エコは地球をダメにしないがよくもしない

 いや~久々に面白いテレビ番組を見ました。

 「たけしのニッポンのミカタ」っていうテレビ東京の番組なんですけど「あなたのエコが地球を壊す!?」というテーマで昨今のエコブームを議論。
 見どころは何と言ってもエコブームに懐疑的なたけしさんと、エコについての本をエコブームがここまで加熱する前から執筆されている(私も中学時代いくつか読みました)たけしさんの兄、北野大さんの兄弟対決!

 面白いのは、エコ懐疑派のたけしさんに「エコ否定派」として有名な武田邦彦中部大学教授がタッグ?を組み、逆にエコ肯定派の大さんには「24時間テレビ」などの都合で愛は地球を救わないとは口が裂けても言えないTOKIOの国分太一さん、沖縄のサンゴの海を復活させるため人工的に養殖したサンゴを植え付ける活動をしている田中律子さんがサポーターに回っているという点。

 しかしこうやって番組を見ているとやはりこの兄弟はすごいと思う。私は武田教授には「ちょっとアンチエコに偏り過ぎているな」と思うし、田中さんと国分さんには「気持ちは分かるけど、なにもそこまでエコ懐疑論に脊髄反射的に反論しなくても・・・」と思ってしまうけど、エコブームに絶妙なバランス感覚で毒舌と突っ込みを入れていくたけしさんと、「エコ活動には適切なエコと不適切なエコがあるので、それを理由にエコは全て駄目だと言う武田氏は言いすぎなのでは?」と言う大さんはどちらも大変冷静だと思う。

 なんというか武田氏にしろ田中さんにしろその根拠が理屈でも感情でも、それが特定の立場に偏ったイデオロギーやアジェンダになっちゃうと、やっぱりそれは科学の話じゃなくて1段階レベルが落ちた政治的な話になっちゃうと思う。
 科学は客観的なデータだけを提供すべきで、そのデータを受けてどう対策を練るかは科学の話ではない。
 たとえば理屈だけで言うなら、国分さんや田中さんが言う「自然を愛せよ」は、反論の余地のない素晴らしい意見だと思う。
 でもそれが全体主義になった時、かつての社会主義(これだって人類の貧富の格差をなくすという素晴らしい主張)のように反対意見の粛清と言う恐ろしい結果を社会にもたらすことになる。
 たけしさんが番組のラストに言ったことはつまりはそういうことだと思う。その思想が正しいか間違っているかは問題じゃなくて、特定の思想だけを植え付けることこそがおっかないんだと。

 だから結論から言って私は「エコの話は科学の話ではない」と思う。その点で武田さんは半分科学の話をされているからちょっと矛盾がある。
 科学の話をするならば、武田氏の言うような「エコビジネスやエコ教育をやめろ!」という結論すら演繹できないはず。
 ただ武田氏の「人間が環境保全しようが環境破壊しようが地球には大した影響がない」という話は同感です。
 「人間の愚行が地球を滅ぼす」という主張は、自分が世界を思い通りに動かせると勘違いしている中学生と同レベルの話で、大人だったら「世の中自分の都合だけでは動かないよ」と言う風に考えるのが普通のはず。 
 しかしそうならば「エコなんてやってもやらなくてもどうでもいい。どうせそのうち人類も滅ぶし、環境だって人類がいようがいまいがアグレッシブに変わっていく」っていう強烈なニヒリズムになるわけで、そこにエコの肯定も否定もないはず。
 つまり武田氏がエコブームの批判をする際に、この地球の大きな歴史の話は武器にはならないのです。
 まあ、そこが武田氏のちょっと卑怯で、かつテレビ的に面白いところなのでしょうけど・・・
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