カイジ ファイナルゲーム

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆☆ 風刺☆☆☆☆☆」

 誰が何にベットするかは自分で決めるんだ。勝負すべき人間が。

 めちゃくちゃ面白かった。ファイナル!とか言っても、原作漫画の連載も続いているし、ちょっと展開が読めなくて不安だったんだけど、すっごい脚本が良くできてる。
 これは映画版の全てに言えるけど、2時間前後の限られた時間に単行本15冊分の内容を詰め込んでいるわけで、これで構成をまずったら、ダイジェスト感ハンパないからね。
 さらに、今回はオール新作。誰にとっても未知な内容なわけで、要求されるハードルは高かったはず。脚本脱稿から4年かかった理由もなんとなくわかるような。

 とにもかくにも日本社会の風刺がすごいんですよ。ちょっとぬるかった三谷幸喜さんの『記憶にございません』の100倍かめはめ波。こういうのすごい好きなんだよな。漫画の本質は社会風刺だから。
 しかも、近い未来こういう社会になるというよりも、表現が過剰なだけで、派遣労働とか社会保障関係費の財政圧迫とか、すでに日本社会は多かれ少なかれこうなってるよねっていう。
 どことなく『銀と金』というか、そうだ、この人は政治・経済の分野にめちゃくちゃ強いんだったっていう。
 いずれにせよ福本先生はストーリーテリングの天才だったってことを再確認。きっと半永久的にだらだら長期連載するよりも、映画みたいにあらかじめ尺が決まっている形式の方が強いんだろうな。
 伝説的な評価を受けているカイジの最初のギャンブルゲーム「限定ジャンケン」の展開も、もともとはあれ単体で考案していたものだったらしいし(短期連載の計画だったらしい)。

 しかし、今作のMVPは間違いなく吉田鋼太郎さんだろうな。原作では普通に優しい人格者、『中間管理録トネガワ』などのスピンオフではマイペースなサイコパスの黒崎義裕GMをあんなふうに表現するとは、まさに怪演。
 カイジシリーズの魅力っていろいろあると思うんだけど、やっぱりベタな逆転劇だったり、ジャイアントキリングのカタルシスにあると思うんだ。
 つまり、カイジの相手は、本当に強者で利己的で差別主義者でイカサマ師でヘビでないとならないわけで、その役割を最高の形で表現してくれたなあと。

 お前が馬鹿にしたこの欠けた金貨で俺たちは勝ったんだ・・・!

 あそこまで過剰に演じてくれたからこそ、めちゃくちゃ悪いやつなのに『アウトレイジ』シリーズみたいに一周回ってコミカルに感じて、カタルシスのシーンまで見れちゃうんだよね。じゃないと、とてもじゃないけど辛くて見てられないもん、自分みたいな非正規雇用者は。

 しかし、これで映画と原作漫画は決定的に別の道をたどっちゃったけど、原作の方はどう着地させるんだろう。いよいよ分からなくなりました。遠藤さんと黒崎GMのキャンピングカーお泊りデートとか描いている場合じゃないぞっていう。
 なにより金融業者の会長よりも日本政府の方が相手としては強大だし・・・フリーターが戦う相手としては悪魔的なところまで行っちゃったよなっていう。

 そこまでクズクズ言わなくてもいいじゃねえか。
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