ついに大学から理科の単位のテキストが発送されてきました。レポートや試験内容はぶっちゃけ社会科よりもかなり易しくてありがたい限りであります。
でも、まあとりあえず中学校の理科全分野をまとめきりたいなっていうのがあるので、このシリーズもちゃんと完結させる予定です。おそらくあと二回で終わるかな。そしたら社会科で唯一取りこぼした環境問題をやって、理科の生物学、地学、理科教育法と進んでいきます。
それに、実はまたまた転職したのでプライベートな時間が捻出できるようになったんだ。書きかけの小説(クリムゾンウィング)も書いちゃうべ。
天気とその変化
気温や湿度などの気象条件、気圧や前線、天気図などを学習する。
雲の出来かたや海陸風など、そのメカニズムを論理的に攻略する必要がある難所。
社会とちょっとかぶるところがあるため、地理に強い人は有利。
乾湿計
湿度を求めることができる2本1組の温度計。
そのまんまの温度計の乾球と、温度計の先が水に濡れたガーゼに包まれている湿球が示す温度の差で湿度を求めることができる。
どういうことかというと、水に濡れている湿球が示す温度は気化熱の関係でほとんどの場合、乾球が示す温度よりも低い。
例えば、湿度が低くとっても乾燥している場合は、湿球の水の蒸発が盛んになってそれだけ気化熱がたくさん奪われるので、湿球が示す温度は乾球よりもずっと低くなる。
逆に、湿度が高い場合は乾球も湿球並みに湿っていることになるので、乾球と湿球の温度の差は小さくなる。
しかし、すごい寒い日の場合は、濡れたガーゼが凍って湿球の方が温度が高くなってしまうことがある。
飽和水蒸気量
1立方メートルの空気がふくむことができる水蒸気の質量(g)のこと。
温度が高くなるほど大きくなる。
水蒸気は水を100℃にしないとできないんじゃないかって思うけど、洗濯物が乾いたり、コップの水がどんどん減っていくように、100℃以下でも飽和水蒸気量分だけ水は蒸発していく。
つまり蒸発と沸騰は違うわけで、蒸発は液体の表面が徐々に気体に変わっていくのに対して(例えば20℃の水は、その全ての水分子の温度が20℃とは限らない)、沸騰は高温になることで蒸気圧が外気圧に打ち勝ち、表面も内部もすべての分子が強制的に気体に変わっていく現象を言う。
富士山の山頂で、お米を炊こうにも100℃以下で沸騰してしまうのはこのため。
雲量
0~1を快晴、2~8を晴れ、9~10をくもりとする。
空の80%が雲で埋まっても晴れなのに注意!
雲の種類
10種類2タイプある。
水平に広がるタイプ
パッと見、高度が低くなるにつれ巨大化している感じ。高度が高い順から・・・
巻雲:すじのような雲。
巻層雲:薄い雲。
巻積雲:うろこ雲。
高層雲:おぼろ雲。巻層雲の厚さがアップしてグレーに。
高積雲:ひつじ雲。雲の大きさが一回りアップ。
乱層雲:雨雲。太陽の光を完全に遮る。
層雲:霧状の雲。地上にやってきて霧そのものになったりする。
層積雲:うね雲。イカダのような形になることもある。
塊状のタイプ
積乱雲:入道雲。はげしい雷雨。
積雲:わたあめのような雲。
断熱膨張
空気が地面で温められて上昇すると、上空は気圧が低いので空気は膨張する。
この時、膨張した空気は熱のやり取りをしていないので断熱膨張と呼ばれている。
断熱膨張の場合は膨張するためのエネルギーを、その空気自身がまかなわなければならないため空気のエネルギーは減り、温度は下がることになる。
凝結高度
雲ができる高度のこと。これは次のような式で求められる。
凝結高度H=125(地上の気温T-露点t)
この125って謎の定数はどっから出たんだって言うと、気象観測により露点は100メートル高度が上がるごとに約0.2℃下がっていくから
t-(H×0.2/100)
そして、気温は100メートル高度が上がるごとに約1℃下がっていくので
T-(H×1/100)
凝結高度は、この露点と気温が一致する高度なので
t-(H×0.2/100)=T-(H×1/100)
両辺に100をかけて
100t-0.2H=100T-H
移項して
0.8H=100T-100t
両辺を0.8で割って
H=(100T-100t)/0.8
H=125(T-t)
氷晶説
雨の出来方について1933年にノルウェーのベルシェロンが提唱した仮説。その5年後にフィンダイセンが修正した。そのプロセスは以下の通り。
①空高くまで発達した雲の内部には、上部には氷の結晶(氷晶)が、下部には0℃以下の温度でも凍っていない過冷却の水滴が、さらにその下には0℃以下の普通の水滴が存在している。
②氷晶と過冷却の水滴が共存している状態では、過冷却の水滴の方が蒸発しやすいため、蒸発した水蒸気は上部に上っていき、氷晶の周りに付着する。
③その結果、過冷却水滴は小さくなり、氷晶は大きくなる。
④大きくなった氷晶は雲の中を落下し、途中で水滴と衝突、ますます大きくなっていく。そして0℃以上の暖かい層まで落下すると氷晶が溶けるので、雨になる。
併合説
氷晶説では、雲の中に氷晶と過冷却の水滴が共存している状態を仮定しているが、実際には熱帯地方などでは、氷晶があるほど高い雲でもないのに雨が降っていたりする。
そこで考えられた仮説が併合説。暖かい雨の説とも言う。
①雲の中の水滴はどれもだいたい同じ大きさだが、ごく少数ほかの水滴よりもサイズが大きいものがある。
②大きい水滴は小さい水滴よりも落下する速さが大きいので、落ちる途中でたくさんの他の水滴とくっつき、さらに大きくなっていく。
③このようにできた大きな水滴が地上に落ちてくるものが雨である。
雨を降らせる雲
氷晶説でも併合説でも、雲の粒が雨粒にまで成長するためには、落下する途中でたくさんの水滴に衝突する必要がある。そのため雨は雲の厚さが十分にないとできない。
つまり、高層雲、乱層雲、積乱雲のような厚い雲が、雨を降らせる雲として挙げられる。
過冷却
液体が凝固点以下になっても固体にならないこと。
水では動かさないで冷やすと-15℃までは凍らない(氷を作るための核がなかなかできないため)。この状態の水の入ったペットボトルをドンってやると一気に凍って楽しい。
雲を作る水滴のような非常に小さい分子では、-40℃になっても凍らないという。
人工降雨
ベルシェロンによって氷晶説が発表されると、この理論に基づけば人工的に雨を降らせることができるんじゃないか?と考える人が相次いだ。
1946年、シェファーは過冷却の霧でいっぱいになった冷蔵庫にドライアイスの破片を落とし、たくさんの氷晶を作り出した。
同じ年、ボンガネットはヨウ化銀を燃やした時に発生する微小な結晶が、-50℃以下で氷晶核として有効に作用することを発見した。
これらの発見を受けて、アメリカのジェネラル・エレクトリック研究所は、飛行機からドライアイスや、ヨウ化銀が染み込んだ石炭を燃やしたものを雲に落として、過冷却状態の雲の粒を氷晶に変えることに成功している。
ヘクトパスカルとミリバール
いつ理科の授業を受けたか、世代を示すリトマス試験紙的になっている気圧の単位。
1946年~1992年まではmb(ミリバール)が使用され、現在ではhPa(ヘクトパスカル)が使用されている。
ちなみに数値は全く一緒。
さらに1946年以前はmmHg(水銀柱ミリメートル)が気圧の単位として使われていた。これは大気圧の実験でトリチェリが水銀を使用したため。
1気圧=1013ヘクトパスカル=760水銀柱ミリメートル
アネロイド気圧計
アネロイドとは「液体を含まない」という意味のギリシャ語。
内部の空気を抜いて真空状態にした金属製の薄い容器で出来ている。
この容器の凹み具合によって気圧の大きさを測るバロメーター。
小さく軽いため持ち運びも便利で使い方も簡単だが、精度は水銀気圧計にはかなわない。
フォルタン型水銀気圧計
逆さにした水銀柱の境界面を図ることで気圧の大きさを求めたトリチェリの実験を応用したバロメーターで、正確な値は得られるものの、持ち運びが不便で、使い方もかなり複雑。
あと高い。プロ用では78万円くらいする。
水銀は境界面が凸型に盛り上がるため、その凸の部分を目盛りで読み取る。
フランスのジャン・ニコラス・フォルタンが開発。
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