社会科で唯一取りこぼしていた分野がこれ。なんか、すごいモヤモヤするので結局この機会にまとめました。これでコンプリートかな。
ラムサール条約
1971年にイランのラムサールで採択。
正式には「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」と、名前が長い。「特に」のエクスキューズが個人的にはなかなか好き。
湿原や沼沢地、干潟は生態系の宝庫なので開発から守っていこうという条約。日本でも尾瀬や奥日光、渡良瀬遊水池など50箇所が登録されている。
国連人間環境会議
1972年にスウェーデンのストックホルムで開催。
かけがえのない地球というスローガンが有名。
またアメリカの経済学者ボールディングは60年代に地球を宇宙船に例えて、一つの運命共同体だと考えた。
ちなみにマイケル・ムーア監督もこう言っている。
結局人はみな同じ船の客なのだと。
どんな違いがあるにせよ一緒に泳ぐか沈むしかない。(『シッコ』)
人間環境宣言
国連人間環境会議において採択。これにより国連環境計画(UNEP)が設立され、地球環境問題に対する世界的取り組みのスタートになった。
世界遺産条約
1972年採択。世界遺産を保護する条約。世界遺産基金設立も明記。
最近では偶像崇拝が嫌いな某武装組織の人たちがガンガン世界遺産を破壊しちゃっているので胸を痛めているに違いない。
ワシントン条約
1973年採択。絶滅の恐れのある野生動物を保護する条約。
動物園の動物はトラやサイをはじめとしてだいたいレッドデータに当てはまるようになっちまったこんな世の中じゃポイズン。
世界人口会議
1974年にルーマニアのブカレストで開催。
人類の急激な人口増加(人口爆発)は深刻で、発展途上国が人口抑制策を適切に実施しても2020年には世界の人口は64億人に達すると予想し、世界人口計画を満場一致で採択した。現実にはすでにその予想を超え、2030年には82億人に達する見通し。
国連人間居住会議
1976年にカナダのバンクーバーで開催。
世界の人間の居住環境の改善(都市化、スラム化など)が話合われた。通称都市サミット。
国連水会議
1977年にアルゼンチンのマルデルプラタで開催された。
現在では9億人の人が綺麗な水を飲むことができず、世界中で水道の水を飲める国は日本を含めて15カ国しかない。アイスランドとニュージーランドがうまいらしい。どうも地震や火山がある国は水が美味しいようだ。
国連砂漠化防止会議
1977年にケニアのナイロビで開催。この会議で採択された砂漠化防止行動が、アジェンダ21の勧告によって砂漠化防止条約になった。
環境と開発に関する世界委員会
1984年に国連に設立。1987年には委員長のブルントラント女史が持続可能な開発という基本理念を発表したことでも有名。そのためブルントラント委員会とも呼ばれる。
持続可能な開発とは、未来の世代の利益を損なわない範囲での環境利用のこと。
先進国が主張する環境保全と、途上国が主張する環境開発に折り合いをつける考え。
モントリオール議定書
1987年にカナダのモントリオールで採択。
オゾン層を破壊するフロンガス(クロロフルオロカーボンやハロンなど)、四塩化炭素(フロンガスの原料)などの物質の規制を定めた。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
1988年設立。地球温暖化問題を議論する国際な学術機関。
世界中の科学者が集まって定期的に報告書を出している。
『不都合な真実』のアル・ゴア副大統領とともに2007年にノーベル平和賞を受賞。
バーゼル条約
1989年にスイスのバーゼルで採択。有害廃棄物の越境移動を規制する条約。
例えばライン川のような国際河川が汚染されるとその国だけじゃなくて周りの国も外部不経済を食らってしまう。
国連環境開発会議(地球サミット)
1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催。
この会議で採択されたものは以下の通り。
①環境と開発に関するリオ宣言
②持続可能な開発のための行動計画アジェンダ21
③気候変動枠組み条約(地球温暖化防止条約)
④生物多様性条約
⑤森林被害の原因物資を規制する森林原則声明
砂漠化防止条約
1994年にパリで採択。
深刻な干ばつや砂漠化に直面するアフリカなどの国に対処するための国際的な取り決めを定めた条約。
地球温暖化防止京都会議
1997年。正式には「気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)」と言う。
かの有名な京都議定書が採択され、2008~2012年までの間に1990年比で5%以上温室効果ガスの排出を削減することが決まった(ただし開発途上国は削減義務を求めない)。
日本は6%減、アメリカは7%減、EUは8%減の削減目標になったがアメリカは大人の事情で離脱した。
京都メカニズム
この会議で定められた温室効果ガス削減のための仕組みを京都メカニズムという。
以下の4つがある。
①排出量取引(ET)
エミッションズ・トレーディング。環境問題の対策に市場原理を取り入れたもの。他国の排出量をお金で買える。
②共同実施(JI)
ジョイント・インプリメンテーション。他国の削減事業に協力すると自国の削減実績としてカウントできる。
③クリーン開発メカニズム(CDM)
クリーン・デベロップメント・メカニズム。途上国の削減事業を支援すると自国の削減実績としてカウントできる。
④森林吸収(吸収源活動)
森林の温室効果ガス吸収分を削減実績としてカウントできる。
持続可能な開発に関する世界首脳会議(環境開発サミット)
2002年に南アメリカのヨハネスブルグで開催。
アジェンダ21の実施状況の検証が行われた。
また持続可能な開発の再確認をした(ヨハネスブルグ宣言)。
持続可能な開発(SD)
1987年に「環境と開発に関する世界委員会」委員長であるノルウェーのブルントラント首相が公表した「我ら共有の未来」の中心的な考え方で(ブルントラント報告)、将来世代のニーズと現在の世代のニーズを共に満足させるような開発を言う。
その後1992年の国連環境開発会議(地球サミット)のリオ宣言では持続可能な開発についての行動計画であるアジェンダ21が採択された。
環境倫理学の三本柱
①自然の生存権
②世代間倫理
③地球有限主義
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