ニュース番組にスポーツコーナーはいらない

 22日に起きた、マツダの工場で12人が死傷した事件。かつてちょっとだけマツダで働いていた犯人は「マツダの社員なら経営者でも労働者でもなんでもいいから殺したかった」とわざと車を暴走させて凶行におよび、一人が亡くなった。
 これって絶対秋葉原事件のオマージュだよな・・・と思ってたらやぱりそうだったらしくて、秋葉原事件のマスコミの注目によって目立ちたがり屋の奴が真似してしまった。
 すっごい少数だけど、ああいうマスコミで取り上げられた凶悪事件をそう取って(=皆に注目されていいなあ)しまう人がいる。
 マスコミが秋葉原事件をもう少し淡々と報道していたら・・・とはいえその事件が大々的に報道されて世間が関心を持ってくれた方がいいという被害者の方もいるから、ああやって連日報道するのもいいんだろうけど、ちょっと部外者の野次馬覗き見根性を刺激するワイドショー的内容が多くて、被害者に比べて加害者の人物像ばかりを取り上げている。
 これには理由があるのでしょう。被害者を取り上げるのは遺族感情的になかなか難しいけど、加害者なら基本的に罪を犯した悪い奴だから多少叩いても良心はあまり痛まない・・・と。ただ加害者の家族にとっては辛い話だろうなあ・・・

 たとえば酒鬼薔薇事件の少年Aの家族はもう正体がばれてて、住民票もなかなかとれないらしい。どこにも行き場がなくやっと関東地方の某所に住んでいるんだけど、この場所は私も知ってる。私でも知ってるってことは「ああ、酒鬼薔薇事件の家族ってあの一家か」って近所には顔もばれているってこと。
 少年Aは少年法に守られたってみんなは言うけど、私は逆に彼らは少年法によって地獄の日々を歩む羽目になったと思う。「あの少年は、少年法に守られてすぐに出所してあそこに住んでやがる、許せねえ」って誹謗中傷する奴もいるだろうし、まともに生活できるのかなぁ?と。
 大人と同じ法律でしっかり裁かれた方が逆に良かった気さえする。

 しかし凶悪事件にはうんざりするんですけど(人間についていろいろ考えさせはするけど)、あれって行き過ぎた悪ふざけですよ。高校生にタイヤ10キロをくくりつけて海に沈めたり、女子高生をドラム缶に入れてコンクリートをつめたっていうやくざのリンチみたいなことをした若者もいましたけど、あれ犯人はふざけてやったらしいですから。
 あんなことすればどうなるかを知ってた上で、あの殺し方を楽しんでやってしまう精神。これはたけしさんが映画の中で残酷な人の殺し方を考えるのとちょっと似てるけど、でもそれを実際にやるってのは中世の王様ならともかく現代の日本ではモラルの欠如としか言いようがない。
 残酷なことに惹かれる精神は私は別に普通だと思う。しかしそれとモラルや道徳がせめぎ合う事で社会的にまともに振舞える。
 まあ、たけしさんは昔東国原知事をオホーツクの流氷の上に海パン一枚で乗せて「はいこちらハワイの東です」って中継ネタをテレビでやらせたらしいけどw、それでもし東さんが海に落ちて凍死していたら「たけし、行き過ぎた悪ふざけ」って報道されてたと思う。かなり紙一重な話だと思うけど、やっぱり危険なことってタナトスがあるからか人って惹かれる。
 
 でも一つ言いたいのは「人の死ぬのが見たかった」って酒鬼薔薇は供述したけど、それは「自分が生きてないとできない」ってこと。自分は生きて人を殺して、殺される人にも人生があるってことを無視するのは卑怯。フェアじゃない。
 「人を殺したい。それで目立ちたい」ってのも結局は自分の生の肯定なんだ。だから死刑になっちゃうと恐れおののくんだろうな。自分は死にたくないから・・・

 で、そんな事件の直後に「さあ、次はワールドカップです!」ってテンションが変わるキャスターって一体・・・大学の先生は「彼らはおかしい」って言ってたけど、あれは仕事と割り切ってるんでしょう。でも少しは番組の構成考えろよ。
 私はスポーツなんて娯楽はニュース番組で取り上げるべきではないと思う。大体スポーツ番組はスポーツ番組でたくさんやってるんだから。特に土曜の深夜。
 それがいやなら、中途半端に凶悪事件に同情するな。「大変お気の毒に」とか「心中いかばかりか」とか感想を言うな。どうせ本気で思ってないんだから。ふりなんだから。ワールドカップの結果の方が楽しみなんだから。
 事実だけを淡々と伝えてからワールドカップに行くなら行ってくれ。がんばれサムライジャパン。
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