第二種電気工事士覚え書き⑦

一般電気工作物の保安に関する法令
鬼門の法律系が来たよ~!
主に出題されるのは、電気保安4法(電気事業法、電気工事士法、電気用品安全法、電気工事業法)。順に見ていきましょう。

電気事業法
電気事業の許認可・保安、電気工作物の区分を規定する法律。
電気工作物とは、電気事業者と一般家庭が使用する電気設備や電気機器、器具のこと。発電所や変電所、工場など大規模なものから屋内配線、家庭内の電気使用設備まで多くの種類を含む。
試験範囲は次のふたつ。

一般用電気工作物
①600V以下の低圧で受電する電気設備。
②それと同じ構内にある小出力発電設備。

自家用電気工作物
①600V超の高圧で受電するビルや工場などの電気設備。
②小出力発電設備以外の発電設備。
③構内の施設にわたる電線路を有する電気設備。

電気工事士法
法律の目的は、電気工事の欠陥による災害の発生防止であり、電気工事士の義務と、電気工事士ができる工事の種類を規定する。

電気工事士の義務
・作業は電気設備技術基準に適合するように行う。
・作業を行うときは、電気工事士免状を携帯する。
・電気用品安全法に適合した電気用品を使用する。

電気工事士でなければできない作業
ちなみに電気工事士の作業の補助は資格がなくてもできる。
・電線管、線ぴ、ダクトなどに電線を収める。
・電線管の曲げ、ねじ切り。
・電線間相互の接続、電線管とボックスの接続。
・金属製のボックスを造営材に取り付ける(もしくは取り外す)。
・電線管、線ぴ、ダクトなどをメタルラス・ワイヤラス・金属板張りの部分に取り付ける(取り外す)。
・相営材への配電盤の取り付け(取り外し)。
・接地極の地面への埋設。

電気工事士でなくてもできる作業
・使用電圧600V以下の電力量計、電流制限器(アンペアブレーカ)、ヒューズの取り付け(取り外し)。
・小型変圧器の二次側(36V以下)への配線作業。
・電線を支持する柱、腕木などの設置。
・地中電線用の暗きょや管の設置。

電気工事士免状
交付:都道府県知事に申請。
再交付:紛失・汚損したとき。
書き換え:記載事項に変更があったときだが、住所変更は書き換えをしなくてもよい。
返納:都道府県知事は電気工事士が法令に違反した場合、返納を命じることができる。

電気設備技術基準・解釈
電気設備の保安を確保・維持するために電気事業法に基づき、省令で定められた技術基準。
具体的な数値は、電気設備の技術基準の解釈で定められている。

電圧の区分
交流と直流で異なる。
低圧:600V以下(交流)。750V以下(直流)。
高圧:600V超7000V以下(交流)。750V超7000V以下(直流)。
特別高圧:7000V超。


住宅の屋内電路の対地電圧の制限
感電や火災の危険が多いので、特に厳重に規制されている。
原則として対地電圧は150V以下にしなければならない。
ただし、定格消費電力が2kW以上の電気機械器具(大型冷暖房、温水器など)を接続する場合は、以下の条件を満たせば、例外的に対地電圧を300V以下にすることができる。
①電気機械器具の使用電圧は300V以下。
②簡易接触防護措置。
③屋内配線と直接接続。
④専用の開閉器と過電流遮断器の施設。
⑤漏電遮断器の施設。

電気用品安全法
電線や配線器具などの電気用品の製造や販売を規制する法律。
これらの製造や販売・輸入は経済産業大臣への届け出が必要。
なお、電気用品のうち、特に危険または障害の発生する恐れのあるものを特定電気用品といい、検査機関による基準の適合検査(=安全性の証明では必ずしもない)を受けなければならない。これをクリアすると適合表示マーク〈PS〉Eが付けられる。
また、承認された電気用品にはマークの他、届け出事業者名、登録検査機関名、定格電圧、定格電流が表示される。
ちなみに、特定電気用品以外の適合表示マークは外枠がひし形ではなく円で、(PS)Eとなっており、こちらは製品検査さえすれば認証がなくても表示できる。

電気工事業法
電気工事業を営む者の登録や業務の規制をする法律。
電気工事業を行う場合には、定められた役所(都道府県内に2つ以上の営業所なら経産大臣、1つだけなら藤堂府県知事)に登録電気工事業者として登録をしなければならないが、これは必ずしも電気工事士が行う必要はない(電気工事会社の経営者でもOK)。
登録の有効期間は5年で、廃止や変更は30日以内に登録申請先に届け出る。

電気工事業者の義務
以下の4つがある。

①主任電気工事士を営業所ごとに置く。
主任電気工事士になれる人は、第一種電気工事士、もしくは第二種電気工事士で3年以上の実務経験がある者。

②測定器具の常備義務
営業所ごとに絶縁抵抗計、接地抵抗計、回路計を備える。

③標識の掲示
営業所および電気工事の施工場所ごとに、その見えやすい場所に以下の事項を記載した標識を掲示しなければならない。
・氏名または名称
・登録番号・登録年月日
・その他経産省令で定める事項(代表者の氏名、営業所の名称、電気工事の種類、主任電気工事士などの氏名)

④帳簿の記載・保存
営業所ごとに電気講義の内容(注文者の氏名と住所、電気工事の種類と施工場所、施工年月日、主任電気工事士および作業者名、配線図、検査結果)をまとめた帳簿を備え、5年間保存する義務がある。
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