「面白い度☆☆☆ 好き度☆☆☆☆☆」
日本のアニメよりもアメリカのカートゥーンをこよなく愛する?私としては、輪郭線が力強く、どこか狂っているんだけど勢いで見せてしまう、この手の画風のアニメは大好きです。
そもそもディズニーアニメだって今でこそCGへ傾倒してはいますが、かつての手描きアニメの初期作品(『不思議の国のアリス』など)ではカートゥーン調ですからね。こういう絵って描きたいんだけど、描けない・・・!
あのパースがあえて狂ってる感じは難しいです。描けるdescf氏はすごい。
で、この『アイスエイジ』は氷河期を舞台にしたカートゥーン映画。これまでに3作制作されています。
1作目では、へそ曲がりだけど根は優しいマンモス「マニ―」の心理描写をメインに、親とはぐれた人間の子どもを家族に届けに行く内容で、ピクサーよりもずっとコメディタッチではあるものの、『モンスターズ・インク』のように、しっかり泣かせてくれる映画でした。
このシリーズではマニ―の他に、お調子者のトリックスター、ノスロテリウムの「シド」、そして渋くてクールに決めているけど意外に情が熱い、サーベルタイガーの「ディエゴ」の2人?がレギュラーキャラとなっています。
特に1作目でのディエゴは、当初は仲間を毛皮にした人間への復讐に燃え、赤ちゃんの村を群で襲撃するのですが、マニ―らと赤ちゃんの世話をするうちに情が芽生えてくるなど、深みのあるキャラクターでした。
2作目『アイスエイジ2 メルトダウン』では、氷河期が終わり地球が温暖化する話。
1作目のラストでシドが言った通りの展開になったわけですが、優れたロードムービーの前作と比べて、全体的な物語の構造としてはかなりちぐはぐ。
前作でどのキャラクターも人生の課題を少なからず乗り越えてしまった(シドだけは乗り越えてないやw)ので、キャラクターを成長させる余地がもう残っていなかったからかもしれませんが、二作目での新しい課題(マニ―:他のマンモスの仲間が欲しい。シド:みんなに尊敬されたい。ディエゴ:水が苦手)がちょっととってつけたような感じで、温暖化による大洪水からの逃避行と言う大筋がボケてしまったのは惜しい。
強いて言うなら大洪水のディザスタームービーと一番絡むのは、ディエゴの「水に対する恐怖の克服」でしょうけど、そもそもディエゴって一作目の川のシーンでは大して水を怖がっている様子はなかったし・・・(汗
とはいえ、高田純次さん演じる怪しげな気象学者や、オリバー・ツイストのパロディシーン(『food glorious food』)はツボにハマりDVDどころかサウンドトラックも買いました。ちなみにアイスエイジ2のメインテーマ(『THE WATERPARK』)はやたらテレビ番組で使われているので、聞いたことのある人も多いかと思います。
そして3作目。今回は2作目よりもずっとおもしろい!なぜならば、もうキャラクターの成長とか深い演出はやめて(2作目でもう無理だと知ったから)徹底的にアクションアニメ映画にシフトチェンジしたからです。この潔さや良し!
この映画、もう設定からしてめちゃくちゃでw、氷河期の地球の地下には恐竜がまだ住んでいる地下世界があって(ネコ型ロボットと少年たちの仕業か!?)、ひょんなことからその地下の恐竜の卵をシドが地上に持ってきてしまうところから物語は始まります。
シドは「マニーは立派に家庭を築きとうとう父親になるのに、一方のオレ(2作目以降はシドの一人称はなぜかオイラになった)は・・・」とさみしさを感じていて、マニー一家のマネをして地下から持ってきた卵を育てるわけです。「オイラも立派な親になる」と。この心情はけっこう可愛い。
そして卵から無事孵ったのはパワフルな肉食恐竜!2作目の「キャンプ・デル・シド」でシドを散々いじめた小憎たらしい絶滅哺乳類の悪ガキどもが、ティラノキッズに振り回される快感ったらないw。これはぜひ2作目から見てください。
でもやはり「シド現る所乱あり」。地下世界から我が子を探しにティラノサウルスの母親が登場。なんと(シドごと)子どもを地下世界に連れて行ってしまいます。
ティラノサウルスの後を追いシド救出に向かう一行。そこで出会うのが独眼のイタチの冒険家「バック」。この新キャラクターがもうこの映画の全てと言ってもいいくらい大活躍。
「オレはここ(地下世界)に残る!お前らは振り返らずに行け!」的なラストはお決まりだけど、やっぱりかっこいいw(畜生)。
地下世界の冒険では『ジュラシックパーク』ネタのオンパレード。おそらく1作目から氷づけの恐竜を出していたりした(2作目では中生代の海生爬虫類?が登場)ので、アイスエイジシリーズにおいて生きた恐竜は満を持しての登場だったのでしょうか。
プテラノドン・ロンギケプスの『スターウォーズ ファントムメナス』ばりの空中戦や、バックの宿敵の巨大肉食竜「ルーディ」VSティラノママなど見どころ満載。
ただドングリを執拗に追うマイペースなリス「スクラット」はもうネタ切れかな・・・?彼は2作目でモーゼばりに世界を救っちゃたので・・・
今回は好物のドングリと恋の間で揺れるのですが・・・スクラットのシーンのカットインで、メインのシナリオの勢いが分断されちゃうこともあるから、一長一短かも。
面白いんだけどね。
おまけ
「アイスエイジ 面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆☆」
「アイスエイジ2 面白い度☆☆ 好き度☆☆☆☆☆」
アイスエイジ3 ティラノのおとしもの
2010-05-13 22:01:11 (14 years ago)
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