ピカール「紳士淑女の皆様・・・本日はロト剣術魔法学校の年度末発表会にようこそおいでくださりました・・・!本校の生徒の日々の鍛錬の成果をぜひ最後までご覧ください!
発表会の最後には学生のオークションもあります!
それでは、まずは魔法学部の発表です!
学部長のテスタメント先生よろしくお願いします!」
魔女のテスタメント「魔法学部 黒魔術学科 攻撃魔法専攻の学生の総合火力演習となります。
ピカチュウのように強い光を放ちますのでくれぐれもご注意を・・・」
テスタメントが杖を振ると、来場者の手元に遮光板が現れる。
テスタメント「第一小隊整列!!」
魔法学部の学生が競技場の中心に整列し、遠くの山の方へ腕を上げる。
テスタメント「PKファイヤー 方位角3032 射角119 3連続 斉射!!」
そういうと、学生たちが一斉に山の山頂に向けて火炎弾を撃ち込む。
爆撃と轟音。
来場者の歓声。
山火事が起こる。
テスタメント「続いて第二小隊前へ!
PKアイスストーム 同一目標 斉射!!」
今度は別の学生が一斉に山火事に向けて氷系の魔法を放つ。
鎮火される山火事。
テスタメント「演習は以上となります。
来年度はより難易度の高い落雷系の全体攻撃魔法を履修させますわ・・・」
会場内が拍手に包まれる。
来場者「ブラボー!!」
来賓席の方へ引き上げる講師のテスタメント
「あら・・・そのマッシュルームヘアーはウィンロードじゃない。来てたんだ。」
ウィンロード「まあな。」
テスタメント「しばらく見ないうちに老けたわね~・・・」
ウィンロード「お前は変わらないな・・・美容魔法か。」
テスタメント「PKドモホルンリンクルよ。あんたもやる?」
ウィンロード「くだらねえ。」
テスタメント「で?うちの子たちの魔法はどうだった?
せっかく来たんだから一人くらい買って帰りなさいよ。」
ウィンロード「使い物にならんよ、あれじゃあ・・・」
テスタメント「いつも憎まれ口ばっか。だから結婚できないのよ・・・」
ウィンロード「では聞こう。火炎魔法と氷結魔法を放つ学生を入れ替えたのはなぜだ?」
テスタメント「・・・え?」
ウィンロード「あの威力だ。消費MPが高すぎて詠唱できるのは一度きりだからじゃないのか?」
テスタメント「なによ、あんたバトル・オブ・ナガシノを知らないの?」
ウィンロード「じゃあ、魔法使いを3000人もパーティに加えろというんだな。
いずれにせよ、あれでは必殺の一撃をかわされたらおしまいだ・・・
実践では役には立たんよ・・・」
テスタメント「はいはいそうですか・・・あんたは一体なにと戦おうとしてんのよ・・・」
ウィンロード「だが・・・一人だけファイアとアイスを打っていたやつがいたな・・・」
テスタメント「ああ・・・あの子は消費MPが少ないから・・・
でも、アルコールランプ程度の着火と冷えピタ程度の冷却しかできない落第生よ・・・」
ウィンロード「じゃあ、お前のクラスは全員落第だ。」
テスタメント「・・・くっ・・・!バーカバーカ!」
悪口を言って立ち去っていくテスタメント。
ため息をつくウィンロード「精神年齢も変わりやしねえ・・・」
ピカール「続きまして、勇者学部です!
剣術学科フェーデ専攻の学生によるトーナメント試合を開催します!」
諸侯たち「いよいよですな・・・」
「今年は即戦力の剣士がいるかな・・・」
ラム隊長「それではAブロック第一試合を始める!両選手の土俵入り!
はっけよい、残った!」
選手控室
控室の外からは競技中の歓声が聞こえる。
緊張でベンチにへたり込んで震えているヴィンツァー「始まってしまった・・・もうだめだ・・・」
ベオウルフ「いよいよだね、ヴィンツァーくん。
ぼくはどんな相手にも敬意をもって接する。わかるかね?
つまり、手加減をせずに全力で行かせてもらうということさ・・・」
ヴィンツァー「それはちょっと・・・
ぼく、わざと負けますので剣でたたくのは勘弁してもらえますか?」
ベオウルフ「なぜあの姫君はこんな腰抜けが好きなのか、さっぱり分からん・・・
きみにはプライドはないのか?愛する女性を守るために戦おうとは思わないのかね。」
ヴィンツァー「誰かを傷つけるくらいなら、ぼくは愛なんていりません・・・」
ベオウルフ「哀しい奴だな・・・愛のない人生に何の意味がある?
ようし、騎士の情けだ。君の無意味な人生を終わらせてやろう。
ボコボコにしてやる。」
ヴィンツァー「ひいいい!」
控室に入ってくる少女「ヴィンツァー・・・」
少女の顔は暗い。
ヴィンツァー「・・・ど、どうしたの?」
少女「あたし・・・攻撃魔法ぜんぜんできなかった・・・せっかくの発表会だったのに・・・
あたし・・・剣もダメ・・・魔法もダメ・・・字も読めない・・・
何もできない・・・」
ヴィンツァー「そ、そんなことないよ・・・」
涙を浮かべる少女「でも・・・あんたは違う・・・あんたは剣の才能がある・・・
あの時・・・あたしを守ってくれたじゃない・・・」
・
・
数年前――感染症で壊滅した村。
村人の死体を狙って舞い降りるハルピュイア。
少女「やめて!こないで!!」
ハル「チョーダイ。チョーダイ。」
少女「パパ!ママ!お姉ちゃん!!誰か助けて~~!!」
少女に向けてかぎづめを向ける。
その時、木の棒を持ってハルピュイアに向かっていく幼いヴィンツァー。
ヴィンツァー「うあああああ!!お前なんか怖くないぞ!あっちいけえええ!!」
そう言うと、泣きながら木の棒を振り回す。
その太刀筋を難なくかわしてしまうハル。
しかし、木の棒の速度があまりにも速く、風圧でハルの胸当てが外れてポロリしてしまう。
ポロリに気づいて一瞬意識が切れるハル。
そのチャンスを逃さず、木の棒でハルの脚を叩き、少女をかぎづめから守るヴィンツァー。
たまらず、少女を諦めて飛び去って行くハル。
恐怖でガタガタ震えて、失禁してしまう少女。
少女に近づくヴィンツァー「だいじょうぶ・・・もう戻ってこない・・・
も、もし・・・もう一度襲ってきたら・・・今度は墓を作って埋めてやる・・・」
ヴィンツァーに抱き着く少女「う・・・うわああああ!」
・
・
選手控室
少女「・・・だから、あなたは絶対に勝てる。わたしの・・・勇者様なんだから・・・」
ヴィンツァー「・・・リネット・・・」
そう言うと、何かを決心して立ち上がるヴィンツァー。
ベオウルフ(・・・こいつ、顔つきが変わった・・・)
ヴィンツァー「ベオくん。ぼくは、どんな相手にも敬意をもって接する。」
ベオウルフ「ほう・・・」
ヴィンツァー「つまり、お互い手加減をせずに全力で戦おう・・・騎士道精神に則って。」
ヴィンツァーと握手をするベオウルフ「いい試合にしよう。」
土俵に入場し、剣を握って向かい合うヴィンツァーとベオウルフ。
ラム隊長「はじめ!!」
・
・
学生のオークションが始まる。
ステージに並ぶ剣士と魔法使いの卵たち。
ボコボコにされているヴィンツァー。
ピカール「アダムス大臣が10万ゴールドを上げた!他はいないか?他はいませんね?
・・・ベオウルフ・レイセオンくん、王立騎士団がハンマープライス!!」
ハンマーを叩くピカール。
学生たち「さすがベオくんだ・・・6ケタをつけたぞ・・・オレなんか4ケタなのに・・・」
「オレは3ケタだぞ・・・」
「まあ、あそこで売れ残っている2人よりは幸せだろ・・・まがりにも騎士の従者になれるからな。」
そう言うと、ヴィンツァーとリネットに目をやる学生たち。
ピカール「残るは、黒死病で滅んだ貧しい農村から拾った孤児二人です!スキルは特に無し!
言い値でお売りしますが・・・」
しらける会場。
心細そうにヴィンツァーの手を握るリネット。
ヴィンツァー「大丈夫だよ、売れ残ったら学園に戻れる・・・」
リネット「それは成績のいい学生だけよ・・・あたしたち無能な在庫は処分される・・・」
ヴィンツァー「ごめん・・・ぼくがベオくんに負けたばっかりに・・・」
リネットに目をやるベオウルフ。
自分を買い取ったアダムスに声をかける。
ベオウルフ「あの・・・あそこにいる2人も買い取ってほしいのですが・・・」
アダムス「競争率の高い君を買い取ってもう予算がないよ・・・」
ベオウルフ「ぼくの友だちなんです・・・どうか・・・」
アダムス「これはわたしのポケットマネーじゃないんだ。国民の税金だ。
残念だが、私一人の判断でそんなことをしたら暴動が起こるよ。」
2人に向かって首を振るベオウルフ。
すると、太っていて下品そうな領主が名乗りを上げる。
領主「私が引き取ろう。」
ピカール「マンイーター男爵から30ゴールドが上がりました!
他にいないか?」
マンイーター男爵に向かってウィンロードが話しかける。
「あんた・・・あれを本当に騎士として雇うのか?」
男爵「ぶひひ・・・あの子たち・・・よく見ればなかなかのロリロリじゃないですか。
ぼくのリカちゃんハウスのコレクションにしようかな、と・・・」
ウィンロード(性的虐待をされた後に殺されちまうか・・・)
ピカール「それではマンイーター男爵がハンマープ・・・」
札を上げるウィンロード「二人まとめて20万ゴールドだ。」
ざわつく会場。
ピカール「・・・え?なんですって?みなさん静粛に!!」
ウィンロード「・・・22万ゴールドのがいいか?」
ピカール「な・・・なんと22万ゴールドが出ました!今回のオークションの最高額です!!」
参加者たち「おいおい・・・!あの最強の剣士ウィンロード卿が競り落とすということは、あの二人、もしかしてとんでもない逸材なんじゃ・・・!」
「買っときゃよかった!」
「でも、22万ゴールド以上も出せないぞ・・・!」
悔しがる男爵「ぶひょ~!ぼくの着せ替え人形が奪われたブー!」
ピカール「それでは、22万ゴールドでシドニア・ウィンロード卿がハンマープライス!!」
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