国文学覚え書き③

 試験本当にやばいす。奇しくも試験日に公開される『アウトレイジ最終章』だけを希望に今週は生きていきます。とりあえずかぐや姫。

『竹取物語』
現存する日本最古の物語。作者不詳。成立年代は9世紀末~10世紀初頭だとされる。古い伝承を取材し、それに仏教や漢籍(中国の書籍)のエッセンスも加えて、巧みに構成されている。
最古の物語とは思えないほど、SFとしてもファンタジーとしてもクオリティが高い。

かぐや姫誕生
今では昔のことになりますが、竹取の翁という者がいました。
野山に入っては竹を取りつつ、その竹をよろずのことに使っていました。
そんな彼の名は「さぬきのみやつこ」と言いました。
その竹の中に、根元が光る竹が一筋ありました。
怪しく思って近づいて見ると、筒の中が光っています。
それをよく見ると、3寸(9センチ)ほどの人が、とても可愛らしい様子で座っています。
翁は「私は毎朝、毎夕竹をみている。その中にいらっしゃるので分かる。この人は自分の子になるべき人である。」
と言って、手の中に入れて、家へ持ち帰りました。
妻の「おうな」に預けて育てさせました。
可愛いこと限りありません。
とても幼いのでカゴに入れて育てました。
竹取の翁は、この子を見つけたあとに竹を取ると、節のあいだに黄金が入った竹を幾度も見つけました。こうして、翁は次第にリッチになりました。

この子は、養うほどに、すくすくと大きくなっていきました。
3ヶ月ほどになると、一人前の大きさの人になったので、髪上げ(成人女子のヘアスタイルにすること)などあれこれ手配して、髪を結い、裳(も。袴に重ねて腰の後ろにまとう成人女子の正装)を着せました。
帳台からも外に出さずに、大切に養いました。
この子の容姿の清らかなことこの世になく、家の中は暗い所がなく光に満ちていました。
翁は心地が悪く、苦しいときも、この子を見ると、苦しいこともやみました。腹立たしいことも慰みました。

翁は、竹を取ることが長く続き、勢いが盛んな者になりました。
この子がとても大きくなったので、名前を、御室戸斎部(みむろどいむべ)の秋田を呼んで、付けさせます。
秋田は、なよ竹のかぐや姫と名づけました。
このとき3日間打ち上げで遊びました。よろずの遊びをしました。
男は分け隔てせずに呼び集めて、詩歌や音楽をして遊びます。
世の中の男たちは、身分が高い者も低い者も、いかにしてこのかぐや姫を自分のものにしようか、と噂に聞いて、恋しく思い悩みます。

かぐや姫の嘆き
8月15日ごろの月が出ているときに、かぐや姫ははげしく泣きました。人目もくれず今は泣いています。
これを見て親たちは
「どうしたのだ」
と、かぐや姫に問い騒いでいます。
かぐや姫が泣きながら言うことには
「以前にもお話しようと思っていたけれども、必ず困惑されると思って、今まで過ごしてきました。しかし、いつまでもそんなふうに黙ってばかりもいられないと思って、うちあけます。
私はこの国の人間ではありません。月の都の人間です。前世の約束によって、この世界にやってきたのです。今、帰るときになったので、今月15日に、かの元の国から迎えに人々がやってきます。避けられず、嘆き悲しむことを、この春から思い嘆いているのです。」
と言って、大変泣くのを見た翁は、
「これは、何ということをおっしゃるのですか。竹の中から見つけ、菜種ほどの大きさでいらっしゃったあなたを、私の背の高さに並ぶまで育てた、そのわが子を何者が迎えにくるのですか。まさに許せません。」
と言って
「私が代わりに死にましょう。」
と泣き罵っている様子は、とても耐えられないのでした。

かぐや姫が言うには
「月の都の人で父と母がいます。かた時の間ということで、かの国より来ましたが、この国であまたの年を重ねてしまいました。
あの国の父母のことも覚えておりません。
ここでは、このように長く過ごさせて頂き、慣れ親しんでおります。
だから良い心地はしません。悲しいだけです。
しかし、自分の心どおりにはいかずに出て行くのです。」
と言って、育ての親と一緒にはげしく泣きました。
かぐや姫に仕えている人々も、長年親しんでいながらも、別れてしまうことを、心遣いなどが上品で美しかったことを見慣れていたので、恋しく思い、堪えがたく、湯水も飲むことができずに、おじいさん、おばあさんと同じように嘆き悲しみました。

エピローグ
運命の8月15日、月から迎えがやってくる。
天人たちは空飛ぶ車に乗り浮かんでいたので、帝の軍隊は戦意を喪失、かぐや姫は翁と嫗、帝に別れの手紙を渡し、人の心を失わせる天の羽衣を着て、不死の薬を飲み月の世界に帰って行った。
翁と嫗はショックのあまり病に伏し、帝はかぐや姫を失った悲しみに耐えられず、彼女が残した不死の薬を富士山の山頂で焼かせるのであった。
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