ジュラシック・パークⅢ

 「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆☆」

 それじゃ宇宙に行けないよ。

 ジュラシック・パークシリーズ第三弾にして最後の作品(ただ『スターウォーズ』のように新三部作をやるとかやらないとか)。監督はスティーブン・スピルバーグから名作映画『ジュマンジ』のジョー・ジョンストンにバトンタッチし、けっこう期待していたのですが想像と内容が違った・・・。
 私の中ではこれは『ジュラシック・パーク』じゃない。断じてない。細かなシーンは前作までの焼き直しだったり、原作小説でカットされたシーンだったりするんだけど、私の中では『ジュラシック・パーク』は恐竜を「獰猛で愚鈍な怪獣」ではなく「リアルな動物」として描いた映画。
 だから恐竜サファリパーク「ジュラシック・パーク」はテーマパークとしても魅力的だったし、ティラノサウルスやヴェロキラプトルの脱走シーンはリアルに怖かった。
 また『ジュラシック・パーク』で一般の人にはなじみのなかった最新の恐竜のイメージも大宣伝してくれて、特にティラノサウルスの姿勢、ゴジラのように尻尾をひきずって歩くのではなく、尻尾を持ち上げて前傾姿勢で歩くという説を採用してくれたのは、めちゃめちゃ嬉しかった。
 さらに一般的に無名だったヴェロキラプトル(ただし映画のモデルはデイノニクス。実際のヴェロキラプトルはイヌくらいしか大きくない)やディロフォサウルスを出してくれたのもオタク心をくすぐる小憎い演出。そんな恐竜オタクをうならせる映画が『ジュラシック・パーク』・・・だったのに・・・
 
 この映画の恐竜のイメージはなんとも古典的。巨大な肉食恐竜のタイマンに、人間を持ち上げて飛び去り雛の餌にする翼竜(プテラノドンって人間よりも体重が軽いぞw)と、まるで80年代以前の恐竜映画。最新の恐竜像を見せてくれた『ジュラシック・パーク』の影はもうそこには無い。
 別に古典的な恐竜映画を批判しているわけではないんです。ただこれで「ジュラシック・パーク」ブランド(なんだそりゃ)を語ってほしくないなあ・・・と。ジュラシック・パークの続編じゃなかったら全然面白かったんだけど。

 なんだかんだ言ってこの映画のギャグとか結構好きなんですよ。第一作目から帰ってきたアラン・グラント博士が「その連中は草食だから喧嘩して相手を食べる事はないけど、肉食のこの連中はそうじゃないんだよ。鋭い爪や歯を使って相手を切り裂いて食ってしまうんだ・・・ガ~グオ~」って恐竜のおもちゃで遊ぶ幼児にガチンコで捕食者被食者の概念を講義したりw、川でスピノサウルスに襲われてエリーの家に衛星電話で助けを求める時に、(やっぱり)幼児がガチャピンみたいな超ちゃっちい恐竜の着ぐるみが踊っている教育番組を見ていたり(これはリアルなスピノサウルスとテレビの恐竜の対比が最高!)笑えるシーンは結構あります。
 結局この映画って知性のかけらもないバカ映画なんですw。出てくるキャラも愛すべきバカばっかだし。ハーバード大学医学部卒の原作者クライトンはこれを見てどう思ったんだろうか・・・

 もちろん笑えるシーン以外にも映画的に上手いシーンはあって、「アインホルン20ミリガス式セミオートマチック十連発マガジン装備回転ボルト発射反動制御装置高性能爆発炎上・・・」を装備した戦闘のプロでさえ到着後数十分で散ったサイトBで二か月も生活したスーパーサバイバル少年エリックくんが、バードゲージの吊橋でプテラノドンと遭遇するシーンとかは上手いと思った。モヤを上手く使ってて、おおお怖ええ!って。
 この翼竜ドームのシーンは一作目の原作小説に出てきて映画では登場が見送られたアトラクションだったのですが、それを復活させるのなら原作通りしっかりケアラダクティルスを出してほしかった!ケアラダクティルスが出たらもうわたしゃ感涙だったのになあ・・・
 あと今回草食恐竜出なさすぎ!一作目のように肉食恐竜には草食恐竜を狩ってほしかった。意外と映画のジュラシックパークシリーズってそういうシーンがないんですよ。どいつもこいつも人ばっか狙ってきやがるw。

 この映画において一般の知名度があがったであろう恐竜が、今作の主役スピノサウルス・エジプティアクス。
 昔からティラノサウルス並みかそれ以上の巨体の持ち主であることは分かっていたものの第二次世界大戦で化石が空爆で紛失し、長らく正体が分かっていなかったのがこの恐竜です。
 最近ではバリオニクスなどの近縁種の研究が進み、また新たなスピノサウルスの化石がモロッコなどで発掘されワニのような頭部を持つ全長17メートルに及ぶ最大の肉食恐竜(ちなみに最強の肉食恐竜ティラノサウルスの大きさは12メートル)であることが分かりました。
 しかしその食性は歯の形などから主に魚であり、顎の力が超強力なティラノサウルスと万が一戦っても(スピノサウルスとティラノサウルスは生息年代も場所も大きく違う)勝てなかったと言われています。

 「スピノサウルスは魚食だから喧嘩して相手を食べる事はないけど、肉食のティラノサウルスはそうじゃないんだよ。鋭い爪や歯を使って相手を切り裂いて食ってしまうんだ・・・ガ~グオ~」

 最後に、霊長類よりも頭がよく言葉を操るヴェロキラプトル・・・これはもう何とも言えません。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
 ・・・というのはヴェロキラプトルなどのドロマエオサウルス科は、腕が複雑に動かせることから最も鳥類に近い恐竜のグループで、脳の容積も恐竜界トップクラス。仮に彼らがカラス並の知能があったとすると、それは霊長類並だと言うこと。
 なぜならば一説にはカラスやヨウムの知能はチンパンジーをも凌ぐと言われており、かなりのインテリ。
 ただし恐竜の知能に関する研究は、現在生きている動物の知能(カラス、チンプ、イルカ、イカなどは神経系がかなり発達)でさえ分かっていないことが多いので謎だらけなのです。
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