
- 202005 (4)
- 202004 (7)
- 202003 (5)
- 202002 (6)
- 202001 (8)
- 201912 (6)
- 201911 (5)
- 201910 (3)
- 201909 (4)
- 201908 (10)
- 201907 (3)
- 201906 (6)
- 201905 (10)
- 201904 (3)
- 201903 (7)
- 201902 (8)
- 201901 (5)
- 201812 (7)
- 201811 (12)
- 201810 (7)
- 201809 (5)
- 201808 (10)
- 201807 (5)
- 201806 (19)
- 201805 (14)
- 201804 (11)
- 201803 (15)
- 201802 (4)
- 201801 (6)
- 201712 (4)
- 201711 (3)
- 201710 (11)
- 201709 (9)
- 201708 (15)
- 201707 (7)
- 201706 (4)
- 201705 (5)
- 201704 (6)
- 201703 (7)
- 201702 (6)
- 201701 (3)
- 201612 (3)
- 201611 (7)
- 201610 (7)
- 201609 (2)
- 201608 (8)
- 201607 (8)
- 201606 (7)
- 201605 (3)
- 201604 (4)
- 201603 (8)
- 201602 (3)
- 201601 (2)
- 201512 (3)
- 201511 (3)
- 201510 (4)
- 201509 (4)
- 201508 (8)
- 201507 (17)
- 201506 (2)
- 201505 (5)
- 201504 (9)
- 201503 (20)
- 201502 (7)
- 201501 (4)
- 201412 (5)
- 201411 (3)
- 201410 (2)
- 201409 (3)
- 201408 (3)
- 201407 (3)
- 201406 (12)
- 201405 (6)
- 201404 (7)
- 201403 (5)
- 201402 (12)
- 201401 (9)
- 201312 (6)
- 201311 (9)
- 201310 (8)
- 201309 (6)
- 201308 (6)
- 201307 (6)
- 201306 (10)
- 201305 (10)
- 201304 (23)
- 201303 (17)
- 201302 (16)
- 201301 (5)
- 201212 (10)
- 201211 (4)
- 201210 (18)
- 201209 (4)
- 201208 (30)
- 201207 (7)
- 201206 (4)
- 201205 (6)
- 201204 (4)
- 201203 (4)
- 201202 (3)
- 201201 (3)
- 201112 (4)
- 201111 (7)
- 201110 (3)
- 201109 (9)
- 201108 (3)
- 201107 (7)
- 201106 (2)
- 201105 (11)
- 201104 (7)
- 201103 (14)
- 201102 (19)
- 201101 (27)
- 201012 (25)
- 201011 (70)
- 201010 (34)
- 201009 (30)
- 201008 (42)
- 201007 (44)
- 201006 (29)
- 201005 (37)
- 201004 (50)
- 201003 (44)
- 201002 (48)
- 201001 (38)
- 200912 (20)
- recent trackback
- others
-
- RSS2.0
- hosted by チカッパ!
- HEAVEN INSITE(本サイト)