減法が加法として計算できるのは何故か

 小学校の算数では、+は足し算のマークで「たす」と読み、-は引き算のマークで「ひく」と読んでいたというのに、中学校に入ると+は「プラス」、-は「マイナス」と読み、正負の符号として理解し直さなければならない。これが数が苦手な子は混乱してしまう。
 だいたいまったく同じマークなのに別概念を追加させるから、わけがわからなくなるわけで、でも数学なんて理屈じゃねえ、スポーツのルールみたいなもんだ!みたいに割り切って考えられる人は・・・

プラスを増やすことと、マイナスを減らすことはいっしょ!
+(+1)=-(-1)

プラスを減らすことと、マイナスを増やすことはいっしょ!
-(+1)=+(-1)


よって引き算は足し算に変えることができる!

 という、わりとざっくりとした説明だけで、あっさりこのことわりを受け入れちゃうんだけど、一部にはやっぱり「いやいや、なんでプラスを減らすことと、マイナスを増やすことはいっしょなんだよ???」って納得しない人もいる。
 これは理屈どうこうじゃなくて、実際にこのルールが実感できるような生活経験がイメージできないからピンと来ないんだろうなあって気はする。かたぎの中学生で金融とか株式をやっている子ってあまりいないじゃん。まさか学校の授業でみんなで桃太郎電鉄をやらせるわけにもいかないし。
 例えば、マイナスのつく負の数っていうのは、0より小さい数って考えちゃうと、もう国語的に矛盾するわけで、0の概念(=数が何もない)自体を「0はただの基準(数のスタート地点)」みたいな感じで修正させたほうがいいんだよな。
 そのスタート位置から右に進むことをプラス、逆に左に進むことをマイナスって言うんだよってすれば、絶対値の概念もなんとなくわかるし。ああ、スタート地点からどれだけ離れているかが絶対値なのか、と(物理学で言うスカラー)。
 で、そうやって考えれば、小学校では絶対できなかった、1-5みたいなインポッシブルな計算もできるようになるぞっていう。
 
カッコ外しのルール
1+(+1)は+1
1-(-1)は-1

1+(-1)は-1
1-(+1)は-1


 私は、今まで学習塾で数学を教えているときは、こんなふうにカッコの前後で同じ符号が二個続くと、カッコはずしてプラスに、カッコの前後で違う符号が二個続くと、カッコはずしてマイナスって考えればいいよって、正負の加減法の概念に全く触れずに、とっととカッコをはずさせていたんだけど、文科省の教科書はやっぱり、数学の研究者が書いているわけで、そういう学問性を無視した教え方はアンタッチャブルらしく、一応足し算引き算とプラスマイナスの概念の違いに果敢に言及しようとしていて、つまり、引き算である減法は厳密には、全部加法に変換するんだって説明してるんだよな。
 で、これがすっごいややこしいんだ。数学の先天的センスがある人や、数学が好きな人なら「オラ、ワクワクすっぞ」なんだろうけど、私みたいな数に愛されていない頭脳の人は、かえって混乱しちゃって、つーか正直私自身も、この教科書の説明じゃ良くわからない。結局のところ、当たり前だけど、数学の教科書って数学が好きで、数学が得意な人が書いているから、私みたいな想定外のバカがいることを考慮してないんだよね。
 なんというか、一年の2学期で教える方程式的な考え方をしていて、最初からそんな高度な思考ができたら、そもそもこんなところつまずかねえよっていう不条理を感じる記述なんですよ(^_^;)

Q:東西にのびる道路をP地点から□km進み、そこからさらに東へ2km進んだら、P地点から5kmの場所にいました。はじめにP地点から何km進んだでしょう?

 みたいな問題があって、これを数直線で考え加法にすると・・・

□+(+2)=5

 この□に当てはまる数は

□=(+5)-(+2)・・・①

 に式を変えれば求められるので・・・

 とか、書いてあるんだよ!これってもはや等式変形で方程式なわけじゃないですか!というか脱ゆとりで小学校の時点でここら辺のレベルまでやってるのかもしれないけれど、だとしてもこの考え方できるような子どもだったら、そもそもこの教科書いらねえよっていう。
 ほいで、□に入る数は、P地点から最初に5km移動して、そこから-2km移動した結果とも考えられるので

□=(+5)+(-2)・・・②

 ①式と②式より、引き算は加法に直せます。

 ・・・う~ん、何度読んでもわかりづらい・・・orz
 これなら、概念すっとばしてルールだけ教えちゃったほうが、計算自体はできるようになると思ったんだけど、やっぱり学校は学習塾と違って学術的概念を軽視するわけにはいかないので、自分なりにどうやったら、この引き算が足し算に変化できるということを、みんなに理解させられるのかなと悩んだ挙句、こんな感じのヴァンガードファイト的なゲームを考案しました。

ルール
①二人ひと組のペアを作って、ひとり5枚ずつトランプのカードを配る。

②黒札はそのカードの数を足して、赤札はそのカードの数を引いて、5枚のカードの合計得点を計算し、その点数をお互いに言う。(カードは見せない!)

③ジャンケンをする。ジャンケンに勝った人は、相手からカードを一枚取るか、相手にカードを一枚取ってもらうかを選ぶ。

④カードのやり取りをしたら、自分のカードの合計得点をあらためて計算する。 

⑤このように3回ジャンケンをしてカードをやり取りして、合計得点の多い人が勝ち。
      
つまり・・・黒札を増やし、赤札を減らすゲーム!

たとえば
・黒札の10のカードを相手から取った場合
 +(とった)(+10ポイント)

・赤札の10のカードを相手に取られた場合
 -(とられた)(-10ポイント)

→どっちも10ポイント増える!+10

・黒札の10のカードを相手に取られた場合
 -(とられた)(+10ポイント)

・赤札の10のカードを相手から取った場合
 +(とった)(-10ポイント)

→どっちも10ポイント減る!-10

よって
プラスを増やすことと、マイナスを減らすことはいっしょ!
+(+10)=-(-10)

プラスを減らすことと、マイナスを増やすことはいっしょ!
-(+10)=+(-10)

引き算は足し算に変えることができる!

得点表.jpg

 ちなみに計算が苦手な人のために得点計算表も作りました。これでうまく納得してくれるかどうかはわからないけれど(かなり苦し紛れなゲームであることは認めます)、一番最悪なのは、この時点でパージしちゃう人を出しちゃうことだよね。
 ここでくじけられちゃうと、今後の数学が誇張表現でもなんでもなく全て計算できなくなっちゃうから、得意な人にとっちゃ出てくる数も桁が小さくて簡単すぎる前哨戦なんだけど、だからこそ基礎工事として超重要で、誰も落としちゃいけない、教える側にとっては責任重大な単元だという。
 他にこう教えるといいんじゃないかってアイディアがあったらぜひご教示ください!
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