プロとアマチュアの違い

 プロとアマチュアの違いとは「その仕事で食って行けるかどうか」ってことなんでしょうが、アメリカのアートシーンにおけるプロの芸術家の定義とは食って行けるかどうかではなく「その活動を継続しているかどうか」だそうです。
 つまりお金は二の次で、とにかく制作することが大切だと言う事で、これは確かに納得は出来ますが…それは広義の「芸術家」の定義であって「プロの芸術家」ではないのかな?って気もします。

 で、私はプロの作家とアマチュアの作家の違いとは「自分の仕事に妥協が出来るかどうか」だと思っています。
 自分の仕事に手を抜く言い訳のようにも聞こえますが、仕事である以上、いかに腕がよくて、創作に対する崇高な情熱を持っていても、納期を守れないようじゃプロ失格だと思うし、締め切りまでに無理のない計画で制作を進めることが大切なんじゃないかと思います。
 だからプロとは限界を超えて自分の表現をアグレッシブに追求する人ではなく、むしろ真逆で、ある程度自分の活動を突き放して見れる人なんじゃないかと思うわけです。
 それを大前提とした上で、出来る限りいい仕事をしようという意欲のある人が、やはりプロの作家だと思います。
 まあこれって働いている人からしてみれば当たり前のことなんでしょうが。

 最近の私は、大学で散々絵画の教員に自分の絵に訳のわかんないこと言われたから、その教員の意味の分からない精神分析や、指摘が頭にこびりついちゃって妥協が出来なくなっちゃっていました。
 所詮絵なんて趣味の範囲の話なんだから、もっと気楽に「これでいいや。無理」って感じで完成にしちゃえばいいのに、「ああ、ここ変かな?」とか「ここもっと立体的にできるな」とか「結局これ絵としてどうなの?」とかうだうだ考えて、細かいところ直し続けて、「ああ蛇足だった~」と失敗させてしまいます。

 絵画の教員は「そうやって悩み続けることが芸術だ」とそれらしいこと言ってましたが、そんな発想じゃいつまでたってもプロになれないんじゃないかな?って気もします。
 その思想ってどんどん視野が狭まっていくって言うか、精神衛生上非常によくないと思うし、プロでやるなら社会と少なからず関わっていかなきゃいけないから、鑑賞者が「そこそんなに気にならない」と言ったら「そうか。なら別にいいか」って思えるくらいに客観視できた方がいいと思います。悩もうが苦しもうが、受け手にそれが伝わらなければただの自己満足だし・・・

 売れるかどうかだけで、自分の表現の追求をまるっきり放棄してしまった人は作家にあらずっていうのは言うまでもありませんが、自分の限界と上手く付き合っていくことが、作家活動を継続する上で大切だと思います。
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