国文学覚え書き④

『伊勢物語』
作者不詳の歌物語。125前後のチャプターからなる。10世紀初頭に原型ができて、その後増補されたらしい。イケメンだったという在原業平らしき「昔の男」の一代記という体裁をとっているが、各チャプターはそれぞれ独立しており、全ての話が和歌を中心に構成されている。

筒井筒
昔、地方をまわって生活していた人の子どもの男の子と女の子が、筒井戸のそばで遊んでいました。
2人は大人になると、男の子はぜひ、この女の子を自分の妻にしようと思い、女の子の方も男の子を夫にしたいと思い続け、とどのつまり両思いでした。
女の子の親が彼女を別の男性と結婚させようとしたときも、女の子はそれを断りました。
そんなおり、彼女の隣に住んでいた男の子から彼女に歌が届きました。

「筒井戸と背を比べていた自分の背は、あなたと会わないうちに、もう筒井戸を越えてしまったようです。」

これに対して、女の子は

「あなたと長さを比べていた私の髪も肩を過ぎました。あなた以外の誰のために、この髪を結い上げましょうか。」

と、歌を返しました。
こうして、2人は結婚をしました。

数年後、女の親が亡くなり、生活が苦しくなるにつれて、男はこの女と一緒に落ちぶれているわけにはいかないと、河内国で新しい女を作り、通うようになりました。
しかし、女は男の行動を怪しむ様子もなく男を浮気相手の元へ送り出すので、男は彼女が自分以外の他の男が好きなんじゃないかと、それてめー自分に言えよって感じで疑い出しました。
そこで男は河内に行ったと見せかけて女を隠れてみていると,彼女は美しく化粧をして物思いにふけりながら

「風が吹くと沖の白波がたつ、その「たつ」と同じ名前の竜田山を、夜中にあの人は一人で越えているのでしょうか。」

と、歌を詠んでおり、男は彼女をいとおしく思い、浮気をやめました。

その後、男が元浮気相手の所に来てみると、初めはしおらしかったのですが、だんだん自分でご飯をよそうなどしたので幻滅し、別れてよかったと思ったのでした。

浮気相手の女は、

「あなたがいるあたりを見続けておりましょう。雲よ、生駒山を隠さないでおくれ。雨は降ろうとも。」

と歌を詠んで、外を眺めていると、男が、

「(あなたのもとへ)行こう。」

と言ってきました。
浮気相手は喜んで待つのですが、男は現れず

「あなたが来ようと言った夜ごとに、むなしく時間が過ぎてしまったので、もうあてにはしていませんが、やはりあなたを慕いながら過ごしています。」

と言ったのですが、結局男が来ることはありませんでした。

芥川
ワンスアポンタイム、ある男がいました。

妻にするには高嶺の花の高貴な女性に、何年もの間アタックし続けていましたが、やっとのことでその女性を盗み出し、夜中に駆け落ちしました、

芥川という川のほとりに女を連れて行くと、セレブすぎて外の世界を知らない女は、草の上におりていた露を見て「光っている、あれは何?」と、男に尋ねました。

道のりもまだ長く、鬼のいるところとも知らないで、夜も更け、雷が鳴り雨が降ってきたので、荒れ果てた蔵に女を押し入れて、男は弓で武装し戸口に座って、一刻も早く夜が明けてほしいと思っていました。
しかし、そこに鬼が現れ、たちまち女を一口で食べてしまいました。
女は「あれえ。」と叫びましたが、雷の音にかき消され、男は気づきませんでした。

次第に夜も明け、男が蔵の中を見ると、連れてきた女の姿はなく、悔しくて地団駄を踏んで泣きましたが、後の祭りでした。

「あの光る白玉は何?」とあの人が尋ね、私が「露ですよ」と答えたとき、私も露のように消えてしまえば、こんな悲しい思いはしなかったのに。

さて、この話の真相は、二条の后がいとこの女御(にょうぎょ)のそばで仕えていたとき、后の美しさに一目惚れした男が、后を盗んで出て行ったのですが、后の兄の堀川の大臣の長男、国経の大納言が宮中に参上するときに、ひどく泣く人がいるのを聞きつけて、男を引き留めて后を取り返したのでした。
それを、このように鬼と言ったのでした。
后がまだとても若くて入内する前のふつうの身分だったときの話だそうです。
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