生還しました。
教授のキャラが先週の利根川先生から、マスターキートンのユーリースコット先生になってました。Dマイナーだよ、これは君が本気で取り組んだものとは到底思えない(※実際はBでした)。昼が無理なら夜学びたまえ(※ネットカフェで)。
とにかく今回の受講生のレベルは低い、と。こんなレベルのお前らに今後の科学技術を担う子どもたちの理科教育は任せられねえ!みたいな。
これに関しては少なくとも私は返す言葉ないよ。当日にエクセルの表計算の仕方やグラフの作り方調べてたから。
でも、2回目となると、さすがにエクセルの使い方にもなんとなく慣れてきたので、最終日には多摩ズーに繰り出す余裕も見せました。
ペコ(以下:ペ)「ええ、この園でろくろを回して10年ほどになります。」
この動物園、チンパンジーの檻のキャプションがキャバクラとかホストクラブっぽくて面白い(宣材写真っぽい)。絶対インタビュー答えている時の写真だよねw
というわけで(どういうわけだ)、エスポワールで繰り広げられた6つの実験について内容と感想をまとめていきます。
たわみによるヤング率の測定
アルミニウム、銅、鉄、真鍮(銅と亜鉛の合金)といった金属棒の年齢・・・じゃなくて強度を調べる実験。
金属棒のブリッジに一個200gのおもりを一個ずつ吊り下げ、金属棒がどれだけたわんだかを、光てこ法(金属棒に当てた反射光がどれだけズレたかを調べる測定方法)や、ダイヤルゲージ法(目盛り付きのバネを金属棒の上に当て、どれだけバネが戻ったかでたわみを測る方法)で調べる。
金属のヤング率Eは、金属棒の長さl3×荷重M×重力加速度g÷(金属棒の厚さa3×金属棒の幅b×ダイヤルゲージの目盛りe)と、非常にしちめんどくさい計算をしなければ算出できないので、実測データをまとめた表の値からヤング率をエクセルに計算させようとしたんだけど、エクセルってほとんどいじったことがなくて、当日に提出できず、近隣のネットカフェで大苦戦。ビターな初戦となった。
ちなみにエクセルってセルA×セルBをA✽Bって書くんだね。アスタリスクなんだ。
以下は測定データ。
吊るした荷重(おもり)がXgの時の、下に引っ張られた度合い(cm)とヤング率を各金属棒でそれぞれ求めた。
しかし単位をセンチメートルでヤング率を求めると(dyne/c㎡)というマイナーな単位で値が出てしまうので、この時の10につく指数をひとつ減らして(N/㎡)に変換した(1dyne=10-5N、c㎡=10-4㎡なので、1(dyne/c㎡)=10-1(N/㎡)になる)。
また、金属棒の厚さや幅はマイクロメーターを使って測定した。
ということで、吊り下げたおもりによって試料(金属棒)が変形する度合いは、おもりの重さに比例し、また、形状の異なる真鍮の測定結果がほとんど同じ値であることから、形状によらず金属ごとに決まっていることがわかる。
オシロスコープを用いた電気信号測定に関する実験
オシロスコープの使い方をお勉強するだけのボーナス課題。
オシロスコープってそもそもなんなんだっていう話だけど、よく科学研究所とかに心電図的なモニターがあるじゃん。あれ。
つまり、時間的に変化する電気現象を波形に変換し、それをモニターに表示するマシーンがオシロスコープ。
オシロスコープの構造
オシロスコープを分解すると、最近の若い小説家志望者には死語になったらしいブラウン管が組み込まれていることがわかる。
平成世代のために説明すると、ブラウン管とはドイツのブラウンさんが発明した陰極線管のことで、真空のガラス管の中で、電子銃から陰極線(電子線)を発射し、それを蛍光板に当てることで画像を表示させる装置。このようにブラウン管を使った表示システムをCRT(カソード・レイ・チューブ)とも言う。
オシロスコープの原理
①カソード(陰極)と加速電極の間に高い電圧を加え、カソードをヒーターで加熱する。
②カソードから電子が放射され電子ビームになり、加速電極に向かって速度を加速させる。
③加速電極には中央に穴が空いているため、電子ビームは加速電極を通過してブラウン管の奥にある蛍光膜にぶつかり、そこに輝点を生じさせる(電子ビームは蛍光膜の所で収束するようになっておりシャープな輝点が描ける)。
④蛍光膜状に波形を描かせるために、垂直偏向板に信号電圧を加え、さらに水平偏向板に一定速度で大きくなっていく電圧を加えると輝点が左から右へ一定速度で移動し(スウィープ)、縦方向に電圧、横方向に時間軸を取ったギザギザの波形(のこぎり波)が描かれる。(スウィープはA→Bで繰り返し行われて、BにいったらすぐにAに戻しているため波形がのこぎり状になっている。)
同期
このように垂直偏向板に加えられた電圧信号は波形としてブラウン管面上に描かれるが、観測しようとする信号が同じ波形の繰り返しの場合には、一回目のスウィープと二回目のスウィープで表示する波形の書き出し位置(周期のタイミング=位相)が異なってしまうため、ブラウン管上に波形がいくつも重なってしまい見苦しい。
そこで、観測信号の波形をブラウン管面上で静止させるために、観測信号とのこぎり波のタイミングを合わせる工夫(同期)をする必要がある。全く同じ形の波が周期的に現れれば、画面上の波は止まって見えるからである。
じゃあ、具体的にどうやるかというと、トリガー回路を使って、任意の電圧になったら、観測信号に対しパルス信号を定期的に発生させるようにする。これによってスウィープ信号を発生させる。
さっきも言ったように、スウィープ信号は通常、ブラウン管の右端(に相当する電圧)に達すると、急速にもとの左端(に相当する電圧)に戻り、再びスウィープを開始するようになっているが、次のパルスBが来るまでスウィープを休止させる(待ちの時間を与える)と、オシロスコープは各スウィープのたびに同じ波形を描くことができる。
まさにMYST4。
参考サイト:『オシロスコープの原理 岩通計測株式会社』https://www.iti.iwatsu.co.jp/ja/support/05_07.html
オシロスコープの操作パネル
インテンシーボタン:線の輝きを調整する。
フォーカスボタン:輝線のピントを合わせる。
ポジションボタン:グラフの位置を上下に移動させる。
TIME/DIVボタン
テレビリモコンのチャンネルや音量をザッピングするボタンに似ている。
モニター上の格子1マス(ディビジョン=DIV)あたりの単位時間(TIME)を変更できる(波形の横幅が変わる)。
モニター上では0.2ms/DIVのように表示される。
VOLT/DIVつまみ
このつまみを回すと、モニター状の格子1マス(ディビジョン=DIV)あたりの電圧(V)を変更できる(波形の振れ幅が変わる)。
※プローブの倍率を×10(減衰率×10)にした場合は、実際の電圧は1/10になるため、モニターに表示される値を1/10に直すのに注意!
例:0.5V→0.05Vとして計算。
レベルつまみ
うまく調整すると波形の動きを止めることができる。
INPUT CH
入力チャンネル。発信機からの配線をここに接続する。チャンネルは2つある。
キャリブレーション(校正)
測定を始める前に行うオシロスコープの動作チェック。
電圧と周期を表示面から読み取るために、波形が画面外に行かないようにする目的がある。
以下、キャリブレートの手順について示す。
①プローブ(電気探針)をオシロスコープの CH1 INPUT に接続する。プローブの部分には倍率を切り替えるスイッチがあるが、これは通常10倍(×10)にする。
②オシロスコープの電源を入れる前に、操作パネルのスイッチ類を基本ポジションにセットする。
③電源を入れる。
④操作パネルの CH1 VARIABLE を右に回し切る(軽くロックがかかる)。
⑤輝線調整を行う。
TRIGGER MODE が AUTO 、 TRIGGER SOURCE が[CH1]、VERTCAL MODEが[CH1]になっていることを確認し、 CH1 GND のボタンを押して押し込まれた状態にする。
CH1 TIME/DIV を操作し 1[ms]程度にする(この値は画面上に表示される)。
※画面中央の水平目盛線付近に横一本の輝線が表示されない場合は、 INTENSITY と CH1 POSITION を調整する。
※画面に太い輝線が現れた場合は、 INTENSITY と FOCUS で輝線を細くする。
※画面に傾いた輝線が現れた場合は、中央水平目盛線と輝線が平行になるように TRACE ROTATION をドライバーで調整する。最終的に線が細くなるように調整する。
⑥CAL信号を観測する。
PROBE ADJUST にプローブを接続し(※つまりプローブのついたケーブルはオシロスコープからオシロスコープにつながっている)、 CH1 GND を押し込まれていない状態、 CH1 AD-DC を[DC]へ切り替える。
波形観測の方法
キャリブレーションが終了したら、発振器を用意し、発振器を、「正弦波」、「周波数1[kHz]」、「ATTENUATOR 20[dB]」、「AMPLITUDE(のダイヤルを右いっぱいにひねる)」、に設定する。
①使用CHのGNDのスイッチを押し込まれていない状態にする。
②発振器のOUTPUTと、オシロスコープのINPUTをプローブでつなぐ。その際、プローブはGND端子(オシロスコープにつなぐ側)からつなぐ。
③使用チャンネル(CH)に合わせて、TRIGGER SOURCE を選択(CH1を使用する場合は[CH1]を押した後にTRIGGER LEVEL を調整)して、波形を表示(停止)させる。
④表示された波形が観測しやすい太さになるように TIME/DIVとVOLTS/DIVを調整する。
⑤現れた信号から必要な測定(電圧と周期)を行う。
電圧の測定
波のピークの下端が画面上の適当なグリッド線に、ピークの上端がセンターグリッドに合うように、波形の位置を動かし、合わせた後に何[DIV]あるのかを読み取る。
電圧[ⅤP-P(ピーク・トゥ・ピーク)]は次の式(1)で求められる。
ⅤP-P = X[VOLT/DIV]×L[DIV]×A・・・(1)
X:[VOLT/DIV]のレンジ
L:波形の上端から下端までの距離(振幅の二倍の大きさでマス目の数を数える)
A:プローブの倍率(×1と×10に設定できる)
周波数の測定
画面上の水平目盛線(GND線)と波形の交点を二つ決めて、その二点間の距離L[DIV]をマス目の数から読み取る。
周期[T]は次の式(2)で求められる。
T=Y[TIME/DIV]×L[DIV]・・・(2)
Y:[ms/DIV]のレンジ
L:GND線と交差する二点間の距離
リサジュー図形の測定
オシロスコープには「X―Yモード」と呼ばれる測定モードがあり、CH1INPUTとCH2INPUTに入力された信号を、それぞれY軸(垂直方向)信号、X軸(水平方向)信号としてリサジュー図形を描くことができる。
操作手順
①VERTCAL MODEとTRIGGER SOURCEを[CH1]にする。
②CH1INPUTに発振器1を接続し、見やすい波形になるように発振器1を操作する。
③VERTCAL MODEとTRIGGER SOURCEを[CH2]にする。
④CH2INPUTに発振器2を接続し、見やすい波形になるように発振器2を操作する。
⑤VERTCAL MODEを[CH1]にする。
⑥HORIZONTAL MODE の[ALT]と[B]を同時に押し、X-Yモードに切り替える。
⑦発振器1と2の周波数調整つまみを微調整し、画面上の波形ができるだけゆっくりした動きになるようにする。ここで表示されたものがリサジュー図形。
⑧発振器の周波数調整つまみを調整し、周波数比を変更してみる。
リサジュー曲線の仕組み
リサジュー図形とはオシロスコープによって同時に測定している2種類の波形(単振動)のひとつを縦軸、もう一つを横軸に表示することにより描かれる平面図形である。
この時のふたつの波形の周波数や位相を変えることによって、リサジュー図形はシンプルになったり複雑になったり、回転したり静止したりする。
1855年にフランスの科学者リサジューによって考案された。
リサジュー図形から分かること
リサジュー図形の形状から2つの波の振幅、位相差、周波数の違いを調べることができる。
1.振幅
図形の縦と横のふれ幅を見れば普通に分かる。
2.位相差
二つの波の周波数が同じ(1:1)場合
①リサジュー図形が右肩上がりの直線
→二つの波の山と山がぴったり合っている。(位相差0°)
②リサジュー図形が円
→二つの波はsinとcosの関係のようにずれている。(位相差90°)
③リサジュー図形が楕円
→二つの波のずれが、①と②の中間である。
ちなみに、位相差φはリサジュー図形の高さをA、リサジュー図形とY軸の二つの交点の距離をBとすると以下の式で求めることができる。
φ=sin-1(B/A)
3.周波数
二つの波の周波数がずれると、それに伴い位相もずれ、リサジュー図形の形が変化する。例えば周波数比が1:1の時では直線→楕円→円→楕円→直線と移り変わる。
リサジュー図形の形から周波数比を調べたい時は、リサジュー図形を四角形で囲み、縦の辺と横の辺でそれぞれいくつの波が接しているかをカウントする。
例えば、上の図のようなリボン状のリサジュー図形は縦の辺に波がひとつ、横の辺に波が二つ接しているので(波形のブレは無視してくれ)、周波数比は1:2だということがわかる。
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