あの政治学覚え書きが二年ぶりにまさかの復活。なんか国連がすっぽり抜けていて(覚え書き⑫に入っていると思い込んでいた)、改めてここにアップしておきました。
しかし、なんか最近は政治的な話題に興味なくしちゃって、なんというか政治の場にさらに知性がなくなっちゃった感じがするよね。
在りし日のパキPさんがよく言ってた最終的には殴り合いっていうのを、本当にニュースで噛み締めてんなあっていうwまあプロデューサーも比喩として言ってるんだろうけど、やっぱどんな種類のステートメントでも(それこそ暴力反対でも)政治的な戦いに勝つにはイデオロギーにするしかないからね。
んでさ、ここまでひどいのっていつだったかなって振り返ってみると、小泉政権の時なんだよね。つまり圧倒的な力で野党を蹴散らしちゃうような長期政権になっちゃうと、為政者にもゆるみというか奢りみたいなのが出てきて、もう国会でいちいち対話するのもめんどくせ~みたいなゴリ押しをしだすんだろうね。
まあ内幕はもっと複雑で、安倍さんは安倍さんで人知れず苦労してたり、共謀罪法案もなんか事情があるのかもしれないけどさ。
ほいでさ、この前プライムニュースで、安倍さん肝いりの憲法改正について討論してたんだけどさ、東大の法哲学者の井上達夫さんっているじゃん。あの人がめちゃめちゃキレッキレで知的に面白かった。久々にディベートで勝てそうもない人も見たっていうw本では存じ上げてたんだけど、あんな凄まじい人だったんだっていう。
あ、あとあれだ。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』やっと観た。すげ~よく出来てた(『アントマン』とタイ)。しかも『ゴーン・ガール』以来の劇場貸切で観れたんだけど、本当贅沢な経験させてもらったよ。
情報過多とか不穏な事前情報あったけど(確かに前作はゴチャゴチャしすぎてた)、描かれるテーマがたった一つで、しかもそれがちゃんと収斂してるから、全然そんなこと感じなかった。というか、私がこの映画のあまりある小ネタの元ネタを知らないから、ほとんどスルーしててノイズにならなかったっていうのがあるんじゃないかってプロデューサー言ってたよ。
確かに、そう言う意味では純粋にプロットの骨格だけ追えて、それはそれでよかったんじゃないかなっていう。それに私は、あまりデーターベース消費っていうのが好きじゃないんだよね。あくまでもストーリー、つまり人間ドラマを追求すべきだろっていうさ。で、山田洋次監督じゃないけど家族をテーマにするとやっぱり物語は締まるんだよね。見事!
俺が矢を飛ばすとき頭は使っちゃいない。俺が使うのは心。
国際連合(UN)
地球上のほぼすべての国家(193カ国)が加盟する国際組織。主な非加盟国はバチカン市国。本部はニューヨーク。
主要機関は
①総会
全加盟国により構成される最高議決機関。
重要事項は3分の2以上の国の賛成、それ以外は過半数の賛成で決定されるが、法的拘束力のない勧告に限られる。
総会によって設立された期間には、国連環境計画(UNEP)や国連児童基金(UNICEF)、国連難民弁務官事務所(UNHCR)などがある。
②安全保障理事会
国際平和と安全に責任を負い、決定事項は総会とは違って法的拘束力を持つ。経済制裁だけではなく、軍事的措置も行える。
アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の常任理事国と、任期2年の持ち回りの非常任理事国で構成される。議決は9理事国以上の賛成で決まるが、重要な実質事項では常任理事国すべての賛成が必要になる(5大国一致の法則)。
そのため、常任理事国は一国でも反対すれば議決を拒否できる拒否権を持つ。
ちなみに冷戦時代はアメリカとソ連の仲が悪かったため、拒否権が乱発、安全保障理事会の機能は麻痺した。
また、安保理の常任理事国のメンバーは戦後から全く変わっておらず、国連分担金負担額2位の日本と、3位のドイツ(どちらも旧敵国条項によって未だに差別的に扱われている)や、地域大国のブラジル、インドを加える必要性も取りざたされているが、実現はしていない。
③経済社会理事会
国際協力を推進する機関。任期3年の54理事国で構成。
国連教育科学文化機関(UNESCO)、国際労働機関(ILO)、国連食糧農業機関(FAO)、世界保健機関(WHO)、国際通貨基金(IMF)、国際復興開発銀行(IBRD)、国連開発協会(IDA)など多くの専門機関と連携する。
④信託統治理事会
独立や自治が自国だけではできない信託統治地域を保護する機関。最後の信託統治地域パラオが無事独立したため、現在任務は終了している。
⑤国際司法裁判所(ICJ)
任期9年の15人の裁判官で構成。国家を当事者とし個人は当事者にはなれない。
また強制的に裁判に出廷させる強制管轄権がないため、裁判を始めるには紛争当事国同士の同意が必要となり、紛争解決機能は不十分である(違法なことをした国が裁判に同意するはずがないから)。
96年の、核兵器の使用は国際法違反だという勧告的意見が有名。
⑥事務局
事務処理機関で、リーダーは任期5年の国連事務総長。事務総長は国連平和維持活動(PKO)の指揮権を持つ。現在は9代目でポルトガルのグテーレス事務総長。
の計6つ。
国連平和維持活動(PKO)
ピース・キープ・オペレーション。
軍人が非武装、または軽武装でおこなう停戦監視や兵力引き離しなどの活動。
冷戦時に本来の国連軍が編成できない中でオルタナティブ的に確立された。
そのため国連憲章にはPKOについての定めがないが、国連憲章第6章の紛争の平和的解決と、第7章の紛争の強制的解決の中間的な活動なので、憲章6章半の活動と呼ばれている。
冷戦が終結すると、PKOの任務はさらに拡大・多様化し、軍人による停戦監視、兵力引き離しに加え、文民による選挙監視、復興支援活動も行うようになった。このような現在の形は、多機能型・複合型PKOと呼ばれている。
国際平和に大きく貢献したことから1988年にノーベル平和賞を受賞している。
PKOは、以下の原則によっておこなわれる。
①任意原則
活動してくれる要員は、強制ではなく、加盟国の自発的意志によるものとする。
②同意原則
当事国がPKOの受け入れに同意した上でおこなわれる。
③中立原則
どちらか一方に加担せず、活動は中立を保つ。
④自衛原則
武器の使用は自衛の場合に限る。
国連軍(UNF)
国連憲章第7章に規定。安保理が決定した軍事的措置を実行する軍隊で、各国が兵力提供などの特別協定を結ぶことで結成される。
しかし大国の思惑などもあり、実際に組織されたことは一度もない。SFの地球連邦軍的存在になっている。
※朝鮮戦争(1950~53)における国連軍、湾岸戦争(1991)における多国籍軍、アフガニスタン紛争(2001)における国際治安支援部隊(ISAF)といった国連軍的なものはあったが、これは安保理の決議に基づいて各国が自発的に派遣したもので、本来の意味での国連軍ではない。
平和維持軍(PKF)
PKO実施のために派遣される軽武装の部隊。これも自衛のために武装しているだけなので国連軍とは見なされない。
2001年のPKO協力法改正により、日本の自衛隊も参加できるようになった。
平和執行部隊(PEU)
ピース・エンフォースメント・ユニット。平和強制部隊とも言う。
伝統的なPKOの原則(同意原則と自衛原則)を変更し、当事国の同意がないまま(もしくは一方の国の要請だけでも)武力行使を前提に派遣される重武装の部隊。
本来の国連軍にかなり近く、93年にソマリアに派遣されたことがあるが、現地勢力との武力衝突が拡大し、強い反発を受けて失敗した。
人権の国際化
フランクリン・ルーズベルト大統領の4つの自由がきっかけで、人権保障を一国ではなく世界規模に拡大する流れが生まれた。
世界人権宣言(1848)
国連総会で採択。すべての国が達成すべき人権の共通の基準として宣言されたが、法的な拘束力はなかった。内容は自由権、社会権、参政権。
国際人権規約(1966)
世界人権宣言の内容を具体化し、条約として法的拘束力があるようにしたもの。
A規約(社会権規約)、B規約(自由権規約)、B規約選択議定書(人権を侵害された個人が国連の規約人権委員会に申し立てられることを規定)の3つがある。またA規約、B規約もその前提として、民族自決権を規定している。
日本は、79年に一部を批准したが、A規約の3つの点(公務員のスト権、中・高教育無償化、祝祭日の給与)を留保し、B規約の選択議定書は批准しなかった。
また89年のB規約第二選択議定書(死刑廃止条約)にも批准しておらず、死刑や拷問の廃止を訴えるNGOのアムネスティ・インターナショナルは、日本は国際的な流れに反していると非難している。
ちなみに選択議定書とは、ある条約に新しい内容を追加したり、補強したりする際に作られる文書のことで、条約と同じ効力を持つ。
難民の地位に関する条約(1951)
迫害や拷問が予想される難民を本国に送り返してはいけない(安全な第三国へ送る)というノン=ルフールマンの原則が定められた。
日本は81年に批准、その翌年に出入国管理及び難民認定法を制定し、難民認定制度を発足させた。
しかし5000人の申請者に対して在留を許可された人は100人ほどと(※14年度)、日本の難民認定は非常に厳しく、認定申請者をたびたび成田空港から強制送還している。
ちなみに政治的信条があって国から逃れる人を亡命者、政治的信条が希薄な人(戦災や災害から避難した人)を難民と言うことが多いが、日本政府のいう“難民”は政治的難民、つまり亡命者に限っており、これが日本の難民受入数が今なお低い原因となっている。
とはいえ広義の難民は全世界で6000万人近くいるとされ、特に内戦が続くシリアやアフガニスタン、ソマリアで多い。
人種差別撤廃条約(1965)
日本は95年に批准し、97年に北海道旧土人保護法を廃止し、アイヌ文化振興法を施行した。08年には、アイヌ民族は北海道の先住民族だと国会で認められた。
女子差別撤廃条約(1979)
日本は85年に批准し、国籍法を改正、父親が日本人でないと日本国籍を取得できないという父系優先血統主義から、父か母のどちらかが日本人なら日本国籍が取得できるという父母両系血統主義に変更した。
また85年には、職場での男女平等を目指し、男女雇用機会均等法が、さらに99年には男女共同参画社会基本法が成立した。
子どもの権利条約(1989)
子どもの①生きる権利、②守られる権利、③育つ権利、④(コミュニティに)参加する権利を保障した条約。
さらに、子どもの買春および児童ポルノ、少年兵、権利を迫害された子どもの通報手続きなどに関する選択議定書がある。
日本は94年に批准した。
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