ボス・ベイビー

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆」

 家族に転職する気はない?一緒に歳を取ろう。

 いや~見逃さなくてよかった!!すごい面白かった!!トコジョーさんの『ベイビートーク』の二番煎じなんかじゃ全然なかった!ここ数年の中でのアニメ映画のベスト!!ムロツヨシさんうまいな!最初、『ファインディング・ニモ』のギルとか『刑事フォイル』の声優の山路和弘さんかと思った。
 長男なら誰しも思う、自分に注がれる親の愛情が赤ちゃんに奪われてお払い箱になるんじゃという恐怖を、社会人なら誰しも思う、ヘタをこくと会社での自分の席はもう用意されてないんじゃないかという恐怖に重ねて、どんな年齢でも受けるように作っている。
 そして、この映画、アクションパートがスラップスティックでめちゃめちゃいい!赤ちゃんと同時に鑑賞できる映画なんだけど、ちびっこのお客さんも爆笑。

 一番すごいのは、ボス・ベイビーが最終的には嫌な奴に見えないところだよね。「とっとけ(※ドル札をばら撒く)」「お前の汚い金なんかいるか!」とか、どういう兄弟喧嘩なんだって感じで大爆笑なんだけど、イメージとしてはこち亀の両さんって感じで、だから、赤ちゃんだから可愛くて嫌いになれないとかじゃなくて、これ、みためもおっさんでも結局はいい奴に見えるように、ちゃんと造形しているから後味がいいんだ。
 中間管理職としてのポジションとして仕方ないっていうのもあるじゃん。だから、見た目は赤ちゃんでも、あの映画では誰よりも大人っていうかね。部下じゃないパートナーだっていう。こういう上司欲しいよね。

 いいかげんにしろ、赤ん坊みたいなことを言うな。
 赤ん坊はお前だろ!


 や~しかし、こんなに設定が強引なアニメ、ありそうでなかなかないよ。最初は空想癖のある7歳の彼の心象風景なのかなって思ったら、マジで、なんて思い切った設定か、と。
 冒頭のシーンなんか、現実のシーンとしてあれをやってるって、オルダス・ハクスリーの世界そのもので、コンセプトアート描いた人はディストピア映画にならないようにすごい工夫したよね、絶対。『怪盗グルーの月泥棒』のベクターの基地を彷彿とさせるような白を基調とした世界観で。
 あくまでも子ども向けのコメディ映画というていだからこそ成立するリアリティのラインなんだよね。経営っていうランプがついたところで、もう心掴まれちゃったもんwどうでもいいよっていうww
 こっちは天界で、同時期に公開したピクサーの『リメンバー・ミー』は死後の世界だけど、いい感じに対照的なんだよな。あっちは、もうホーンテッドだってやっているところあるけどね。

 それと、赤ちゃん業界の敵が歳をとらない愛玩犬っていうのもいいよね。実際こういう研究があって、すでに作れるんじゃなかったっけ。あと、すごい小さくて可愛いミニチュア犬。
 ここら辺深く考えると、倫理的な議論にもなってきて興味深いんだけど、それをサラっと流すさじ加減も好き。お説教臭くなっちゃうからね。
 あの円グラフで赤ちゃん(=出産)がイヌの購入に負けているから、日本は少子化っていうかさw
 イヌも家族の時代だけど、歳をとらないとか、見た目が可愛いってだけで、是非を判断してしまうことへの警鐘っていうのもあるんじゃないかな。
 そういう表面的なものが愛じゃないよっていう。そういう見た目主義的な打算、ゲゼルシャフトっていうか、それは家族という形態には相容れないよって。

 だからさ、ボス・ベイビーの哲学だった資本主義っていうのはさ、限られた富や資源の奪い合いなわけじゃないですか。どっかの会社が富を増やした分、搾取されるところが絶対出てくるわけで。マルクスじゃないけど。
 その上、限りあるものをちょっとずつ分け合うとかシェアするじゃ、成長がないからね。どんどん消費してもらわないと困るわけ。
 だから、世界的に少子化、とか家族の崩壊とか、まあ、それがいいことか悪いことかは置いといて、そうなっているというのは、資本主義精神の勝利でもあるんだよな。
 別に私なんかは拝金主義者じゃないし、ビジネスで儲けようとかそういう野心あんまりないんだけど、でも、やっぱりモテないのは、結婚できないのは、どっかで資本主義的な打算をやっているからだと思うよ。
 ビジネスのルールが、教育や恋愛や育児にまで適用されるような、イデオロギーになっちゃったってことなんだな。

 今日さ、お昼にフジテレビの『ザ・ノンフィクション』やっててさ、徳之島の離島に住む高校生カップルが、高校卒業して上京して、夢に向かって頑張るんだけど、やっぱり現実は思ってたのと辛くてヤベエ、みたいな内容だったんだけど、まあ、若いよな~とか、世の中甘くないよとか、感想を持つ人もいるんだろうけど、私は羨ましいと思うよね。
 なんというか、世の中を知らないってメリットなところもあるじゃん。酸いも甘いも知ったらさ、リスクの大きいことってなかなか手を出しにくくなるわけで、もしかして恋愛や結婚や出産も客観的に考えるとリスクなんじゃないかって思う人もいると思うんだよ。
 ボス・ベイビーじゃないけど、仕事の足を引っ張るとか。出世の夢が消える、とか。実際、社会ってそういうこと多いじゃん。
 でも彼ら、彼女らはさ。でかい車を運転したい、とかそれだけの気持ちで、はるばる東京いって、一人暮らしして、免許もないのに運送業者に就職して、雑用ばっかでトラック乗せてもらえない!とか、言ってるんだよ(免許ないじゃん!ww)。

 なんか、すごいよな~って。イヤミで言ってるわけじゃなくて。そのエネルギーや行動力、向こう見ずさがすごい。打算じゃないんだよ。打算じゃないから、恋ができるんだよ、青春できるんだよ。上京できるんだよ(※できなかった人)。打算しているから、結婚できないの。
 あれ、なんか、話がそれてきたぞ。だから、世間ではこうだから、とか、これが大人のマナーだから、とか社会人は偉そうに言いたくなるけどさ、そういう風にカッコつけてリスクを避けているだけってのも、かっこ悪いし、ちょっとずつ追い込まれるだけだぞっていうね。
 自分はもうあの頃のように世の中を甘く見れないっていう羨ましさもあるんじゃねーかな。個人的には、私なんか世の中なんかわかってたまるかって思っています。
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