登場人物の階差数列

 よく漫画の編集者が「ファンタジーやSFで面白い物語を組み立てるのは素人には難しいのでお勧めできない」と言うのですが私も同感です。
 特に新人賞の短編で「宇宙世紀20××年地球連邦艦隊が・・・」とか始めちゃう人は無謀極まりない。そんなサーガ45ページに入るわけない!

 で、ファンタジーやSFがなんで難しいのかというと、これ前にも言った気もするけど、独自の世界観を一から構築し、それ(設定)を読者に理解させる手間が大変だからです。
 読者は基本的にキャラクターが織りなす人間ドラマに感情移入し、設定にはそこまで入れ込みません。設定オタクとかはSFファンを中心にいるかもしれないけど・・・
 だからあまりに小難しい設定(専門用語)を並びたてられると「こんな作者の独りよがり読んでられねえよ」って感じでついていけなくなり読むのをやめてしまいます。学校の教科書読んでいるんじゃないんだからね・・・

 よってファンタジーやSFを巧く作るには魅力的でありながらシンプルな設定を考えなければいけないのですが、それとドラマ性を両立させるのは新人にはなかなか難しい。
 なにしろ宮崎吾朗さんですら失敗してル・グインのファンを怒らせたらしいので・・・

 で、何が言いたいのかと言うと、設定にしろ登場人物にしろあまりに物語の要素が多いとその関係性はより複雑になり読者はついていけなくなるので、時にドラスティックな引き算をする必要があります。「え~うっそだ~」とか言っている人の為にちょっと数学的に考えてみます。

 多角形の対角線の法則ってあるじゃないですか。例えば三角形は対角線0だけど、四角形は2本引けて、五角形は5本、六角形は9本って・・・
 これって数列的に考えると階差数列で、n角形の図形の場合対角線はn(n-3)/2本と式にできます。

 で、この応用で物語の要素の数をn個として要素同士の相互作用の数を求めてみます。例えば要素の数(=多角形の角の数)を登場人物の人数に置き換えるならば、多角形と対角線は人物相関図を示すことになります。
 AとBは仲良しだけどAとCは敵対関係で、でもBとCは恋人同士とか・・・(少女漫画みてえな設定だな)

 そうすると登場人物が1人しか出ないならばもちろん人間関係のコネクションは0。2人だと関係性は1つ(それぞれが相手にどういう感情を持っているかとかを考えるなら×2してください。ここでは考えませんが)。
 3人だと関係性は3つ、4人だと6つ・・・と登場人物の数を増やしていくと・・・

 登場人物同士のコネクションの数=多角形の対角線の数+多角形の辺の数

ということになります。

 つまりn(n-3)/2にnを足せばいいので・・・n2/2-3n/2+nになってこれを通分して計算して再び因数分解すると

 要素の数がn個ある場合のコネクション数=n(n-1)/2

 になります。

 この式を使えば登場人物をむやみに増やすとどんな恐ろしいことが起こるかが数字で分かります。
 みなさんもキャラや設定を増やす場合ご注意を!全てのキャラがみんな知り合いになるわけではないけどね。しかし設定は怖いぞ。

登場人物・・・コネクションの数
1人・・・0(関係性は出来ない)
2人・・・1つの関係性が出来る
3人・・・最大3つの関係性が出来る
4人・・・最大6つの関係性が出来る
5人・・・最大10の関係性が出来る
6人・・・最大15の関係性が出来る
7人・・・最大21の関係性が出来る
8人・・・最大28の関係性が出来る
9人・・・最大36の関係性が出来る
10人・・・最大45の関係性が出来る
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