『帰ってきたソニックブレイド』脚本③

テレビのニュース
「先日起きたグリッドブレイドの暴走については、第三者委員会とグリッドライン社が原因を解明するとのことです。」
記者会見をするメトロンCEO「開発下請け会社を控訴することに決めました。
今後も世界の安定と平和のためにわが社は全力で取り組むことを約束します。」

幹部会議
モートン「会社の株価は?」
ラップトップをいじるバルタ「許容範囲ね。ザラも死んで責任を取ってくれたし。」
ピット「あいつ、年下のくせに生意気だったから、いなくなってせいせいした。」
白衣のダリア「問題はあの試作機よ。どうする?」
バルタ「パイロットの素性は割れてるから、その女を消せば済む話じゃない?」
ピット「女なの?」
えるの画像を会議室に投影するバルタ「こいつよ。」
ピット「・・・ガキに見えるけど。」
ラップトップをたたむバルタ「こんな小娘、このわたしがひとひねりにしてやるわ。」
モートン「では、お前に任せる。しかし失敗は許さん。」
バルタ「私が失敗したことがあった?」
モートン「ない。」
退室するバルタ。

ダリア「・・・あの子はマグナム弾でも殺せないのに。」
ピット「そうなの?教えてあげたら?」
ダリア「会長の玉の輿になる確率が上がるでしょ?」
ピット「わるいんだ~」
モートン「バルタは手練れだ。パイロットはあいつに任せておけ。
お前たちはロボットの方を当たれ。」
ダリア「はい。」
会議室に映されたままのえるの画像。




アパート
えるの手当をするマルス。
「無茶なことをしたもんだ。」
える「ごめんなさい・・・」
マルス「ソニックブレイドには二度と乗らないんじゃなかったのか。」
える「あのロボットが襲ってきたから。」
マルス「君の体はもう戦えるような状態じゃないんだぞ。」
える「じゃあ、センターのみんなを見捨てればよかったの?」
マルス「そうは言ってないけど。」
える「愛野さんがいないの。」
マルス「・・・彼女は亡くなった。」
青くなるえる「・・・うそでしょう?」
マルス「あの子だけじゃない。多くの人が死んだんだ。
きみが気にすることじゃない。
自分のことだけを考えろ。」
える「わたしも人の役に立ちたいの。」
マルス「きみが大けがしたら直せる人間がいないんだぞ?
オレはきみに家にいてほしいんだ。」
える「わたしにはなんにもやらせてくれないんですね。」
マルス「・・・とげのある言い方だな。」
える「わたし・・・あのロボットと戦って確かに怪我しちゃったけど・・・
町のみんなに感謝されたんだ。
いじめられっ子で足手まといな私が感謝されたの。人生で初めて。」
マルス「これが私の生きる道とか言うんじゃないだろうな。」
える「私にはもう時間がないの。なら、残りの時間を人のために・・・」
マルス「みんなが感謝したのはきみじゃない!ソニックブレイドだ!」
部屋を出ていくえる「ライちゃんのバカ!きらい!!」

部屋に入ってくる妹のろな
大学生のろな「お兄ちゃん大丈夫?パパが様子見て来いって。あれ?えるちゃんは?」
マルス「出て行った・・・」

ろなに缶ビールを注いでやるマルス「あいつが初めて怒った・・・」
ろな「あら珍しい。」
マルス「言い過ぎたのかもしれない。」
ろな「お兄ちゃんの気持ちはわかってると思うよ。」
マルス「もう戦ってほしくないんだ。ずっとそばにいてほしい。」
ろな「それは向こうも一緒だって。
ただ、お兄ちゃんに言ってもらいたいの。」
マルス「なにを。」
ろな「ありがとうって。最近言ったことあった?」



神社
おさいせんをいれるえる「ライちゃんと仲直りできますように・・・」
浮浪者の老人「こんな夜中に若い女が出歩くんじゃない。」
える「す・・・すいません・・・」
老人「まったくどうなっとるんだ日本の風紀は・・・ぶつぶつ」
える「へんなおじいちゃんに絡まれちゃったな。」
老人「馬鹿者!わしには山根勘兵衛という名前があるわ!
だいたいパジャマのようなかっこうで外出する非行娘に老人扱いされる筋合いはない!家に帰れ!親が心配するじゃろ。」
える「・・・ケンカしちゃったんだもん。」
勘兵衛「ケンカがなんじゃ。
わしが若い頃には戦争で鬼畜米英と命の取り合いをしとったんじゃ。可愛いもんじゃろ。」
える「おじいちゃん、戦争に行ってたんですか?」
無視する勘兵衛「・・・。」
える「山根さん、戦争に行ってたの?」
勘兵衛「これでもガダルカナルの軍神と呼ばれておったわ。」
える「わたしも行きましたよ。戦争。」
勘兵衛「こんな小娘にからかわれるようになるとは・・・死んでいった戦友に申し訳が立たん・・・こんな社会にわしの居場所はない。潔く自決じゃ・・・」
える「社会に居場所がないのも一緒だ。」
勘兵衛「お前にわしの苦労が分かるものか!家に帰れ!」
ブラウスのボタンを外すえる。
勘兵衛「こら!年頃の娘がはしたない!」
えるが胸をさらけ出すと、グロテスクな傷跡とそこに機械が埋め込まれている。
勘兵衛「・・・。すまなかった。」

神社の境内に並んで座る二人。
勘兵衛「あの悪魔のようなロボットを倒したのは、お前さんじゃったか。」
える「それでこっぴどく怒られちゃった。」
勘兵衛「気にするな。
誰かが戦わなければ国は守れない。
お前さんは正しいことをした。胸を張れ。」
目を潤ませるえる
勘兵衛「泣くことないじゃろ・・・」
える「うう・・・」
勘兵衛「老いぼれがひとつ教えてやろう。
これからは自分のことは自分で決めるようにしなさい。
一度きりの自分の人生だ。お前さんが正しいと思ったことをやれ。」
える「・・・」
勘兵衛「もし、お前さんがこれからもあれに乗って戦うというのなら・・・
ここに来い。力になってやろう。」
える「おじい・・・山根さんが?」
勘兵衛「武将には軍師がいるじゃろう?」

遠くからマルスの声がする。
マルス「える~!」
勘兵衛「まずは恋人と仲直りしろ。」



マルスに背負われて家に帰るえる。
える「ごめんなさい・・・」
マルス「オレも言い過ぎた。ただ心配なんだ。きみの体が。」
える「うん・・・」
マルス「・・・約束しただろう?えるの体は絶対に直してやる。
だから自分を大事にしてくれよ。オレのために。」
える「ありがとう・・・」
える(その優しさがつらいの。)



アパート
ふとんで寝ているえる。
病院の領収書を手に取るマルス「これを見つけたから働きたいと言い出したのか。」
領収書を見ると、えるを延命するための薬が高額であることが分かる。
マルス「確かにこのままじゃ家賃も払えなくなる・・・
時間がないのかもな。」



翌日
高校の屋上
愛野沙良に花を手向けるマルス
「ごめんな・・・守ってやれなかった。」
背後から声をかけるセクシーな美女「お優しいのね。」
マルス「・・・お前は?」
美女「わたくしグリッドライン社オーストラリア支社の重役をしております
バルタ・シカーダと言います。」
マルス「真相を知るオレをついに消しに来たか。」
バルタ「お~ほっほ、ご冗談を。わが社も被害者でしてね。
グリッドブレイドの電子頭脳をハッキングされ、あろうことか殺戮マシーンに悪用された。」
マルス「あんたの会社が嫌いな人間がきれいに殺されたのも偶然か?」
バルタ「おほほほ、あなたが生きているでしょう?
メトロン会長は、今回の事件を重く受け止めておりまして・・・
プロトタイプの開発者をアメリカに呼び戻し、原因究明をしたいお考えです。」
マルス「ソニックブレイドのことか。」
バルタ「あなた方があれを作る際に、意図的に人工知能プログラムにバックドアを仕組んだのではないかと、会長は懸念されております。」
マルス「あんた・・・」
バルタ「シカーダよ。」
マルス「頭がいいな。」
バルタ「女が全てあなたよりバカだと思ってたの?」
マルス「いいや。」
バルタ「では、ついてきてくださる?」



ロイヤルホテル
高級そうなバー。美しい東京の夜景が広がる。
マルス「何考えてやがる。色仕掛けなんか俺には通用しないぜ。」
頬杖をつくバルタ「ふふ・・・こんなお洒落なところ彼女と来たことないでしょう。」
マルス「えるは酒が飲めないんだ。」
バルタ「可愛い彼女さんよね。」
マルス「えるに手を出してみろ。殺してやる。」
バルタ「まあ、ひどい言い方。むしろあの子を助けに来たのに。」
マルス「オレはアメリカにはいかない。」
バルタ「あの子の手術にかかる費用を負担すると言っても?」
マルス「なんだと・・・?」
バルタ「頭のいいあなたならわかるでしょ?
今の仕事を続けながら彼女の介護をして・・・将来はあるの?」
マルス「介護って言うな。・・・オレたちは支え合って暮らしてるんだ。」
バルタ「失礼。あなたには才能がある。
そして、我が社は才能のあるものに対価を惜しまないわ。」
マルス「オレはもうソニックブレイドなんか作らないぞ。
どうせお前らみたいなのに悪用される。」
胸の谷間から小切手を取り出すバルタ「とんだ陰謀論ね・・・
ではこうしましょう。人間に絶対に危害を与えない人工知能を作ってちょうだい。
それで報酬は1億ドル。どうかしら。」
マルス「・・・・・・。」
立ち上がるバルタ「・・・優柔不断な男ね。さようなら。」
バルタの腕をつかむマルス「・・・待て。」
意地悪に微笑むバルタ「ふふ・・・なあに?」
マルス「・・・確証が欲しい・・・えるを助けられるという確証が・・・」
バルタ「いいわよ。そのまえに乾杯しましょう。」
マルス「・・・・・・。」



アパート
える「ライちゃん遅いな・・・ごはん冷めちゃうよ。」
マルスに電話をかける。



ホテルのスイートルーム
マルスのケータイが鳴る。
睡眠薬で眠らされたマルスが起きると、ベッドにあおむけになっている。
ぎょっとすると、すぐそばに全裸のバルタが立っている。
マルスのケータイを手に取るバルタ。
バルタ「録音してたのね。賢い子。このやり取りを聞かせれば、あのおバカな彼女も浮気を疑わないものね・・・」
マルス「・・・・・・。」
ケータイをハイヒールでつぶしてしまうバルタ
「あなた・・・色仕掛けなんか通用しないって言ったわよね?」
マルス「うう・・・」
バルタ「私の色仕掛けが通用しないオスはこの宇宙にはいないの。」
そう言うと、マルスにキスをするバルタ。



グリッドライン社
会長室
モートン「シカーダが動きました。」
自分が表紙のTIME誌を読んでいるメトロン「ほう。」
モートン「しかし深未えるはサイボーグです。やはり暗殺ならわたしが行くべきでした。」
メトロン「暴力だけが戦いじゃないさ。
きみはシカーダくんの種族を知っているかい?」
モートン「バルタン星人。」
メトロン「多くの惑星があの異星人に乗っ取られたが、それは軍事力によってではない。」
モートン「御教示ください。」
メトロン「繁殖力だよ。」



スイートルーム
体を密着させるバルタ「正直になりなさい。えるちゃんは異性として見れないんでしょう?
あどけないし、全身は機械・・・こんな風にセックスだってできないじゃない。」
涙を流すマルス「・・・卑怯だぞ、お前・・・」
バルタ「うふ、確証をあげるわ。わが社に、えるちゃんを改造した科学者がいる。
あの子ならえるちゃんの体を元に戻せるわよ。」
マルス「・・・!」
バルタ「わたくしはスケベで卑怯だけど正直者よ。」
すると、ビデオカメラのスイッチを切る。
ビデオのメモリーを手に取るバルタ「まあ、あなたたちが破局しなければの話だけど。」
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