『青春アタック』脚本㊴縦横無尽

東京都千代田区の高体連本部ビル
警察のパトカーが集まっている。
本部ビルのセキュリティルーム。
コンソールを叩いて防犯カメラの履歴を確認する狩野
「・・・あのセキュリティシステムをハッキングするのは不可能よ・・・」
敬礼する警察官「破門戸閣下のご期待に応えられるよう、犯人を全力で捜査します・・・!」
微笑む破門戸「ほほほ・・・頼みましたよ・・・」

警察の捜査現場から離れる二人。
狩野「・・・警察のサイバー捜査班に任せますか?」
破門戸「ご冗談を。我々の難攻不落の防衛を突破し、痕跡ひとつ残さずに消えた亡霊のようなハッカーですよ・・・機械音痴の日本の警察の手に負えるわけがない・・・
それで・・・被害は?」
狩野「・・・白亜高校の部員の冷凍された血液サンプル6本・・・」 
破門戸「それだけ・・・?」
頷く狩野「ええ・・・抗体検査用の・・・」
笑う破門戸「くっくっく・・・そんなものを欲しがる人間は非常に限られるでしょうね・・・」
狩野「どういたしますか・・・?」
破門戸「我々も随分なめられたものだ・・・キーは持っていますね?」
何かの鍵を取り出す狩野。
その鍵で、地下倉庫のロッカーを開ける。
ロッカーの中にはロケットランチャーが入っている。
狩野「気の毒だけど本当の亡霊になってもらうわ・・・名も無きハッカーさん・・・」



伊勢崎華蔵寺公園の球場
実況「さあ、春の高校バレーバトルロイヤル大会準決勝も3回の表になりました!
白亜高校は激戦の末、選手一名が負傷・・・このピンチをどう乗り切るのでしょうか!!」
スコアボードは「詩留々高専13-白亜高校17」

出場を予想してなかった小早川「えええ!?私が出るんですか・・・!?」
さくら「ついに出番よ、リニアガール!」
花原「つーかなんで、あんた制服着てるのよ!」
海野「・・・ユニフォームは・・・?」
小早川「下に着てますけど・・・」
花原「なら、早く脱ぎなさい・・・!カッシーの代わりをやってもらうわ!」
海野「急いで、急いで・・・!」
みんなにセーラー服を脱がされる小早川
小早川「あたた・・・ブラジャーも脱げてます・・・!」

その様子を眺めているスバル「・・・誰だあいつ・・・?」
りかぜ「・・・控え選手だと思うけど・・・試合に出るとは思ってなかったみたいね・・・」
スバル「バレー経験者だと思うか?」
首を振るりかぜ「白亜高校にバレー部は一人しかいない・・・」
スバル「じゃあ、あいつは一体何者なんだ・・・?」

コートに入る小早川
「あわわ・・・こんなハイレベルな試合に私なんかがお邪魔していいのでしょうか・・・」
ざわめく火野「うお、なんか知らない人が入ったぞ!秘密兵器か・・・!!」
月野「きっとすげー選手だ!」
小早川「ああ・・・なんかすごい期待されてます・・・」
花原「緊張することないわよ・・・あなたならできるわ・・・」
ちおり「海野さん以外はみんなバレー素人だしね!」
小早川「し・・・しかし・・・!あんなハイレベルな試合を見せられた後では・・・
あたし・・・かけっこしかできない・・・!」
海野「小早川さん、深呼吸!」
乙奈「ええ、まずは落ち着くことです・・・チョコレートの箱は開けてみるまで・・・」
取り乱す小早川「その例え難しくてわからない・・・!」

スタンドの控え席に座る華白崎
「・・・わたしのせいで小早川さんにすごいプレッシャーを与えてしまった・・・」
華白崎の足首をアイシングするさくら「あなたは自分の体の心配だけしてればいいの・・・
おし、応急処置は完了。
病田先生・・・車でカッシーを近くの病院に連れてってくれない?
この時間だと・・・夜間外来かな。レントゲンを取らないとね。」
病田「わかりました・・・」
華白崎「私は大丈夫です・・・試合の行く末を見させてください・・・」
さくら「だめ。
誰よりも我慢強いあなたが涙をこぼしたのよ・・・?
万が一骨が損傷していたら養護教諭として責任が取れない・・・」
華白崎「生徒を風俗に売っていたのに、いつからそんな生徒思いになったんですか?監督・・・」
さくら「情がわいちゃったのよ。足首は固定したから動かさないように。
病田先生・・・お願い。」
駐車場へ駆け出す病田「車を近くに持ってきます。」
さくら「・・・さて。マッスル山村。出番よ。」
スコアノートに目をやる山村「・・・何を言っているのか、さっぱりだ。」
真剣な顔になるさくら「そういう冗談はいいから。
世界中で山村くんだけなの。あの子に勇気を与えられるのは・・・」

ガタガタ震える小早川「私のせいでみなさんが負けたら・・・」
笑顔でちおり「だいじょうぶだよ!
それに仮に負けても、みんなでソープランドっていうテーマパークで遊べるよ!」
慌てる花原「バカ・・・!」
ショックで泣いてしまう小早川「ひいいい!お嫁さんの前に泡嬢はいや!」
山村「かずさよ・・・恐れるな・・・!われがついている・・・!」
小早川「先輩・・・わたし・・・怖い・・・!」
山村「笑止・・・いったい何を恐れることがある・・・?」
小早川「わたしは強い先輩とは違う・・・弱虫だから・・・」
すると山村が立ち上がって小早川に近づく。
小早川「・・・先輩?」
すると、小早川を持ち上げて肩に乗せて、お尻を叩く山村。
ケツを思い切りペシペシする山村「この野郎!」
小早川「あたたた・・・!!」
小早川を下ろしてやる山村「二度とそんなことを言うんじゃない!
うぬは弱虫なんかじゃ決してない!
オレは筋肉があるから強いのか?道楽で筋トレをしているオレと違って、君は家族を養うために朝まで必死に働いて、ポストに新聞を入れてただろう・・・!」
小早川「・・・・・・。」
山村「・・・意気地なしのオレにはとてもそんな勇気はない・・・
君ほど家族想いで強い女の子はいない・・・
だから・・・自分を信じるんだ・・・オレは君を信じている。」
小早川「・・・先輩・・・」
山村「・・・君を愛しているからな。」
真っ赤になる小早川「・・・わたし・・・バレーボールに命をかけます・・・!!」
ちおり「ひゅーひゅー!」
花原(わ・・・私もいつか言われたい・・・)

息を切らせて戻ってくる山村「これでいいのか・・・」
さくら「・・・ありがとう・・・先生も君の事愛してるよ・・・」
山村「・・・結婚式の仲人は任せたぞ・・・」

サービスエリアに入る水野美帆子。
水野「ど・・・どうしよう・・・不安だな・・・」
スバル「水野さんよ、そういう作戦かもしれんぜ?」
水野「・・・え?」
スバル「バレー経験者がコートに入るだけであそこまで怯えんだろ。」
水野「確かに・・・」
スバル「試しにあんたの全力のジャンプサーブをお見舞いしたらどうだ?」
頷くと、プロ並みのジャンプサーブを打つ水野。

海野「・・・!いけない・・・!小早川さんを狙ってきた・・・!」
小早川にフォローに入る海野。
海野「だいじょうぶ!私が取るから!」
海野が下がって片腕でレシーブをするが、球速が落ちず、そのままコート外に飛んで行ってしまう。
海野「しまった・・・!勢いを殺しきれなかった・・・!」
ブーちゃんが慌ててアウトボールを拾おうとするが、コートから離れていくボールに追いつけない。
すると、白い影が風のようにブーちゃんを追い抜いていく。
スプリントの奇麗なフォームで、ぐんぐんボールに追いついていく小早川。
海野「・・・速い・・・!!」
とうとうボールに追いつき、レシーブをして自軍コートに戻してしまう。
花原「うお、あの距離を追いついた!!」
ちおり「はえー!!」
ストップウォッチをとめる山村「5秒38!なんてタイムだ・・・!」
さくら「なんですって!?何メートルが!?」
山村「それは分らない・・・!」
そのまま走りながら山村の方を見つめる小早川「・・・先輩♡」
すると、そのままアルプススタンドに勢いよく激突してしまう。
小早川「ぐげえ!!」

その様子に目が行くコートの中の選手たち。
火野「・・・!」
月野「いたそー」
海野「今だ・・・!」
アルプススタンドの方に意識が行っている詩留々高専のすきをついてスパイクを決める海野。
スバル「しまった!!」
主審の笛が鳴る。

海野「小早川さんフォローありがとう・・・!大丈夫・・・?」
小早川「あたた・・・は・・・はい・・・」
花原「いきなりケガで退場はやめてよ・・・」
ちおり「もう残機ないからね!」

スバル「おいおい・・・なんだ、あのスプリンターは・・・!」
りかぜ「まるでダチョウね・・・」
水野「スバルちゃん、どうしよう・・・」
スバル「今度は後衛の乙奈を狙えばいいさ。」
水野「・・・そうだね・・・」
今度は乙奈にジャンプサーブを打つ水野。
乙奈「きゃあああ!」
乙奈がなんとかレシーブをするが、再びコートを飛び出て後方へ飛んでいくボール。
海野「またアウトだ・・・!」
すると、また小早川が全力疾走をしてボールに追いつく。
スバル「またあいつだ!」
ボールの落下地点直前でつまづいて転んでしまう小早川。
小早川「ぺげえ!」
スバル「でもころんだ!」
それが結果的に飛び込みレシーブの形になり、ボールを拾う小早川。
猛ダッシュで、小早川が拾ったボールをバックアタックで相手コートに送る海野。
スバル「うわ!また返ってきた・・・!」
海野のバックアタックを顔面で受ける火野「ぎゃああ!」
主審「ツーアウト!!」

倒れてピクピクしている火野。
スバル「おいおい火野!レシーブしてくれよ!!」
金野「主将・・・火野さんをあまり責めないでやってください・・・
彼女は誰よりもボールにぶつかり・・・誰よりも人の痛みがわかるアンドロイドです・・・」
スバル「・・・え?う、うん・・・ごめんね・・・」
りかぜ「コートを野球場の真ん中に設営したのは失敗したわね・・・
あれでは大草原に赤兎馬をはなつようなもの・・・」
スバル「どうする?せっかく水野さんがいいサーブを打っても、あの陸上部が全部アウトボールを拾っちまうぜ・・・!」
りかぜ「・・・ひとつだけ手があるわ・・・」
スバル「りかぜちゃん・・・!あんた本当にすごいな・・・!」
りかぜ「水野さん・・・ちょっと・・・」
近づく水野「うん・・・」
何かを水野に耳打ちするりかぜ。
水野「・・・!そ・・・そうか・・・!」

水野が普通のフローターサーブを打つ。
海野(ジャンプサーブをやめた・・・?)
すると、ボールはレシーブの名手ブーちゃんに飛んでいく。
綺麗にレシーブをして、セッターにボールを送るブーちゃん。
ちおりが花原にトスを上げる。
アタックモーションに入る花原「なんだそら!ただのチャンスじゃない!くらえ~!!」
すると、火野と金野が2枚で花原のアタックをブロックする。
花原「うお!壁が厚い・・・!」
後方に飛んだボールをバックアタックするスバル。
背の低いちおりはブロックしようにもボールに手が届かず、後ろの乙奈もレシーブできない。
海野「しまった・・・!」
ガッツポーズをするスバル「おっしゃあ!1点!!」
海野「な・・・なんて的確な照準なの・・・!」
拳を握り締めて悔しがるちおり「ちびっこに生まれたことをこれほどまでに悔やんだことはありません・・・!」
高身長がコンプレックスの花原「うそつけ・・・」
乙奈「ごめんなさい・・・」

りかぜ「逆転の発想よ・・・レシーブが得意な選手を狙ってアウトボールを出させなきゃいい・・・」
スバル「もう、何がなんだかわからん・・・」
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