エントロピーについて

 エントロピーについて誤解をしてました。詳しく言えばエントロピーにおける「秩序」と「無秩序」の言葉の使い方を間違っていました。浅田彰さんすいませんでした!でもあの本も書き方が悪い(反省してねえ!)。

 「エントロピーの増大」とは、熱い熱湯がほうっておけば、自然に冷めて水になるような現象です。
 例えば熱湯と冷たい水を同じカップに混ぜて入れればぬるま湯になりますが、ぬるま湯から自然に熱湯と水に分かれることはありません。これを「時間の矢」といい、一方向のみの方向性が生まれたことになります。
 これは熱湯のエントロピーが増えて、ぬるま湯と言う「熱的平衡状態」になったということです。ここまでは理解できたのですが。

 私は

 熱湯・・・熱がある=分子が激しく動いている=無秩序
 ぬるま湯・・・熱的平衡状態=安定した系=秩序

 と解釈してしまったんです。

 でも実際には全く逆で、熱力学では熱湯がぬるま湯に向かう事を「無秩序化」というそうです。う~ん・・・私のイメージでは違和感が・・・
 となれば現象はどんどん無秩序に向かって進んでいくはずですが、その中でも安定したシステムが存在します。それが生物です。
 たとえば生物はエネルギーを使って浸透圧と真逆なことをする「能動輸送(ナトリウムポンプ)」を行ないます。
 これは自然現象の時間の矢とは全く逆の現象で、浅田氏はこれを「ネゲントロピー」というのです(元ネタはシュレーディンガー)。生物を「エントロピーの海に浮かぶネゲントロピーの小島」とか言って例えています。
 
 でもエントロピーが低い状態(秩序状態)を恒常的に保つシステムって言うのも生物以外に結構あります(生態系、天体、太陽、宇宙)し、低エントロピーを作りだすことも出来るっちゃ出来ます(湯沸かし器で熱湯を作るとか)。
 
 確かにこの世に存在する物質丸ごと=宇宙レベル(これを全系と言います)でみれば、「秩序→無秩序」という大きな時間の流れは存在し、それに抗う事は誰にもできません。
 部分系で見れば、ネゲントロピーだ!って存在も、結局はエントロピーに巻き込まれているのだから、浅田さんの「ネゲントロピーの小島」の例えはうまいかもしれない。
 湯沸かし器を作る人も、それでお湯を沸かす人もいずれは死んでしまいますから。

 問題は「なぜ世界が過去から未来へ一方向に進むのか?」と言う事ですよね。これを私は「どっちか一個だけ問題」と考えてます。
 アミノ酸の構造は光学異性体で二種類あるのに、生物が使っているのはほとんど片方だけとか。
 物質と反物質が出会うと対消滅して真空になっちゃうのに、なぜかこの世界は反物質より、物質の数のが多くて物質の世界になっているとか。
 なんで重力って上から下に落ちるだけで、下から上に落ちないのか?とか。
 ・・・例をあげればきりがないんですけど。これがつまりは益川さんらが研究した私たちの世界、「対称性が破れている世界」なんですよね。
 でも対象性がないからって「いびつ」ってわけじゃなくて、意外と一つの方向性で秩序だっているとも思うんですけど。

 「世界は無秩序に向かう!」なんとも終末思想っぽくて響きがいいですが、『ジュラシックパーク』で出てきた「カオスの秩序(無秩序化するシステムにも秩序構造が存在する)」とか、「カオスの縁(カオスになるぎりぎりで適応度がMAX)」とか読んじゃうと、「カオスの系すら秩序的で美しいじゃないか」って思っちゃって。
 今回の誤解はどうやら、そこからの様です。ご迷惑をおかけしました。
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