・・・これは社会の勉強だと思う。
そういえば、この前車検だったんだけど、5年間乗り倒したラパンがとうとうペッパーになっちゃって、車を買い換えるハメに。個人的には、ミニクーパー(ミスター・ビーン)とかベンツのMクラス(エディ・カー)がいいんだけど、外車は壊れやすいし部品代も高くつくらしいので、国産車にしました(現時点ではプリウスとかアクアのいわゆるハイブリッドカーを考えています)。
つーか、トランプの野郎もアメ車を売りたいなら、もっと安くて壊れにくい品質のいいやつを作れって言うんだよな。だいたい日本の狭い道でピックアップトラックは流行らねえって。
・・・とまあ、ここまで言ってあれだけど、国産車にした最大の決め手は私、マニュアル免許持ってないんだよね。
参考文献:板橋好枝・高橋賢一編著『はじめて学ぶアメリカ文学史』
アメリカの建国理念とその矛盾
疲れ果て、
貧しさにあえぎ、
自由の息吹を求める群衆を、
私に与えたまえ。
人生の高波に揉まれ、拒まれ続ける哀れな人々を。
戻る祖国なく、
動乱に弄ばれた人々を、
私のもとに送りたまえ。
私は希望の灯を掲げて照らそう、
自由の国はここなのだと。
これは、アメリカ独立を記念してフランスから贈呈された自由の女神の台座に彫られた言葉である。
1776年のアメリカ独立宣言は、イギリスや大陸ヨーロッパと異なる実験国家アメリカの誕生を世界に訴えるものであったが、かといってアメリカがただちに旧世界からの精神的・物質的独立を果たしたわけではなかった。
たとえば1788年に発効した合衆国憲法の成立過程においても、イギリス式慣習法の枠を越えることはできず、独立宣言の崇高な理念を裏切るものは少なくなかった。
また、独立13州はそれぞれの権益を守ろうとして独自の自治権を主張し、連邦制を脅かす不安要因はくすぶり続けた。
その端的な例が、合衆国憲法の5分の3条項である。
これは、各州の代表者数を人口から算定する際、奴隷制を基盤とする南部は黒人奴隷を人口に加えるために、黒人5人を自由白人3人分としてカウントするという、独立宣言の平等の理念に大きく矛盾する方策であった。
南部の州権論者のなかには、人間は元々平等に作られておらず、むしろ奴隷制を前提としたギリシャ型民主主義こそアメリカの政治形態にふさわしいとさえ論じるものもいたが、産業資本の蓄積を追求する北部の指導者は、独立宣言の理念を維持しつつ、常に南部と妥協の道を模索しながら連邦の維持を図っていた。
ひとつの自由州が設定されれば、ひとつの奴隷州も設定されなければならないというミズーリ協定(1820年)はその象徴であった。
しかし北部の産業資本主義と、南部の準貴族主義大農園体制の対立はやがて妥協が許されないレベルにまで深刻化し、1861年に世界初の近代戦と言われる南北戦争が勃発する。
この戦争を境に、黒人の文筆活動が盛んになり、黒人教育家ブーカー・ワシントン、黒人の待遇改善を訴えた評論家デュ・ボイス、優れた物語集を著して黒人文学の開拓者として知られるチャールズ・チェスナット(Charles W. Chesnutt)、詩人のジョンソンなどが現れた。
1920年代になると、第一次大戦中、労働力不足を補うために北部に大量に流入した南部の黒人が、ニューヨーク市ハーレム地区に独自の文化を開花させる。これをハーレム・ルネッサンスという。
クロード・マッケイ(Claude McKay)、ジーン・トゥーマー、カウンティー・カレンなどの詩人たちは、黒人なまりやブルース(南部の黒人の労働歌から発展した音楽)やジャズ(ブルースがマーチングバンドなどの影響を受けて発展したもの)のリズムを用いて、人種差別を糾弾する作品を発表、白人中心のアメリカ文学に異質な要素を加えた。
第二次大戦後の1950年代には、ヒステリックな反共運動のマッカーシズム、ジェームズ・ディーン、エルヴィス・プレスリーに象徴される若者文化(サブカルチャー)と共に、黒人公民権運動も胎動を見せた。
黒人差別が合法化されていた南部を中心に、キング牧師が指導した非暴力・直接行動は、アメリカ文学にも影響を与え、ラルフ・エリスン(Ralph Ellison)は、52年に『見えない人間』(Invisible man)を発表、阻害された黒人の内的世界(アイデンティティ・クライシス)と、黒人を取り囲む社会状況を、風刺的かつ寓話的な手法で描き出し、直裁的な抗議小説ではない新たな黒人文学の到来を告げた(白人社会にも黒人解放組織にも徹底的無視される“見えない人間”である「私」は地下で1369個の電灯をともす)。
さて、キング牧師による50年代の黒人公民権運動の成果は、60年代以降になると明確に現れ、皮肉にも黒人暴動をはらむ急進的で暴力的な闘争にも発展した。
この時期に活躍した黒人作家にジェイムズ・ボールドウィン(James Baldwin)がいる。ヴェトナム反戦運動や、公民権運動にも深く関わり、公民権運動のスポークスマンと呼ばれた彼は、白人が期待する主体性のない黒人のイメージを拒否し、むしろ阻害と不安に陥っている白人こそアイデンティティの問題を抱えていると考え、黒人問題は白人側の問題であると定義した。
また、アメリカ黒人の真の解放は性の解放と不可分であるという立場から、人種と性別の壁を越えた様々な愛やヒューマニズムを作品の中で描いた。たとえば『ジョバンニの部屋』(Giovanni’s Room,1956)では白人同性愛者を、『もう一つの国』(Another Country,1962)では、多人種社会を描くことで人間性の根源や回復を探っている。
1960年代以降の文学は、ポスト・モダニズムの文学であるといえるだろう。前時代の文学を利用・引用したり、それ自体の生成過程や形式に言及することで、それが虚構であることを故意にさらけ出すメタ的な文学作品がポスト・モダン文学である。
これまで「現実」と呼ばれていたもの(西欧中心主義、男性中心主義)が唯一絶対で不変なものであるという見方を相対化するポストモダンは、非西欧、非白人、非男性、非異性愛者からみた「現実」に大きな意味を与え、トニ・モリスン(Toni Morrison)、アリス・ウォ-カー(Alice Walker)は黒人女性の苦難の体験を描いた。
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