アベンジャーズ

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆ 楽しい 計測不能」
 
 キミが本気で戦うのは自分のためだけだ。キミのようなやつがヒーローのふりをするのはやめたほうがいい。

 夏休み映画の真打ち登場!史上最強のヒーロー映画!アメリカよ、これが映画ですよね!(←洗脳された)

 とにかくそれぞれのヒーローが映画の主役級・・・じゃなくて本当に別のヒーロー映画の主役をはっているから、もうみんな自己主張が強すぎて、4番バッター級の名選手ばかり揃えた往年の巨人軍を見ているようw
 かといってみんなてんでバラバラかといえばそうでもないし、反省して心を一つに団結して戦ったのかというとちょっとそうでもない。なんだろうお互いつかず離れずの絶妙な共闘具合がなんとも面白い!

 かつて漫画の編集者とハリウッド映画について喋っていた時に「キミは映画みたいなエンターテイメントを漫画でやりたいって言うけど、漫画と映画ってちょっとちがくて、漫画はあくまでもキャラの魅力で見せるんだけど、映画はまずもってストーリーで見せるんだよ。だからドラえもん!って言ったらぼくらはあの青いロボットを真っ先に彷彿とするけど、例えばジュラシックパークとかだとキャラよりも映像やアイディア、ストーリーが先に出ると思うんだ。その違いだよ」ってアドバイスを受けたことがあります。

 確かに『ジュラシック・パーク』でも『インデペンデンス・デイ』でも主人公のキャラの名前や性格よりも、恐竜や宇宙人が人類を襲う印象の方が強い。
 だからハリウッド映画って漫画みたいな個性のある「キャラ」を立たせるのって結構苦手なのかな?と思っていたんです。もちろん例外はたくさんあります。インディ・ジョーンズ博士やマクレーン警部など。でもほとんどの場合ハリウッド俳優の方が先に出てきませんか?シュワとかwここらへんは昔にブログでまとめたので割愛。

 さらにジュラシックパーク以降大作映画には欠かせない技術となったCG。この技術も当初はリアルで及ばない部分を補完するための技術として用いられていたものだけれど、最近ではCGにリアル(実写)を合わせるといった立場の逆転が当たり前になってきている印象。
 だから実写映画も漫画のようになんでもアリの世界になっちゃって、それはちょっとリアルとかけ離れすぎだろうと大味感を憂いてたんですよ。
 なんでもアリになりすぎるともうドキドキもハラハラもなくなっちゃって、ご都合主義が無痛化するんですよねw
 いやちびっこはそれでも本気でドキドキするんでしょうが、大の大人はそんなんやられちゃうとメタ的に突っ込み入れて見ることくらいしかできなくなってしまう。ちびっこよりは世の中を知っちゃってるから違和感の方が大きくなるのかもしれない。

 この『アベンジャーズ』も、そう言う意味でハリウッドの娯楽大作映画にありがちな大味な内容。CGバシバシ使って、キャラも世界観もちぐはぐ。激しいアクションシーンだけでつないでいく映画は私は疲れて飽きてきちゃうのは『ダイ・ハード4.0』でも『アバター』でも述べた通り。

 だが!

 この映画はすげえ!!最後まで見れちゃう!大味アクション映画なのになぜ!?
 そこで話がもどるんだけど、その秘密はやっぱりキャラ!この映画すっごいキャラが濃い!そんじょそこらのコメディ映画よりもギャグが豊富でもうキャラがバカ…って言っちゃあれだけど、うん、愛すべきバカばっかなんだw
 
 神はただ一人だ。あんな衣装着た神はいない。――キャプテン・アメリカ(ソーが地球を守る神々だと聞いて)

 年寄りでも容赦しないぞ。――スターク社長(キャプテン・アメリカに向かって)

 怒りを沈める秘密、ぼくは常に怒っているんだよ。――バナー博士

 支配者なんて毎日変わる。慣れっこよ。ロシア人だったから。――ナターシャ・ロマノフ


 ナルシストで皮肉ばっか言う成金ヒーロー、アイアンマン。内向的だけれど一度怒らせたら誰も止められない(味方も止められないw)インクレディブルハルク。放蕩無頼は前作で反省したけど、決して反省しない弟を持つ神様ソー。宇宙人に対してもなぜか関節技で戦うロシア人スパイ、ブラックウィドー。イラクの地雷処理どころかとんでもない弓の名手だった、ホークアイ。そしてこのめちゃくちゃな集団をなんとかまとめようとするんだけれど、やっぱりどうにもならなくて結局ケンカに加わっちゃう生真面目な愛国主義者キャプテン・アメリカ。

 日本の漫画は権利の関係でこういうのなかなかできないらしいんだけど、強いて言うなら、このなんでもアリの一緒くた感はウルトラマンとガンダムと仮面ライダーが共闘した、バンプレストのゲーム『ザ・グレイトバトル』や、様々な漫画家にキャラクターを描かせて一つのオムニバスゲームに『ライブアライブ』に近い。
 なんにせよSFやファンタジー、ゴシックホラー、スパイ物など異なるジャンルの映画を同時で楽しめる感じで大満足。

 私は事前にあまり予習せず『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』しか観てないで観に行きましたが(無謀だろw)、それでも全然楽しめるので「え~どれも見てないから分かんない~今から全部鑑賞しても夏休み終わっちゃうからスルー」って人は、ぜひ映画館で!!
 とりあえず私は『マイティ・ソー』と『アイアンマン』を見るぜ!

 最後にエンドロールの後に出る最後のシーンに一言。

 ・・・喋れよ!(c)三村マサカズ

(今回はアメコミに造詣が深いパキPさんと一緒に鑑賞しました。アメコミの歴史や現状、本編で描かれなかったキャラクターの設定や関係など、裏話盛りだくさんでとっても楽しかったです。この場を借りて感謝です!)
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