地学実験覚え書き①

 お久しぶりです&おはようございます。今日中に以下の石ころをすべて判別できるようにというミッション・インポッシブルが下されました。マジで覚え書き。

堆積岩
大気や水の風化侵食運搬堆積作用でできる岩石。

砕屑岩
粒の角が河川の運搬によって削られて丸い。

①礫岩(コングロメレート)
粒の大きさが2ミリ以上。

②砂岩(サンドストーン)
粒の大きさが2ミリ未満~1/16ミリ以上。
石英が砕けた粒(珪岩)をたくさん含むものはグレイワッケと呼ばれる。

③泥岩(マドストーン)
粒の大きさが1/16ミリ未満。

④頁岩(シェール)
本のページのようにペラペラと薄くはがれることにちなむ。
内部に含まれる有機物の関係で光沢がある。
近年某合衆国がこの岩石からオイルやガスを取り出す技術を開発した。プロミストランド。一方のカナダではアノマロカリスなどが挟まっている。

⑤粘板岩(スレート)
頁岩に似るが、さらに真っ黒でキレイ。
内部の有機物は完全に炭化(石墨化)しており、そのために光沢がない。宮城県石巻市で質がいいものがとれ、鉛筆の芯や、すずり、東京駅の屋根瓦などに使用されている。

火山噴出岩
火山噴出物は広域に及ぶため、別の場所の地層を対比する際、キーベッド(カギ層)となる。
見分けるポイントは、火山灰はガラスの粒子であるため、粒の角がとがっていること。
凝灰礫岩と凝灰岩(ゼオライト)はほとんど区別がつかないが、凝灰岩のほうはなめると舌に吸い付くので(唾液が無数の小さい孔に入るため)、キーベッド探しの時は調査隊はカタツムリのごとく地層をなめるらしい。

生物岩
珪藻土やドロマイトなどいろいろあるらしいが、代表的なものはいつものこの二つ。

①石灰岩(ライムストーン)
主成分は炭酸カルシウム。有孔虫やサンゴの死骸が海底に堆積して固化。

②チャート
ガラス片という意味。
珪藻類や放散虫の死骸がマリンスノーとして海底に堆積し固化。
非常に硬く、火打石として用いられる。茶色っぽい。

火成岩
溶岩(ラバー)やマグマが冷えて固まった岩石。

深成岩
マグマが地中深くでゆっくり冷えたもの。等粒状組織を持つ。肉眼ではかなり分かりにくいが、偏光顕微鏡のクロスニコル設定で覗くと、大きな結晶で岩石が隙間なく敷き詰められているのがよくわかる。

①花崗岩(グラナイト)
もっともメジャーな深成岩。花崗は中国の地名に由来。グラナイトは「粒の石」という意味。
シリカの含有量が多く、反対に鉄とマグネシウムの含有量が少ないため全体的に白っぽい。
古くなると鉄が酸化することでピンク色になっていく・・・といっても3億年位たたないとピンクにならない。
含まれる造岩鉱物は
白いものが斜長石(カルシウムとナトリウム)とカリ長石。
透明なものは石英。
黒いものは黒雲母と角閃石。

②閃緑岩(ディオライト)
きらめく緑の石という意味だが全体的に灰色。花崗岩と区別がつきにくいため「区別する」という意味でディオライトと名付けられた。しかし比較するとわかるが、花崗岩はグロス調で閃緑岩はマット調っぽい。
造岩鉱物の白いものは斜長石。
緑のものはカルシウムを含んだ明るい緑色の角閃石。

③斑糲岩(ガブロ)
斑状に黒い石という意味。
全体的に黒くかなりキラキラしている。いわゆる黒御影石。
玄武岩とともに海洋プレートを構成する。

火山岩
地表付近のマグマが急冷したもの。斑状組織を持つ。
偏光顕微鏡で覗くと石基(グランドマス)と呼ばれている部分も実は斑晶(フィナクリスト)同様に細かい結晶でできていることが分かる。そのため中学校で石基をガラス質と教えるのは厳密には誤り。
斑状組織.jpg
偏光顕微鏡のクロスニコルで見た斑状組織(安山岩のもの)。石基(グランドマス)の部分も実は微小な結晶で出来ていることがわかる。
明確な平行線の縞々(双晶)が走っている灰色~白の斑晶は斜長石。
レインボー的にカラフルな斑晶は角閃石。分厚さによってブルー→グリーン→オレンジと色が違って見える(薄くなるほど黄色っぽくなる)。

①流紋岩(ライアライト)
火山岩で最も白っぽい。
名前の由来は溶岩が流れた跡(縞模様)が岩石に残されているため。
白っぽいマグマは粘り気が強く溶岩ドームを形成する。溶岩ドーム崩壊の際の火砕流は温度が400℃、時速は70~300キロメートルに達し、たびたび犠牲者を出す。
ちなみに特殊な流紋岩として、黒曜石やピッチストーンといったガラス質のタイプがある。どちらも割ると鋭く尖るがピッチストーンの方はもろいので石器にはならない。

②安山岩(アンデサイト)
灰色の火山岩。
アメリカを“米”と漢字表記するように、アンデス山脈を“安山”としてみたらしい。
オーソドックスな輝石安山岩のほかに、黒っぽい角閃石安山岩、ごま塩状の黒雲母安山岩がある。

③玄武岩(ビソート)
黒色の火山岩。兵庫県の洞窟の名前にちなむ。
海洋プレートの最上部を構成する。
また、砂岩と酷似しており専門家でも見分けがつかないことがある。しかしサラサラのマグマが急冷されたため内部に火山ガスがまだ含まれていることがあり、ほのかに硫黄の香りがする・・・らしいが鼻づまりには厳しい。
サラサラのマグマは溶岩台地を形成し、その世界最大のものが西シベリア台地、次いでデカン高原。

変成岩
堆積岩や火成岩が、接触したマグマの熱(接触変成)や地中の温度や圧力(広域変成)の影響を受けて再結晶化したもの。
中学では習わない第三の勢力。もともと火成岩や堆積岩であったために最も見分けが困難。

接触変成岩
深さ10~20キロメートルにあるマグマだまり周辺でしかつくられないために局所的。

①ホルンフェルス
元泥岩。
割れると角笛状(ホルン)の破片ができることにちなむ。
黒っぽい岩石で、見分けるポイントは表面に仄かに青い透明なビーズのような結晶(菫青石)があること。

②大理石(マーブル)
元石灰岩。結晶石灰岩ともいう。ウェディングドレスのように白く美しい。
炭酸カルシウムが結晶化して透明な方解石になったもの。
ちなみにマーブルチョコは表面を大理石のようにつるつるにコーティングしたから。

広域変成岩
海洋プレートの沈み込み帯でつくられるため広域で、厚さは数キロメートル、長さは数百~数千メートルにわたって大量生産される。
普通に考えて、そのまま地球の内部に沈んでいきそうだが、現在も地質学者を悩ます謎の浮上をして地表付近にアイルビーバックする。

片岩(クリスタライン・シスト)
ミルフィールのような薄い片理面がある広域変成岩。
全体的な特徴としてラメ状の細かなキラキラがある。

元玄武岩の広域変成岩
出世魚のように①→②もしくは①→③と変わっていく。

①緑泥石片岩(クロライト・シスト)
クロライトはギリシャ語で黄緑という意味。
400℃、深さ15キロメートルでできる。
シルバーの塗装をされたような岩石。
日本ではポピュラーな岩石で巨大なものもある。庭石としても人気。

②緑簾石片岩(エピドート・シスト)
緑泥石片岩がさらに沈み、450℃、深さ20キロメートルまで達すると作られる。
シルバーの表面がところどころ黄緑色に変色している岩石。

③藍閃片岩(ブルー・シスト)
緑泥石片岩が450℃、深さ30キロメートル以上(マントル突入)まで沈み込むと作られる。
青い。緑簾石片岩と同一温度、しかし圧力条件のみが異なるため、二つの岩石産地を比較することでマントルの速度や温度についての情報も調べることができる。
ブルーシスト.jpg
藍閃片岩の片理面。綺麗なミルフィール状。

元砂泥岩の広域変成岩
出世魚のように①→②→③→④と変わっていく。

①黒色片岩(ブラック・シスト)
粘板岩が400℃、深さ15キロで変化してできる。

②紅簾石片岩(ピーモンタイト)
石にもよるがほのかにピンク色。
黒色片岩が450℃、深さ20キロで変化してできる。

③雲母片岩(ツー・マイカ・シスト)
白雲母と黒雲母のふたつのマイカ(雲母)が同時に存在する岩石。
550℃、深さ20キロでできる。これは温度が高いと黒雲母が作られるため。

④黒雲母片麻岩(バイアタイト・ナイス)
片理が粗い物を片麻岩という。片麻岩はさらに高温な場所でできる。
雲母片岩の白雲母に含まれる水分が高熱によりぬけて、ほかの結晶内に注入、触媒作用を起こし融点を下げたことで、岩石の一部が溶けてしまった(つまり一部火成岩になっている)。白雲母はカリ長石に変化しみられない。
650℃以上でできる。
黒雲母片麻岩.jpg
黒雲母片麻岩の片理面。かなり粗挽き。
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