雪原地帯を進むウィンロードたち。
雪で立ち往生してしまう馬。
ウィンロード「ガキども力いっぱい押せ!!」
馬のお尻を押す2人「う~ん・・・!」
ウィンロードも馬を降りて、引っ張る。
ウィンロード「頑張れ、スペシャルウィーク・・・!」
馬の蹄が雪から抜ける。
息を切らす3人。
ウィンロード「がんばったな子どもたち・・・」
ヴィンツァー「ここはもう移動手段はトナカイですよ・・・」
リネット「はあはあ・・・辺境伯すぎるわよ・・・一体どこまで歩くの・・・」
2人の背後を指差すウィンロード。
「あそこだ。」
指の先には雪原の古城が見える。
「あれが私の館だ・・・」
・
ウィンロードの館「ウィンターズ城」
館は古く、近づくと割と小さい。
ヴィンツァー「つ・・・ついた・・・」
リネット「なんかお化け屋敷のような古城ね・・・」
ヴィンツァー「うん・・・」
ウィンロード「文句があるなら、そこでカノッサの屈辱ごっこでもやってな・・・」
リネット「入れてください・・・!」
扉の脇の綱を引っ張ると、鐘塔が鳴る。
ゆっくりと扉が開く。
ウィンロード「入る前に雪を落とせよ?」
すると、ランタンを持った長身のメイドがウィンロードを出迎える。
メイド「お帰りなさいませ、旦那様・・・」
ウィンロードの外套を脱がせてやるメイド。
メイドは口調は優しいものの、目つきが鋭く、表情も冷たいため、異様な威圧感がある。
怯えるヴィンツァーとリネット。
メイド「ロト剣術魔法学園の出張はいかがでしたか。」
ウィンロード「予想通りろくなのはいなかった・・・」
メイド「それはそうでしょう・・・
やはり、旦那様と世界を救うのは、このセレスティアにお任せを・・・」
ウィンロード「なんか腹減ったな。こいつらに温かいもんでも食わせてやってくれないか?」
ヴィンツァーたちをじろりと見るメイド「・・・この子たちは・・・?」
メイドに囁くウィンロード「人食い男爵に食い物にされそうだったから引き取ってきた・・・」
メイド「なんと慈悲深い旦那様・・・かしこまりました。
(膝を曲げて視線を低くするメイド)きみたち・・・好きな献立を教えてくれないかな・・・?」
リネット「・・・え?なんでもいいの??あたしピーチタルトが食べたい!」
困惑するメイド「クックパットに載ってたかな・・・」
ヴィンツァー「・・・遠慮しなよ・・・」
ウィンロード「なんでも好きなものを作ってもらえ・・・明日からお前らはこの館で働くんだからな。」
ヴィンツァー「江戸前寿司が食べたいです・・・」
メイド「(世界観考えろよ・・・)ぜ・・・善処しますわ・・・さあ、坊やたち、食堂へご案内します。」
ヒソヒソ声でリネット(見た目のわりに優しいお姉さんね・・・)
ヴィンツァー(う・・・うん・・・)
ウィンロード「お前らと歳は変わらんぞ。」
リネット「え・・・?セクシーすぎるでしょ・・・」
・
食堂
お祈りをする4人。
テーブルにピーチタルトと寿司的な何かを並べるメイド。
メイド「旦那様は根菜のスープとパンでいいですか?」
ウィンロード「ああ・・・」
自分たちと違って貧しそうな食事を見てリネット「・・・お金に困ってるの?」
ウィンロード「誰を買ったからだと思ってやがる・・・」
ヴィンツァー「本当にすいません・・・」
料理を置くと食堂の隅にどいて直立不動の姿勢をとるメイド。
リネット「あの人は食べないの?」
ウィンロード「ああ・・・あいつは食べなくてもいいんだ。」
リネット「私たちもやがて飯なしで働くのよヴィンツァー・・・」
ヴィンツァー「え?」
メイド「わたくしは旦那様からミルクさえいただければ結構。」
2人「・・・え?(どういうこと?もしかして下ネタ?)」
ウィンロード「そういうことを言うと誤解されるだろ・・・!」
リネット「はは~ん、実はメイドとか言いながら、男女の関係なんでしょ。
こんな屋敷にこんな絶世の美女と2人きりで住んでるんだ・・・」
ヴィンツァー「やめなよ・・・悪趣味だって・・・」
ウィンロード「このバカが・・・おい、こいつらに言ってもいいよな?」
メイド「わたくしは構いませんわ。」
ウィンロード「こいつはセレスティア。見た目は人間だがモンスターなんだ・・・
身寄りがなかったから私が保護して・・・それから家のことを色々やってもらっている。」
ぺこりとお擬似をするメイドのセレス
「セレスとお呼びくだされば、どんな場所にも駆けつけ、皆様をお守り致します。」
リネット「モンスターなの・・・?どおりで人間離れして綺麗なんだ・・・くそ・・・」
ヴィンツァー「あの・・・セレスさんはなんていうモンスターなんですか?」
セレス「大した魔物ではないですよ・・・サキュバスというマイナーな種族でして・・・」
ピーチパイをほおばりながらリネット「知ってる!エッチな夢を人に見せるド変態よ。」
ヴィンツァー「そ・・・そうなの?」
ウィンロード「ド変態って・・・サキュバスっていちおう堕天使だからな・・・
お前なんか簡単に消し炭にできることを覚えておけ・・・」
リネット「ヴィンツァー気をつけなさい!この人こう見えて、いただき女子の上位互換よ!
これで、ウィンロードさんとただれた関係なことが確定したわ・・・やらしい・・・!」
セレス「そうだと嬉しいのですが・・・私がお勤めしてから10年・・・
旦那様はただの一度もわたくしをひとりの女性として見てはくれません・・・
こんなにもわたくしは旦那様を愛しているのに・・・
きっと旦那様は今なお童貞であらせられると確信しております。」
ウィンロード「小さい子の前でなんつーこと言ってんだ、お前も。」
顔を赤らめるセレス「はっ申し訳ありませんでした・・・!」
ウィンロード「おい、お前らも自己紹介をしなさい。」
ヴィンツァー「は、はい・・・ぼくはスナイデル・ヴィンツァーです・・・」
リネット「あたし、リネット。リネット・アシュレイよ。」
セレス「スナイデルおぼっちゃま、アシュレイお嬢様でよろしいですか?」
ウィンロード「呼び捨てでいいよ・・・お前の方が先輩なんだ・・・
いろいろ教えてやってくれ。」
セレス「銀食器の炙り方なら今すぐにでも・・・」
ウィンロード「家事だけじゃない。剣と魔法もだ・・・」
ヴィンツァー「お姉さんが?」
リネット「教えられるの??」
ウィンロード「私は短気だからな・・・おしとやかなこいつの方が丁寧に教えてくれる。
まあ、頑張れ・・・」
ヴィンツァー「ぼく一生召使でいいです・・・」
セレス「あら、そんな後ろ向きではいけませんわ・・・人生が童貞で終わりますわよ。」
ウィンロード「セレス、いいかげんにしろよ。」
セレス「ダメです・・・久方ぶりにほかの人とお話するので、下ネタが抑えられませんわ。」
リネット(・・・やっぱり変態ね。)
・
ウィンロードの書斎
壁に貼った世界地図を眺めて物思いにふけるウィンロード
書斎に入ってくるセレス
「お二人はお休みになりました・・・長旅で相当疲れたのでしょうね・・・
私のベッドでぐっすりです・・・」
ウィンロード「そうか・・・世話が焼けるのが増えるがすまないな。」
微笑むセレス「わたくし、顔は怖いですが子どもは大好きなんです。
それに、新しい家族が増えて嬉しいです。ねえ、旦那様。」
ウィンロード「そんなにお前と年は変わらないがな。」
セレス「・・・え?(わたし老けてるのかな・・・)」
ウィンロード「この前、採取した検体はヘルシングの研究所に送った・・・
感染爆発がブリジッドにも起こる前に、あの血液博士が治療法を見つけてくれればいいが・・・」
セレス「なぜ、わたくしたち魔物には感染しないのでしょう・・・」
ウィンロード「解決の糸口はそこだろうが・・・オレは理系じゃねえ。
感染源のニャルラト・カーンを倒すことくらいしか思いつかん・・・」
セレス「わたくしのレイピアの出番ですね・・・」
ウィンロード「それはダメだ。お前は、あのヴィンツァーたちを鍛えてやってくれ。」
感染地図を指さすセレス「時間がありませんわ・・・」
ウィンロード「時間がないからこそ、下手を打ったら取り返しがつかん・・・」
セレス「私の父は大天使サマエルですよ?」
ウィンロード「知ってる。その大天使が邪神ニャルラト・カーンには手も足も出ずに殺された・・・」
ショックを受けるセレス「・・・え・・・」
ウィンロード「・・・邪神はおそらく不死の存在・・・決して殺せない・・・」
セレス「ひどいです、旦那様・・・
10年もお仕えしましたのに、わたしを戦士としても女性としても見てくれないんですか・・・?」
ウィンロード「・・・わかった・・・時が来たら邪神と戦うことを認めよう・・・
だが、一人で戦うことは許さん。あの2人が一人前になったらパーティを組んで補佐して欲しい。」
セレス「ヴィンツァー様は見込みがあると・・・?」
ウィンロード「正直剣技の才能はない。ただ・・・」
セレス「・・・・・・。」
ウィンロード「あの子は優しい・・・暴力以外の解決策を見つけるかもしれない・・・
我々が思いもつかないような解決策をな・・・」
・
朝
セレスの部屋で寝ているヴィンツァーとリネット。
軍隊のラッパを吹くウィンロード「起きろこのやろう!!仕事だ!」
ヴィンツァー「ねむい・・・」
リネット「筋肉痛が・・・ちょっと勤務開始は明日からで・・・」
ウィンロード「どこの世界に雇い主に起こしてもらう召使がいるんだ!」
セレス「旦那様・・・
朝の仕事はわたくしが済ませますので、お二人はもう少し寝かせてあげても・・・」
ウィンロード「お前は甘い!甘すぎる!こういうのは初日が大事なんだ。
ここでピシッとやらないと、お前はこいつらのお母さんになるぞ!」
セレス「それも悪くないわね・・・」
セレスを睨みつけるウィンロード。
セレス「はいはい朝ですよ!二人とも起きましょう!
井戸で顔を洗ったら、水を汲んで、暖炉に火を入れて、食事の準備ですよ!」
部屋を出ていくウィンロード「お前がしっかりしつけろよ!」
恍惚の表情を浮かべるセレス「ああ・・・まるで4人家族のようだわ・・・」
ウィンロード「聞いてるのか?」
セレス「あ、はい・・・!」
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