一億総ニヒリスト時代

 「ゆうメンタルクリニック」っていう心療内科のサイトに「うつが簡単に解る漫画」みたいなのが掲載されているんだけど、これがよくある「漫画で分かる○○」のレベルを遥かに、そして無駄に超えたクオリティ。

 精神医学の説明のためだけに描かれた漫画とはなんか到底思えず、この病院の偏った趣味性が丸ごと表出しているのが笑える。
 ギャグ漫画単体としては完成度がかなり高いんだけど、画風はエロ漫画で腕をなした人の絵っぽくてなんかセクシャルだし(エロ漫画家の画力は基本的にかなり高いとされる)、ネタもセクハラをはじめとする下ネタばかり・・・全体的にはポストうすた京介ギャグ漫画に角川や電撃的エッセンスを加えたって感じなので、30代~20代のある特定の層しか受けないと思うし、基本的に女性には笑えないかも。
 私も全部は読んでないのですが、特に第十三回「実は男は、女になりたい?」はお勧めです。看護婦さんのバイアスのかかった痴漢のアナロジーはツボにハマってしまった・・・
 
 この漫画で「鬱はものごとを常に冷静かつ客観的にとらえるような賢い人がなる(ことの多い)病気」と説明されているのですが、例えば鬱の人は、宝くじを買う時、自分で選んだ方が当たる、もしくはお店の人が選んだ方が当たる、といった科学的根拠のないジンクスのようなものにそもそも懐疑的で、「どっちも変わらないよ」とニヒルに思ってしまうそうな。

 このように物事に対して過剰に期待しないように生きている人が多いから、鬱も社会問題化しているのでしょうが、その原因を自分なりに考えてみると、ネットをはじめとする情報通信技術の進歩によって、世の中の流れが人間の心と体のペースをはるかに凌ぐほどにスピードアップし、ついていけなくなったのではないかと思っています(これはかつての記事でも論じたことですが)。

 例えばどんなに社会現象化したブーム(品格本、ラララライ体操、♪チャラチャッチャッチャラッチャ~)も数年たてばもう廃れてしまっているこの現状は、私たちにどんなに金を稼いでも、どんなに人気者になってもそれはほんの一時だけのことと考えさせ、一億総ニヒリストにしてしまう。
 だから昨日descf氏とも話したのですが、ギラついたゲスな夢を持つ野心家が若者を中心として少なくなった。それでみんな安定感のある公務員になりたがっているというわけ。

 岡田斗司夫さんは貨幣経済から評価経済の時代だ、とか言っているけど、貨幣にしろ評価にしろ今の御時世は浮き沈みが激しく、むしろ評価の方が貯蓄できない分、流動的なような気がする。
 だいたい国で最も偉い総理大臣すら尊敬されない時代だもんな。尊敬を前提に批判とかじゃないもんね。まあこれはマスコミのせいでもあるけど。
 また金持ちの象徴である会社の社長は、役員や株主の顔色をうかがい、下手なことやったら全責任を取らされて他の奴にとりかえられてしまう恐怖があるし、中間管理職がいいかと言えば上と下の板挟みで嫌になるし、下っ端は下っ端で上司に一方的に怒られて安い給料でめちゃめちゃ働かされる・・・どれもみんなキツイ。
 この会社で上り詰めてやろう!天下取ってやるって思わないのも分かる。それなら会社ではちょっと我慢して、給料で好きな趣味を楽しもうってなるもん。

 だから仕事を一生懸命やろうとするような生真面目な人が鬱になるんだろうね。今の時代仕事を頑張っても、もう国家として経済的な発展はないだろうし、社会もこれ以上はよくならない。それを前提としてそこそこ生きた方がいいよね。
 とはいえスローライフなんてやったら、それは昔の出家と同じで、ちょっと時代に取り残された感じでさみしいよね。

 結論:ゆうメンタルクリニックのサイトのように(?)仕事よりも趣味(漫画)に生きろ!
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