『青春アタック』脚本㊳実践躬行

超変化ドライブサーブで、バカスカ点を入れる乙奈。
スバル「おい・・・!あんなサーブを打つやつなんて、地球上であいつだけだぞ・・・!」
額にかかる白い髪の毛をかき上げて、様々な展開をシミュレーションするりかぜ。
ブツブツつぶやくりかぜ「木野さんを下げて、金野さんをフォローにいかせる・・・ダメだ、では後衛3人をエンドラインギリギリまで下げたら・・・?これもダメ・・・今度は前に急降下してくる・・・ならば、ボスを・・・」
スバル「おい・・・どうすんだ!」
りかぜ「・・・うるさい!」
スバル「・・・!」
りかぜ「あ・・・ご・・・ごめんなさい・・・同時に173の世界線をシミュレーションしているんだけど、勝ち筋がなかなかなくて・・・」
スバル「じゃあ、ここで負けるのがうちらの運命っていうのか?」
りかぜ「・・・それは・・・」
スバル「冗談じゃねえ・・・!同じ相手に二度負けるなんて、うちは絶対に認めない!」
木野「その通りですわ・・・運命は私たちの自由意志で変えられる・・・」
スバル「木野・・・」
微笑む木野「わたくしはカトリックですの。」
水野「そうよ・・・勝負はまだ決まっちゃいない・・・」
月野「私に考えがあるよ!」

乙奈「・・・?」
相手のコートを見ると、前衛3人と後衛3人が背中合わせになって守備を敷いている。

山村「なんだ、あの陣形は・・・!」
さくら「面白いね・・・非常に。」

スバル「背中は預けた・・・!これでUターンボールもレシーブできる・・・!」
ルールブックをめくるりかぜ「・・・よし、反則じゃない・・・」

乙奈「いいでしょう・・・勝負をつけましょう・・・!」
渾身のドライブサーブを打つ乙奈。
エンドラインを超えて、再びエンドラインの内側に戻ってくる剛速球。
野球のようにスライディングをしてなんとかボールをひろうスバル「おらあ!」
りかぜ「ファインプレーよ・・・!」
スバル「つ・・・つないでくれ~!!!」
金野がリカバーに入りトスを上げる。
水野が全力のスパイクを打つ。
水野のスパイクに、海野がブロックに入る。
しかし、水野の強烈なスパイクをまともにくらって、後ろに倒れる海野。
海野の下敷きになる、花原とちおり。
ちおり「にゃ~!」
主審「スリーアウト!チェンジ!!」
慌てて起き上がる海野「あたた・・・2人とも、ご、ごめん・・・」
花原「怪我はない?海野さん・・・」
ちおり「いいクッションがあったからだいじょうぶ。」
花原「お前じゃない・・・」

飛び上がって喜ぶスバルと水野「よっしゃああああ!でかいぞ!!」
月野の頭を撫でるスバル「月ちゃん!お手柄だ!!」
月野「わ~い!今度納豆ご飯食べさせて!」
スバル「おう、ネギも卵も入れてやる!」
月野「やった~!」

海野「ごめん・・・せっかく乙奈さんがくれたチャンスを・・・」
乙奈「いえいえ・・・勝負はこれからですわ・・・」



実況「現在のスコアは、詩留々高専7点の白亜高校12点・・・!
とんでもないサービスエースの応酬でした!
それでは、試合は引き続き2回の表に入ります!」

前衛に、火野、水野に加えて金野が入ってくる。
花原「な・・・なんと強力な・・・」
金野「わたしがバレーのレッスンをしてあげるわ・・・」
サービスエリアに入るスバル「しまっていこうぜ~!」

スバル「5点差か・・・」
りかぜ「追いつける?」
ニヤリと笑うスバル「サービスエースは木野だけじゃねえ。」

弾丸のようなサーブを打つスバル。
レシーブが苦手な花原を狙ってサービスエースを決める。
華白崎「うまい・・・!」
海野「スバルちゃんの攻撃は機械のように正確なの・・・
そこで付いたあだ名は・・・スナイパー・・・」
ブーちゃんが指をくいと曲げて挑発する。
スバル「お前だけは狙わねえよブーちゃん・・・
敵のアキレス腱をしつこいくらい突くのが好きなんでな。」

金野「花原さん・・・あなたはいつになったらレシーブが上達するのかしら?」
花原「う・・・うるさいわね・・・」
ちおり「これでも、顔面に当たらなくなっただけ上達したんだよ!」
花原「そ・・・そうよ・・・!
鼻で笑う金野「普通ボールは顔に当たらない・・・」
水野「確かに・・・」
ちおり「だから、花原さんは誰よりも人の痛みがわかるんだよ。」
花原「ちおり・・・」
金野「詭弁ね。」
ちおり「違うもん!私の家が焼かれたとき・・・花原さんは助けてくれたもん!
私・・・あの時のことは一生忘れない・・・
あと、手違いで一度崖からトラックごと落としちゃったことがあるけど・・・それもいい思い出。」
花原「いや・・・それはちがう・・・」
金野「人の痛みがわかったところで、チームの足を引っ張るのなら、そんな選手は不要よ・・・」
華白崎「それ以上、花原さんを侮辱するなら、この私が許さないわ・・・」
金野「あら・・・あなたは私と同意見だと思ったけど。」
華白崎「あなたは花原さんの頭脳に嫉妬しているんじゃないの・・・?」
金野「面白いことを言うわね・・・学年トップの成績のこの私が・・・?」
華白崎「学校の勉強なんて、教科書に書いてあることを暗記するだけ・・・
その行為の一体何がすごいの?
花原さんは違う・・・未来の教科書に載るような発見を奇抜な発想力で成し遂げようとしている・・・
あなたはそれをやっかんでいるだけよ・・・自分にはそんな才能がないから。」
金野「・・・私の何がわかるの?」
華白崎「あなたはかつての私でしょう?だから、私は花原さんに突っかかったんだ・・・
自分の心に素直になれない限り・・・あなたに成長はない・・・!」
すると、スバルのサーブをレシーブしてしまう華白崎。
華白崎「花原さん私にトスを・・・!」
慌てて、後衛の方にトスを上げる花原「う・・・うん・・・!」
強烈なバックアタックを決める華白崎。
金野のブロックを跳ね返し、ブロックアウトをとってしまう。
主審「アウト!!」

ちおり「かっけー!」
花原「カッシー・・・」
微笑む華白崎「大人気なくムキになってしまったわ・・・私としたことが・・・」
花原「さっきの話って・・・」
華白崎「・・・忘れてください。」

次々にバックアタックを決める華白崎。
チェンジになり、2回裏でも快進撃は止まらない。
海野「すごいわ!華白崎さん絶好調!!」
ちおり「つえー!」

火野「おい・・・金野・・・華白崎さんに謝れよ・・・もう止められないんだけど・・・」
金野「・・・うるさいわよ・・・」
スバル「あの華白崎ってやつ・・・中学千葉代表だけあって厄介だな・・・」
りかぜ「あのタイプは絶対に怒らせちゃいけない・・・」
スバル「・・・どうする?」
りかぜ「金野さん・・・向こうの華白崎さんはあなたと同じスペックよ・・・
まさか負けることはないよね・・・?」
金野「・・・!」
りかぜ「・・・これで華白崎のボールはすべて金野さんが取るでしょう・・・」
スバル「マジか・・・」

華白崎と金野の意地のぶつかり合いのような猛攻が始まる。
バックアタックする華白崎「うおおお!」
それをそのままアタックをする金野「おのれに負けるかあ!!」
華白崎「こっちのセリフよ!」
唖然とする海野「・・・2人で試合をしている・・・?」
乙奈「まるでテニスのシングルスですわ・・・」
スバル「・・・オイ・・・どうすんだよこれ・・・」
りかぜ「どちらかが疲れるまで見守ることしかできないわ・・・」

ラリーの応酬を続ける2人の華白崎。
華白崎「花原さんに謝れ!」
金野「謝る道理はない・・・!!」
華白崎「いつまでも意地を張るんじゃない!!」
花原「あ・・・あの・・・もういいって華白崎さん・・・」
すると、ボールの打球がそれて花原の方へ飛んでしまう。
それを飛び込みレシーブで拾おうとして花原と正面衝突をしてしまう華白崎。
2人とも勢い良く倒れてしまう。
花原「ぎゃあああああ!!」
慌てる海野「大丈夫、二人とも・・・!!」
ちおり「すごい音がしたよ。」

鼻血を出す花原「ううう・・・痛い・・・」
山村「審判!タイムだ!!」
よろよろと立ち上がる華白崎「ご・・・ごめんなさい・・・花原さん・・・わたし・・・」
すると、痛みに顔をゆがませる華白崎「・・・いっつ!!」
白衣を着てコートに入るさくら「ああ、ちょっと待った、立っちゃだめよ、カッシー・・・」
痛みで涙目になる華白崎「うう・・・」
足首を見つめるさくら「・・・ああ・・・ねん挫しちゃってる・・・これじゃあ立てないわね・・・マッスルくん。」
華白崎に肩を貸す山村「了解した。」
華白崎「本当にごめんなさい・・・花原さん・・・」
鼻血を病田に拭いてもらう花原「いいよ・・・それに・・・うれしかったし・・・」
泣いてしまう華白崎「えっえっ・・・」
さくら「めぐなちゃんは試合には出れそう?」
花原「ボールを顔で何度も受けてるのよ?こんなもんかすり傷です。」
さくら「オッケー。」
海野「でも・・・華白崎さんがいないと試合は・・・」

スバル「でかしたぞ金野・・・!これで向こうの主力選手が消えた・・・!」
泣いている華白崎を見つめる金野「・・・ええ・・・」
りかぜ「・・・金野さん・・・華白崎さんと花原さんに謝った方がいいわ・・・
ロボットにもあたたかい心があるなら。」
頷く金野。
華白崎と花原の方へ走っていく金野。
スバル「いいところあるじゃんか、りかぜちゃん・・・」
りかぜ「子どもたちの教育は母親の役目だから。それに、安心するのはまだ早いわ・・・
向こうにリザーブがいたら・・・試合はまだ終わらない・・・」
スバル「対戦履歴には控え選手はいなかったはずだぞ?」
りかぜ「向こうの監督は、吹雪さくらよ・・・想定していないと思う?」

球場の観客席で「たまごクラブひよこクラブ」を読んでいる小早川。
小早川「・・・華白崎さん痛そう・・・」
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