アバター

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆」

 昨日映画『アバター』を見てきました。いや~想像以上に悪趣味なおバカ映画で、アメリカの大作娯楽映画お決まりのパターンでした。
 
 「映画の新時代」とかコピーうった割には手堅い、単純なストーリーラインで、三時間近い長丁場を飽きさせず、長く感じさせなかったのは見事。とはいえ、原住民の女の子と主人公が仲良くなっていくあたりで(ちょっと眠かったというのもあるんですが)飽きてきちゃったんですけど、うまい具合に展開が動き出してよかった。

 物語の背骨はほとんど『ラストサムライ』。そしてそれをベースに『キングコング』(趣味の悪い生き物がたくさん出てくる)『ダイノトピア』(翼竜ライダーのくだりがほとんど一緒)『紀元前1万年』(敵に対抗するために部族を集結させる)を足したような感じ。

 正直もっと深い話を見せてくれるのかな、と思ってたけどそこは何もなかった。『インデペンデンスデイ』みたいなおバカなノリで見るのが正しい楽しみ方なのでしょう。
 おバカと言えば、個人的に助演男優賞をあげたい、戦争大好きシブマッチョ大佐。強すぎです。この人の性格は、もうディズニー映画の悪役か!ってくらいカリカチュアライズされていてアニメみたかったです(宮崎アニメっぽいシーンもあったな)。
 そして衛星パンドラに鉱物を掘りに来ていた株式会社のトップ。このひと吹き替えの声優がよかったのかな?どっちかというと悪役だけど、パターゴルフで遊んでいたり、子供っぽくてどこか憎めないキャラクターでした。
 軍に属していながら、自分の信念で動き、主人公たち、科学研究チームに協力してくれた女性兵士も良かったですね。この人『LOST』シーズン2に出てたような。その時は嫌な奴の役だったけど、『アバター』の役は良かった!一番好きなキャラだったかも。

 しかし残念ながら、この映画は人間ドラマとしてはイマイチ。メインキャラの心理描写が薄く、主人公は結局どういう性格の人かさっぱり分からなかったです。せっかく感情移入しやすい主人公の一人称視点で映画を作っているのになぜ?
 自分が考えるにジェームズ・キャメロン監督は、このキャラ設定が定まっていない、いわば空っぽの主人公を、我々観客の「アバター」として用意し、映画の世界を疑似体験できるようにしたのかもしれません。
 でも疑似体験と感情移入ってちょっと違うから、この映画は「映像はすごい!」と思えても、主人公の行動に共感したり、応援したりってのがなかったのかも。
 もうすこし観客がのめり込める、主人公を作り込んで欲しかったなあ。まあそこがこの映画のキモではなかったんでしょうけど。

 クライマックスの展開は、なんだかアメリカ人の馬鹿さ加減に笑いと怖さを感じましたね。それは、原住民に対する徹底的な差別意識の表出です。この映画はおそらく、英国からアメリカ大陸にやってきた移民と、ネイティブアメリカンの対立をSFっぽく描いているのでしょうけど、無意識のうちに「原住民は無知で、アメリカの海兵隊員である主人公が率いてやらなきゃ強力な軍事兵器を持つ人間軍に負けた」という物語の構造になっているんです。

 この他民族に対する謙虚さの欠如は何なんでしょうか(笑)。『ラストサムライ』は面白かったのですが、それ以上にこの『アバター』では、原住民が“アメリカ人のリーダーに指揮されて”勝利をつかむという構造があざとくてちょっと…
 これじゃあ、勝手にしゃしゃり出てきたよそ者が、ちゃっかりリーダーになって、おいしいところを持っていくようなもので、それなら原住民は全員アメリカ人抜きで強大な敵に特攻して、散っても良かったんじゃ。それで守れたものもあったんじゃ。この思想結構やばいのかな?

 最後に空の支配者の巨大な翼竜。モデルはブラジルの翼竜「タペジャラ」ですね。しかし歴史上5人しか乗りこなせなかったあいつに、主人公あっさり乗っちゃったな…
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