R4年度東京都職員Ⅲ類採用試験(電気)について

 いや~工業高校出じゃないので、まったく知識がなく、一から電験の教科書片手に勉強しています。だんだん、自分の数学力じゃ手に負えなくなってきていて、微分方程式とか、ベクトル解析とか行列式とかが普通に出てきて、心が折れそうです。
 あと、この前十年ぶりに発熱しました。おそらく知恵熱だと思いますが、たった3日でメダルバンクが1/3になれば、熱の一つも出ると思う。アニマロッタは大負けするにしてもまだ波があるが、カラコロッタ・・・てめえだけは許さねえ。

全体的な感想
語句の知識を問う問題が多い。
高卒程度では、複雑な理論物理の計算式などは出てこないっぽい。
大問1~5から3問選択するため、すべてを回答する必要はない。意外と、計算ができる人のほうが有利かもしれない(問題数が少ないため)。

大問1
次の問に答えよ。ただし、計算の過程も示すこと。

(1)8χ²-2χy-3y²を因数分解せよ。
χ²の係数8より・・・4と2か8と1
y²の係数3より・・・3と1で確定
たすきがけより、χyの係数が-2になるのは
(4χ-3y)(2χ+y)

(2)sinθ-cosθ=√2/3のとき、sin³θ-cos³θの値を求めよ。
ちょっとめんどくさい。
(sinθ-cosθ)²=(√2/3)²なので
sin²θ-2sinθcosθ+cos²θ=2/9
1- 2sinθcosθ=2/9
2sinθcosθ=7/9
sinθcosθ=7/18

※(χ-y)³=χ³-3χ²y+3χy²-y³より
sin³θ-cos³θ
=(sinθ-cosθ)³+3sinθcosθ(sinθ-cosθ)
(√2/3)³+(3・7/18)×(√2/3)
=2√2/27 + 7√2/18 = 25√2/54

(3)関数f(χ)=χ³+aχ²+bχ+2がχ=1で極小値-6をとるとき、定数a、bおよび極大値を求めよ。

極大値と極小値を取る時、導関数(微分した関数)の値は0になる(=接線の傾きは0)。
χ³+aχ²+bχ+2を微分すると
導関数は、3χ²+2aχ+b
χ=1で極小値なので
3+2a+b=0
2a+b=-3・・・①

また
χ³+aχ²+bχ+2は
χ=1で-6になるので
1+a+b+2=-6
a+b=-9・・・②

①と②を連立方程式で解くと
a=6、b=-15

よって三次関数f(χ)の正体は
χ³+6χ²-15χ+2
導関数は3χ²+12χ-15
3(χ²+4χ-5)=3(χ-4)(χ-1)
χ=4で極大値
64+96-60+2=102

大問2
(1)環状鉄心コイルの問題
磁路長L=1m
磁気抵抗Rm=1×10⁶H⁻¹
断面積S=25cm²=25×10⁻⁴m²
巻き数N=64
電流I=0.25A

(ア)起磁力Fm[A]
Fm=I×Nなので
0.25×64=15A

(イ)
磁束φ=磁場H÷磁気抵抗Rmなので
起磁力Fmは磁場の強さHと等しいので
15÷1×10⁶
=15×10⁻⁶Wb

(ウ)透磁率μ[H/m]
Rm=L/μSより
μ=L/Rm・S
1/1×10⁶・25×10⁻⁴=1/25×10²=4×10⁻⁴H/m

※別解
透磁率μ=磁束密度B÷起磁力Fmなので

まず
磁束密度B=磁束φ/面積Sより
B=15×10⁻⁶/25×10⁻⁴
=(3/5)×10⁻²

よって
μ= (3/5)×10⁻²÷15
 =1/25×10⁻²
 =4×10⁻⁴H/m

(2)次の語句について説明せよ。
(ア)ジュールの法則
抵抗器に電気を流すとジュール熱が発生するが、その値が計算できる法則。
熱量Q(電力量J)は、電流Iと電圧Vと電気を流した時間tに比例する。
Q=I・V・t
 =W・t
この現象を利用した例としてIHクッキングヒーターなどがある。

(イ)レンツの法則
コイル内に磁石を出し入れし、磁界を変化させると、その変化を妨げるように向きが逆の誘導電流が流れる法則。
磁束の本数が増えると減らそうと、磁束の本数が減ると増やそうとする。

大問3
(1)次の文章の空欄a~gに当てはまる語句を入れなさい。※語群あり。
(ア)
「パワー半導体デバイス」によって電力を変換し、「制御」する技術がパワーエレクトロニクスである。

(イ)
交流から直流への電力変換を「順変換」といい、そのための装置を「整流装置」という。

(ウ)
交流から直流への電力変換を「逆変換」といい、そのための装置を「インバータ」という。

(エ)
電気通信設備やコンピュータなどの電源には、「一定」電圧と「一定」周波数が得られるCVCF電源装置が用いられる。

(2)次の語句について説明せよ。
(ア)リニア誘導モータ
リニアとは直線と言う意味。
一般的なモーターは回転運動をするが、リニアモーターは直線運動をする。
もともとはホイートストンが考案。磁石の引力や斥力によって浮上、推進する。
リニアモーターカーでは超伝導(導体温度を下げると電気抵抗がほとんどなくなる)を利用することで、強力な電流を流し続け、磁力を得る。また浮上させてしまえば車輪と線路の摩擦はない。

(イ)IGBT
絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
パワー半導体の一種で、大電力の高速スイッチングが可能。1980年代日本で開発された。コストが低く、使い勝手がいいので、今なお現役。

大問4
(1)図のような直流回路において、抵抗18Ωの端子間の電圧が5Vだった時、電源電圧E[V]の値を求めよ。ただし、計算の過程も示すこと。

ブリッジ回路.jpg
ブリッジ回路の計算。
ブリッジ回路の抵抗比が、橋の前後共に3:2(60:30と40:20)なので、この回路はホイートストンブリッジ。よって、橋の70Ωの抵抗器には電流は流れず、一般的な直並列回路になる。

回路全体の電流は5÷18=5/18A
上下ルートの抵抗比が3:2なので、電流比は2:3
上ルート:5/18×2/5=1/9A 90Ω×1/9A=10V
下ルート:5/18×3/5=1/6A 60Ω×1/6A=10V

よって電源電圧は、5V+10V=15V

(2)次の語句について説明せよ。
(ア)直流送電方式
現在は、電圧を調整しやすい交流で送電を行っているが、半導体の進歩で長距離に大容量の電流を送ることができる直流送電に注目が集まっている(交流は電力ロスが大きい)。
ちなみに、太陽光や風力発電は直流で発電しているため、これを大都市に送電できれば再生可能エネルギーの普及は一層進むと考えられている。

(イ)コンバインドサイクル発電
ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電。
ガスタービンを回した熱で蒸気タービンを回すため熱効率が良い。

大問5
(1)次の文章の空欄a~gに当てはまる語句を入れなさい。※語群あり。
(ア)光ファイバは、中心部に屈折率の高い「コア」を配置し、その周囲を「コア」よりも屈折率が低い「クラッド」で囲った構造になっている。

(イ)「コア」と「クラッド」は、主に「プラスチック」や「ガラス繊維」により作られており、光はその境界で「全反射」を繰り返して伝搬する。

(ウ)光ファイバ通信の長所として「広帯域」「無誘導」が挙げられる。

(2)次の語句について説明せよ。
(ア)電界効果トランジスタ
半導体の内部に生じる電界によって電流を制御する方式のトランジスタ。
一般的なトランジスタが電流で駆動するのに対し、FETは電圧で駆動する。
また、スイッチング速度が速く、消費電力が少ないという利点がある。

(イ)マルチバイブレータ
スイッチのON・OFFでパルス信号を連続的に発生させる、トランジスタを用いた基本回路。

①無安定型
入力信号なしでパルス信号を出し続ける。

②単安定型
入力信号があると1つだけパルス信号を出す。

③双安定型(フリップフロップ回路)
1つめの入力信号でパルス信号を出し続け
2つめの入力信号でパルス信号をやめる。
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