封建制度について

 論文やりながら、『水戸黄門』の再放送を見て、封建制度ってちょっと面白いな、と思いました。いや、あれは正確には幕藩体制ですけど。
 よく偉い人は水戸黄門の顔を知ってて、黄門「○○殿。久しぶりじゃの」、藩主「あ、あなた様はもしや・・・」という展開があります。今回がそうだったんですけど、下っ端の奉行や領民は、藩主の顔は知ってて「はは~」って頭下げるんですけど、黄門様はもう偉すぎて知らないんですよね。彼らにとって雲の上の存在である藩主様より偉いわけですから。

 イギリスでは、国王は領主に土地をやる代わりに主従関係を結ばせ、その領主は騎士に、騎士は領民を…と階層的に国家を統治していたんですけど、これは一応国王様が国を治めているには違いないですけど、領地を手っ取り早く拡大できるぶん、システムとしてはもろいですよね。
 なんというか栄養さえあれば、バシバシ猛スピードで増える無性生殖のアメーバみたいなもので、領地を増やすのは速いけど、なにか問題が起こったとき結束力がない。
 新紀元社の本に書いてあったんですけど、興味深いのは、騎士は領主や諸侯には仕えていますが、それより上の国王には直接仕えていないと言う事です。
 だからなんというか裏切りやすいんですよね。諸侯が、部下たちを引き連れて独立しちゃうとか。そういった動きを国王一人ではなかなか察知しにくい。

 イギリス(ここではイングランドとしてください)はエドワード三世の時、スコットランドと闘ったり、フランスと百年戦争をやったわけですけど、国王が独断で「みんな!戦争やろうぜ!」とできたわけではなく、結構周囲の諸侯といちいち交渉しながら、協力を取り付けるという…そんな現実があったようです。
 戦争にかかるお金の工面にしても、貿易国家のイタリアの商会を、イギリスご当地産業「羊毛」を武器に、上手くだまくらかして調達したらしいですし。もはや国王ぐるみの詐欺です。

 そう考えると、政治っていつの世も本当に大変ですよね。国のトップの総理大臣になったとしても、自分の好き勝手に国を支配できるわけではなく、いろいろ根回ししなきゃいけないし。
 総理大臣だってただの人ですから、利己的な欲望もあるだろうし、国の為“だけ”に人生かけれないよなあ。
 国民としては頑張ってほしいけど。でも鳩山さんをアンドロイドにする訳にもいかないですよね。

 さて『水戸黄門』に戻りますが、結局江戸時代って260年くらい(でしたっけ?数字に疎い)続いたわけだし、幕藩体制ってなかなかうまく機能していたと思うんです。
 『水戸黄門』を見ていると「本当に江戸時代って地方分権なんだな~」と言う事がよく分かります。参勤交代があるとはいえ、藩の自治を藩主に独立させてかなり任せていますよね。少なくともあのドラマでは。
 『水戸黄門』を見ると、日本も中央集権をやめたほうがいいのかな?とも思うんですよね。あ、でも州の独立性がかなり強いアメリカって、そんなシステムいいとも思わないなあ。国民性の違いなのかな?
 なら日本人に合ったシステムを考えた方がいいですね。どの国にも合うような普遍的な国家システムがあると勘違いしているのが、日本やイラクに、自国で作った憲法を強要するアメリカって気もしますし。
 でも行く先々、どの藩も問題抱えていて、もっと綱吉さん頑張れよって思っちゃいますけどね。「古畑現る所、死あり」の法則ですね。
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