ピクサー映画の脚本について

 最近ピクサー映画のDVDってブルーレイとセットで3000円くらいで売られているんだけど『トイストーリー3』ってDVDとブルーレイで特典映像の内容が若干違って、DVDではピクサー映画における編集の重要性について解説されているんだけど、なんとブルーレイの方では脚本の作り方についての特典映像がある!(ブルーレイ版も持ってるけどブルーレイプレーヤーがないからツイッターで昨日初めて知ったw)
 しかしひどいよな、パッケージの裏ではDVDとブルーレイの特典映像のおしながきが一緒なんだからさw『カーズ2』なんてDVD版には音声解説がないからね…!ブルーレイで見ないと聞けないんだよ。やだ~

 で、ピクサーって主人公に必ず物語を貫く大きな目標になるような大切なものをあらかじめ与えるんだって。『トイストーリー』のウッディならアンディだし、『ファインディングニモ』のマーリンなら子供のニモというように。

 で、さらにこれらのキャラクターに弱点をつけてやる。まあ漫画の作り方でもキャラクターに弱点があった方が親しみやすいって言うのがあるんだけど、これはドラえもんの弱点がネズミって言うのとはちょっと違う。
 ただ弱点があるんじゃなくて、ピクサーの秀逸なところは弱点の意味付け。つまり、その大切なものに固執し過ぎてそれが弱点になるという。こうすることで物語の展開と上手く絡むからプロットがブレないんだ。

 トイストーリーのウッディならアンディのお気に入りの地位に固執し過ぎるあまり新しいおもちゃのバズをねたんで、バズを窓から落としてしまう。で皆におもちゃ殺しの嫌疑をかけられ今までの地位から転落してしまうというw

 つまり①大切なものがあって、②その大切なものが奪われちゃって、③主人公が屈辱を受け世の中は不公平だっていうのを痛感して、④岐路に立った主人公が分別のない選択肢を選んじゃって、物語の核心に進んでいくという・・・

 ここまでつまびらかにネタばらししちゃっていいんかいって気もするけど、これをふまえてみるとピクサー映画って見事にワンパターン(笑)

①大切なものだったら…
フリック(『バグズライフ』):アリの王国(に発明で貢献したい)
ライトニング・マックイーン(『カーズ』):ダイナコ400での勝利
レミー(『レミーのおいしいレストラン』):自分の料理の才能(を生かしたい)
ウォーリー(『WALL・E』):誰かと手をつなぐこと
イブ(『WALL・E』):宇宙船に地球の植物を届けるという任務
カール・フレドリクセン(『カールじいさんの空飛ぶ家』):家(妻エリーの象徴)

②それが奪われる
フリック:みんなに変わり者扱い。何もするなといわれる
ライトニング:道に迷ってラジエータースプリングス行き
レミー:ネズミだからもともとコックになれない
ウォーリー:イブが宇宙へ行っちゃう
カール:家が立ち退き寸前

③屈辱
フリック:自然界はもともと不公平だから描かなくていい(らしいw)
ライトニング:道路工事をさせられる
レミー:毒見役をさせられる
ウォーリー:彼の性格上おそらくないw
カール:ちびっ子(ラッセル)の相手

④岐路に立った主人公の分別のない選択
フリック:都会へ行って助けを呼ぶ
ライトニング:あせって道をガタガタにする
レミー:グストーのレストランに潜入
ウォーリー:イブを追って宇宙へ
カール:建設会社の人を暴行し、結果家で空を飛ぶ

 で、この大切なものに固執し過ぎることで発生していた弱点を克服し成長していくんだけど、これは映画によって若干違っていて『WALL・E』では実は主人公のウォーリーは最後までイブに一途で、イブの方があれほど大切に思っていた任務よりも自分を大切に持ってくれているウォーリーを選択しようとする(まあウォーリーに止められるけど)。
 でもウォーリーの方はイブを思うあまり宇宙船内で騒動を起こしトリックスター役を引き受けているわけで作劇上の役割を分担しているのが分かる。

 ただ私はある種自業自得的展開のピクサーと違って、主人公が事態に否応なしに巻き込まれちゃうパターンが好きなんだよな・・・ってあれ、そう考えると私の漫画ってほとんどがそのパターンだ!面白い!
 で事件に巻き込まれながら大切なものを“見つけていく”展開が多い。ミグも間流守も本村も最初はなにも持ってないんだよ。
 つまりピクサーで言うところの「世の中の不条理をキャラに痛感させる」って段階から物語を始めているってことか。
 
 で、これはどういうことなんだろうと思ってたんだけど、やっと意味が分かった。私の作劇方法はなんだかんだいって少年漫画なんだよ。
 逆に言うとピクサー映画って少年漫画じゃない。キャラの年齢層がもっと上なんだ。なぜかっていうとピクサー映画って冒頭からすでに大切なものがあるから。それを見つけるんじゃなくて“守る(≒再確認する)ため”の戦いなんだ。
 だからピクサーキャラってデザインが可愛いのに声の出演がみんなおじいちゃんなんだなって今気づいたよww

 面白いのは『モンスターズインク』。この映画のサリーってピクサーの作劇パターンにあまり当てはまらない。サリーはもともと自分から騒動を起こすような奴じゃないし、ウッディやマックイーンのように現在の社会的地位に固執するようなタイプでもない。
 ブーと出会ってからサリーは変わっていくから、実は『モンスターズインク』は大切なもの(ブー)を見つけていく話なのかもしれないね。
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