ジャングルクルーズ

 「面白い度☆☆ 好き度☆☆」

 ママ、あの船長を黙らせて。

 なんか、すっごい久しぶりに映画館へ行った。おそらく、コロナ騒動になってから初めて。政府からのお達しで、上映中もマスクつけろとかそういう時代になったらしい。映画館なんか会話しないけどな。

 東京ディズニーランドの中では、結構好きなアトラクションで、自然地理学の授業をやるときに、熱帯気候の中にサバンナ気候(Aw)があるのがピンと来ない人なんかに、ジャングルクルーズで回る世界が全て熱帯気候です、みたいに教えているんだけど。
 て、ことで動物がたくさん出てくるサファリツアー映画を期待して見に行ったんだけど、まず、動物があまり出てこない。動物どころか、メインの登場人物も少ない。さみしい。主人公の女の目的も抽象的でイマイチ感情移入できなかったし。
 実際のアトラクションみたいに、世界の大河川をまたにかける冒険すればよかったのに。三大河川に隠されたアーティファクトを集めるとかにして。
 アフリカ(ナイル川)エリアのサイにケツを突かれている探検家とホテル・ミナ・ゴリラは、絶対にやるべきだろ。

 つーか、ぶっちゃけると内容に関してはほぼ『パイレーツ・オブ・カリビアン』だった。
 呪いとかの設定とか全く一緒。海が川になっただけ。確か、『アナコンダ2』もこんな設定だった気がする。あんないにしえのB級映画を思い出すほど、共通点が多かったってことか。
 なんかね、決してつまらないわけじゃないんだけど、そつなくまとめたな、いや、まとめすぎたなっていう。良くも悪くもすごいコンパクトなんだよね。ハプニングなく予定調和のまま終わっちゃったよ、みたいな。
 
 あと、つくづく感じるのは、近年のディズニーのフェミニズムをはじめとするポリコレ。これが、時代背景や舞台やジャンルを無視して、本当に脈絡なくねじ込まれるから、すっごい萎えてしまう。物語の世界に入っていけない。
 主人公の弟の同性愛をほのめかすシーンとか、まじで唐突。そういう内容をやりたいなら、そういうテーマで映画を作ればいいっていつも思うんだけど。
 その点、スピルバーグ監督はえらいよ。インディジョーンズとかでめちゃくちゃ悪趣味な暴力映画撮るかたわら、人種差別とかそういう政治的なテーマのやつは、ちゃんと別に撮るからね。インディジョーンズの作中で、シンドラーのリストとかやらないからね。

 だいたい、なんで差別と殺戮の20世紀初頭を物語の舞台に選んでおいて、フェミニズムを啓蒙するのかさっぱりわからん。フェミニストの人が好むようなジャンルでもないだろ、コンキスタドールって。
 なんか、すっごいマイノリティに配慮しなくちゃ映画作れなくなったのか、ディズニー側にそういうイデオロギーが強くあるのかはわからないけど。
 ああいう時代にも、現代の感覚に近い人もいたっていうのをやりたいのかもわからないけど、だとしたら結構丁寧に登場人物の内面を描かないと、違和感しかないと思うがな。
 この映画って、今年のものとは思えないくらい、背景の合成感がすごかったんだけど、それは思想の面でも同じだったな。タイムスリップものじゃないんだから。

 で、ディズニーよ、そんなにフェミニズムやりたいなら、ジャンヌ・ダルクとか、アメリア・イアハートとか、ナイチンゲール・とか、フランス革命の女性たちとか、そういう人たちを題材にして映画作れよ。ジャングルクルーズの時代で言うなら、スペイン(カスティリャ王国)のイザベル一世とか。なぜ、不思議の国のアリスにドラゴン退治させたし(まだ根に持ってる)。
 ハナから、男性優位な封建的な時代において活躍した女性を描く映画ですってやれば、全然入っていけるのにな。もしくは現代劇。だから、『インクレディブル・ファミリー』なんかは、すごいよかったんだけどな。
 毎回テーマがフェミニズムじゃあ、政治的に正しくても娯楽的には飽きるよ。
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