政治学覚え書き④(政治と国家の定義)

 な~んか過去問やったら、大学のテキストと若干のズレがあって6割くらいしか分からない・・・じゃあ試験勉強に特化した参考書を買ってみようってことで、読んでいるんですが、やっぱ、こういう問答無用で丸暗記しましょうみたいなの超苦手!!
 こういう勉強できる人って、疑問に思わないのかなあ。思ってても割り切れるんだろうけれど。だいたい、この参考書、レイアウトが悪いよ。1ページにすごい詰め込んでるし。
 なんというか、頭のいい人が授業を受けて、まとめたノートみたくて、そうじゃなくて、オレがこういうノートをまとめられるような参考書が欲しいんだよなあ(でも、めっちゃ読むけどね)。
 ノートっていうのはそれを作った人の取捨選択が入っているわけで、その割愛された情報がないと頭に入らないってことがあるんだ。
 うお、なんか学習法について喋ってると、塾の先生っぽいぞ!

政治の機能
対立の調整、社会秩序の維持、社会の統合

集団現象説
政治の機能は国家特有ではなく、もっと普遍的で、企業や学校などどこでも見られる現象だとする考え方。

国家現象説
政治は国家特有の現象で、従って政治の研究は国家の起源や、本質、制度、機能を研究することだとする考え方。

アリストテレス
この人、過去問でもう少し掘り下げられて出題されてたので、再登場!
ポリス的動物=社会的動物+政治的動物

調整的正義と配分的正義
アリストテレスは正義には、全体的正義(誰がどう考えても正しいこと。人を殺しちゃダメとか)と、部分的正義があるとし、その部分的正義は更に、配分的正義調整的正義に分けられるとして、個人的には配分的正義を重視した。
配分的正義は、その人の業績に応じて地位や報酬を与えるべきだという考え方。
調整的正義は、本来は平等であるべきものが不平等になったとき、平等に戻すような正義。加害者に罰、被害者に慰謝料でトントン、みたいな。

アリストテレスは、人間にとっての最高善は幸福だとして、ポリスでの共同関係を支えているのは友愛と徳(態度や行ないの良さ)だと考えた。
真理を純粋に見る観想(テオリア)的な生活に最高の幸福があるとしたのは、さすがフクロウをマスコットにしていたアテネの哲学者だなあって。
ちなみに友愛(フィリア)は利他的な無償の愛。一方的な好意(エウノイア)とはその点で異なる。

さらにアリストテレスは政治体制を6つに分類した(政体論)。
支配者が一人で、目的が公的なら王制、目的が私的なら僭主制。
支配者が少数で、目的が公的なら貴族制、私的なら寡頭制。
支配者が多数で、目的が公的なら国制、私的なら民主制。
悪い政治体制の中でも最悪なのが僭主制、次に寡頭制、民主制となる。

政治の定義
目的論
政治とは、社会の理想の実現を目指す。プラトンは正義、アリストテレスは幸福が政治の目的だとした。

制度論
政治とは、国家の意思決定と、その執行にあたる統治機構の活動。

強力論
政治とは、特定の個人や階級が、ほかの人々を強制的に支配服従させる現象。マルクス主義では、政治の本質は階級支配と階級闘争であるとした。

機能論
政治とは、対立を調整し、社会的な合意を得られるように価値の適切な配分を行うプロセス・・・あ、さっき言ったかw
対立調整は、シカゴ大学名誉教授のデビット・イーストンが定義した考え。
価値の最適分配は、アメリカの政治学者でシカゴ学派の大物のハロルド・ラスウェルが定義した考え。

国家の定義
領域内の社会全体の公共の秩序を維持、管理するために作られた社会集団。主権と領域と国民が・・・そこらへんは分かるかw

主権
国家権力、統治権のこと。国家の政治を最終的に決定する権利で、どんな支配もしのぐ最高性と(国家を支配する政治的アクターは存在しないから※国連は国家を支配しているわけではない)、国外のどんな干渉も退ける独立性を持つ。内政不干渉の原則!
ジャン・ボーダンというフランスの政治学者が『国家論六書』において、主権について最初に体系づけた。ボーダンは主権の絶対性を論じ、絶対王政(君主主権)を支持した。

主権の自己制限
近年は国際化が進み、各国の合意に基づいて国際連合や国際法に従っている。そういった傾向のこと。

クラズナー
スティーブン・クラズナーはアメリカの国際政治学者。
これまでの政治学では、ウェストファリア条約以降、主権国家(近代国家)の概念は普遍的に遵守されてきたように捉えられていたが、このような国際法における主権は現在のグローバル化を待たなくても、割と頻繁に侵害、変容してきたよ、と指摘した。
さらにクラズナーは国家主権を以下の四つに分類した。

①国内における主権…国内における政府の絶対的統治権(統治権)
②相互依存における主権…国境を越える交流(人・モノ・カネなど)を管理する能力
③国際法における主権…国家の平等、外交権限など国際法上対外的に認められた権利(最高権)
④ウェストファリア的主権…国家が国内で有する権限を外から侵害されない権利(独立性)

クラズナーによれば③は国家がそれを承認しなかったり、また国際連合などが国家ではない政治主体(植民地)を承認する行為などによって覆ることがあるし、④も外国からの政治的介入や国際機関への統治権の移譲などによって侵害されてきた。
つまり、国家主権とは、その誕生当初から絶対的なものではなく、国家は自分の利益に合致している限りは主権の存在を認め遵守するが、利益に合致しない場合は主権といえども侵害してしまうのだ。

国家の起源
神授説
国家は神が作ったもので、君主の権力は神から授けられたものだという国家観。
明治時代の国粋主義思想(神の末裔である天皇が、天照大神の勅命を受けて永遠に統治を続ける、唯一無二の国という思想)も似たタイプだと思う。

契約説
これはこの前やったやつで、人民の合意に基づいて人工的に国家が成立されたという国家観。

征服説
強大な種族や階級が、弱小種族、階級を征服、支配することで国家ができたという国家観。
フランツ・オッペンハイマーが提唱。アメリカとかがそうなのだろうか。

階級説
階級社会の成立によって、支配階級が他の階級を抑圧し支配する機関として国家ができたという国家観。征服説と似てる気がする。

一元国家論
国家を絶対至高の価値を持つものとする考え方。全体主義っぽいぞ。

国家有機体説
国家をひとつの生物のように考える。個人(細胞)は国家(個体)と統合することで初めて生きていける。国家を人工的なものとする社会契約説と真逆。ヘーゲルやバーク、スペンサーなどが提唱。

多元的国家論
国家もほかの社会集団と同等の、ひとつのあり方に過ぎずないとする考え方。ポストモダンっぽいぞ!

階級国家観
国家を支配階級の抑圧機関とする考え方。もちろんマルクスの考え方なんだけど、マルクスは国家の歴史的流れも整理していて(唯物史観)無階級社会が、やがて階級国家になり、最後は再び共産主義という無階級のユートピアができると考えた。

奴隷制国家→封建制国家→絶対主義国家→資本主義国家→社会主義国家→共産主義社会(※共産主義では国家は消滅!・・・って池上さんが言ってたw)

国家の機能的分類
警察国家
君主が国民の人権を抑圧する国家。16~18世紀の絶対王政。

夜警国家
国家の任務を、治安や国防など最小限にして、市民社会は自由放任レッセフェール。小さな政府論だけど、現代でもネオリベが流行ったアメリカで実践(多分失敗)。
そもそもこの夜警国家ってネガティブな意味で作られた言葉と知ってビックリ。ドイツの社会主義者ラッサールが、公正中立と思われていた小さな政府が、結局ブルジョアの富しか保護してないない階級国家になっちゃってるぞ!と批判する文脈で用いられたらしい。

福祉国家
現在主流なタイプ。国家が貧富の格差を是正し、社会的弱者の生活を保障。
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