日本文法覚え書き②

助動詞の学習
まずは、そもそも助動詞はどういった品詞なのかを説明する。
助動詞とは「助動詞がよく分からない」の「ない」と言ったように、文章の意味を付け加えたり(この場合は否定)、「助動詞を学習するようだ」の「ようだ」と言ったように話者の気持ちを表す品詞であり、主に用言や他の助動詞とくっつく。

次に、助動詞の種類であるが全28種類もあるので、まずはそれらを分類することになる。分類の仕方には3つの観点があり、これを助動詞の三要素という。

①意味による分類
過去・完了・断定・推量・伝聞・推定・打消・打消推量・希望・受身・尊敬・可能・自発・使役・比況などと、助動詞は様々な意味を持つ。また同じ助動詞であっても複数の意味を持っている場合もある。
これに関しては、助動詞を含む例文の助動詞の部分に下線を引き、どんな意味で用いられているか考える訓練が効果的だが、古典文法の助動詞を身近なものにするために、例文の助動詞以外の部分はむしろ現代的な内容かつ現代語で記述し、助動詞だけ目立つようにした方が流行語のようなキャッチーなワードとして認識され、記憶していくと思われる。
「こづかい日前なので金があら」「修学旅行で京都に行かまほし」など、自分の生活に身近な例文を生徒自身に作らせるとよい。

過去(~した)「き」「けり」
完了(~し終わった)「つ」「ぬ」「たり」「り」
断定(~だ)「なり」「たり」
推量(~だろう、~のようだ)「む」「むず」「らむ」「けむ」「べし」「らし」「めり」「なり」
受身(~させた)「る」「らる」
打消(~ない)「ず」
打消推量(~ないだろう)「じ」「まじ」
願望(~したい)「たし」「まほし」
使役(~させる)「す」「さす」「しむ」
比況(~と同じだ、~のようだ)「ごとし」
反実仮想(もし~だったら・・・だろう)「まし」

②活用による分類
助詞と異なり、助動詞は活用することができる。
そのパターンは、動詞型(四段型・下二段型・サ変型・ナ変型・ラ変型)、形容詞型(ク活用型・シク活用型)、形容動詞型(ナリ活用型・タリ活用型)、特殊型の4種類あり、これに関しては替え歌や語呂合わせでも良いので、活用表を参照しながら暗記していくしかない。

③接続による分類
それぞれの助動詞にはくっつくことができる活用形が決まっている。
たとえば「花咲きぬ」といった文の場合、「ぬ」を打ち消しと考え「花が咲かない」と現代語訳してしまいそうになるが、この場合の「ぬ」は連用形の「咲き」にくっついているため、打ち消しではなく完了となる(打ち消しの場合は「咲か-ず」と、未然形とくっつく)。
つまり接続の仕方によって助動詞の意味は特定することができる。

以上の点をまとめると
①基本的に動詞の下にある。
②活用がある。
③単語の前後によって意味が変わる。


最終的には暗記がものを言う分野ではあるが、いきなり全種類暗記しようとせずに、なんとなく気に入った助動詞をいくつか選び、会話や文章に実際に組み込んで遊び感覚で使ってみることが大切である。
その結果、古文の意味がおおまかに取れるようになり、学習のモチベーションも上がっていくだろうと思われる。若者は目新しく珍妙な言葉に抵抗がなく、すぐに使えてしまうので、古典の助動詞のブームを教師の手を離れて生徒間で起こせれば、後は自発的に学習していくだろう。
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